天秤座の僕は 星座で悩んでいたことがある 天秤座には何も乗っていないから 常に公平だと思っていた でも何も乗っていないからこそ これから自分は その空いた天秤に物事を掛けて傾けて そんな生き方を するんじゃないか と 不安だった 他の星座ならこんなに悩まなかったのか それとも他の星座なら他の星座なりに 悩んで不安になったのか 来なかった未来と来た今とを 僕は天秤にかけている
目が痛くなるくらいの雲の白をぬけると 言葉では気持ちの通じない場所だった そんな場所で気持ちが通じた 嬉しかった 日本語が伝わることに驚きが無いように 1+1が2であるように 当たり前に慣れていくと 新鮮さが薄れていくのだろう
らんざつな じでかいた おやすみ ねてるきみに宛てた書置き えらで息してた頃くらい むかしから決まってた気もする
いつものグループ いつも背中しか見えなかった君の姿 話し終わって人が散ったあとに 残された君の肩は震えていた あれは単なる思い出し笑い? それともひとりに安堵して流した涙? 今となっては聞かれることも 答えが返ることもない あの日の君への留守番電話
夜空をひっくり返して また君の笑顔を見てみたい でもまだとなりで寝息をたてる 君の寝顔を見ていたい
適度に気侭に適当に 気が向いたときに タネ明かし かけられっ放しの魔法には 驚きってのが足りないから
しばらく留守にします。冷蔵庫のものは勝手に食べていいけど、ビールを一本だけ残しておいてください。 急用の方は携帯を鳴らしてください。ピーッ!
君に電話した 明日の時間割を訊くていだった 受話器を持つ手には力が入り 数字を押す手は震えていた 吸い込んだ息は扁桃体を冷たくなでて 心音が耳にうるさかった 呼出音が何度か鳴って 期待はずれの無機質な声 「緊張しています!!!」 間違いなく 君に言いたいことではなかったが 少なくとも君相手では 決して言えないひとことだった
今日あったことを話すだけ 僕が一方的に話すだけ だから相手なんかいなくても一緒 君の相づちなんかなくても一緒 でもやっぱり 会話にならないのは虚しいな
なまぬるい世界に包まって 好きなものに囲まれて 手の届く温かさに溺れて 息も出来ず沈んでく ただただ水底に届くまで