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おやすみメロンパン

金のためだけに生きられるほど人類は進化していない。ただ金だけについてくる女はいない。
そうだねメロンパン。
環境が性格を決定するのではない。性格が環境を選択するのだ。
そうだねメロンパン。
ふつう人は行動から規範を学ぶ。親や権威のある者の言葉から学ぶのではない。聞いて覚えたことより見て覚えたほうの影響がはるかに強いわけだ。
そうだねメロンパン。
男はいろんな女を愛せるが、女性は生殖コストが高いぶん特定の種類しか愛さない。つまり好みがほぼ固定している。
そうだねメロンパン。
整理整頓はセンス、審美眼の問題。
そうだねメロンパン。
自己紹介文化は人見知り民族独特のもの。恐怖の軽減のため。
そうなんだメロンパン。
記憶力の悪い人は海馬から新皮質への移動に時間がかかりすぎるのである。
そうなんだメロンパン。
自分の意思にしたがった動きをしているから鏡に映った自分が自分だとわかる。
そうなんだメロンパン。
我慢強さは脳のスタミナ力。神経接続がスムーズに長く続くかどうかの差。経験済みのことはで慣れていることは神経接続が出来上がっておりまた神経伝達もスムーズに進む。
そうなんだメロンパン。
金銭感覚、大きな数に対する感覚は本能に組み込まれていない。
そうなんだメロンパン。
葛藤に耐えられないのは脳が弱いか弱っている証拠。
そうなんだメロンパン。
つり革につかまれない、公共トイレの便座に座れないという人はいるがお金にさわれないという人はいない。お金こそどんな人間から渡っているかわからないのに。
そうだねメロンパン。
安全教育に意味はないと言い切ってよい。人間は現場の雰囲気に学ぶ。人間は言葉ではなく行動から学ぶものだからだ。仕事より安全第一を現場に浸透させる。心理的安全をまず構築しなくてはいけない。
そうだねメロンパン。
ふつう夢はネガティブなイメージしか出てこない。外部刺激がシャットアウトされている状態ではポジティブなイメージングはできないのではないのだろうか。
もう寝なよ。

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生きものを飼う

 スーパーから出ると雨だった。傘はなかった。レジ袋を両手にさげ、濡れながら歩いていると、街路樹の根元に、妖精がうずくまっているのを見つけた。若い雌の妖精だった。羽根が濡れて、飛べなくなっていたのだ。周囲を見回し、誰もいないことを確認してから妖精をポケットに入れ、持ち帰った。
 濡れた服を脱いでから、妖精の身体をタオルで拭いた。妖精は、美しかった。八頭身で。バストは小ぶりだった。たしか成長しすぎるとシンメトリー度がそこなわれるため、大きいバストの妖精は敬遠され、選択淘汰で小ぶりの種が主流になったのだときいたことがある。
 妖精は何を食べるのだろう。まあ人間と同じものを食べるのだろうとドーナツを与えたら、顔の何倍もの大きさのそれをぺろりと平らげた。きっと甘いものが好きなのだ。指についた砂糖をなめると、横になり、眠ってしまった。妖精の胸が上下するのを見ながら、僕も眠った。
 妖精との蜜月は半年ほど続いた。妖精だけを眺めて暮らす日々だった。スマホも、テレビも見なかった。
 ある日、元カノから連絡があった。近くに来ているから会いたいと。元カノには未練があった。僕は会った。再び、つき合うことになった。
 帰宅すると、妖精がぐったりしていた。何も食べなかった。体温が低くなっていた。妖精は、僕の手のひらの上で、ふーっと長い息を吐くと消えてしまった。
 悲しくはなかった。当たり前だ。僕が看取ったのだから。ただもう、生きものを飼うことはないだろう。