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空想少年要塞都市パッセリフォルムズ あとがき

どうも、テトモンよ永遠に!です。
まだ投稿中の人もいるだろうけど、とりあえず書くって言ったので企画「空想少年要塞都市パッセリフォルムズ」の一応のあとがきです。
どうぞお付き合いください。

今回の企画は前回開催した企画「魔法少女学園都市レピドプテラ」と対になる世界観…のつもりで作りました。
「レピドプテラ」は女の子が主役で戦う物語だったので、次は逆に男の子が主役で戦う物語を作ろうと思ったのがきっかけです。
しかし「レピドプテラ」の魔法少女たちみたいに、一般人がある日突然特別な力を手にして…みたいな話にするのは二番煎じ感が否めないので、都市の外から攻めてくる敵を倒すために製造された人造人間のお話にしました。
ただ、世界観を構築している最中は「どこにもないオリジナルの世界観だ〜ヒャッハー‼︎」とノリノリだったのですが、あとから考えてみると要塞都市って某進撃の巨人っぽいし、参加者さんからの指摘によるとレヴェリテルムは某BLEACHに登場する斬魄刀みたいとのことなので、やっぱりなにかの二番煎じみたくなっちゃったな〜と感じてます。
あと設定が山盛りすぎたかもしれない(笑)
ちなみにモチーフを「鳥」にしたのは以前没にした物語でモチーフが「鳥」で、いつか再利用したいなぁと思ってたからです。
また、レヴェリテルムが可変武器なのは自分の好きな「アサルトリリィ」に登場する武器「CHARM」が変形武器なので、そのアイデアを自分が作るものでも使いたいと思ったからですね。
まぁ自分が色々なところから無意識のうちに影響を受けているかもしれないことを実感した企画でした。

さて、今回はこれぐらいにして。
開催期間を撤廃してもこんな調子だしそもそも忙しいので、もう大規模な企画を開催するのは終わりにしようかなと思います。
ただ手元にオリジナルの世界観の物語がまだいくつか残っているので、機会があれば自由に使っていいアイデアとしてここに出すかもしれません。
あとお題だけ設定した企画はやるかもしれない…?

長々書きましたが、参加者の皆さんには感謝でいっぱいです。
あと「あとがき」以降の作品投稿も大歓迎です。
それではこの辺で。
テトモン永遠に!でした〜。

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空想少年要塞都市パッセリフォルムズ:告鳥と悪霧 その⑩

「見えたぜェ、リーダー後輩。お前の上げた“狼煙”がよォ……」
粉塵の舞い上がる中から、刺々しい声が楽し気に響く。
「それで? コイツをブッ殺せば良いのか? 遅刻した分働くぜェ……!」
薙ぎ払いが粉塵を吹き飛ばす。高校制服姿のアヴェスが、大盾と大刀で武装して立っていた。
「よく来てくれたぜゾッさん。テストの出来はどうだった?」
「現文駄目だった!」
「ドンマイ! じゃあ頼む!」
「りょーかいィ」
“ゾッさん”と呼ばれたアヴェス、ステルコラリウス・ポマリヌスはレヴェリテルムを変形合体させ、一つの大型戦斧を完成させた。
「叩き斬れ……“Polaris caelum”!」
全長約3mもあるそれを大きく振りかぶり、大型アリエヌスの正中線に照準を定める。
「せェー…………のォッ!」
渾身の振り下ろしが炸裂する。その破壊力はアリエヌスが構えていた両腕を破壊し、剣圧の余波を体幹部にまで到達させ、その巨体を完全に両断した。
「ふゥー……大型アリエヌス何するものぞ。俺が本気出しゃぁこんなモンよ」
レヴェリテルム“ポラリス=カエルム”の合体機構を解除し、ポマリヌスは研究者とクミを睨みつけた。
「で? 何なのお前ら。マッドサイエンティスト?」
「似たようなものだね」
研究者の男が答える脇でクミが片手を振り上げると、大型アリエヌスの残骸から黒い霧が吹き出し、彼女の足下に吸い込まれて消えた。
「うおっ、何あれ」
「ゾッさん。あのおチビちゃん、アヴェスらしいぜ」
カズアリウスの言葉に、ポマリヌスはカズアリウスとクミを交互に見た。
「えっマジで? 女の子じゃん」
「あのマッドが作ったんだとよ」
「マぁジか。ガチマッドじゃん。通報したろ。……帰してくれるならの話だけどな」
ポマリヌスが短槍を握りしめ研究者の男を睨む。しかし、男はけろっとした表情でビデオカメラをしまい、アヴェス達を追い払うように手を振った。
「帰ってくれて構わないよ。君達には感謝しているんだ。恩には報いるのが信条でね。帰った後は好きに通報してくれて構わないよ。どちらにしろ、私の研究に大きな支障は無いからね。さぁ帰った帰った。良い日を過ごしておくれ」
研究者の男とクミが手を振って送り出す中、4人のアヴェスは釈然としない感情でエレベーターに乗り込んだのだった。

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空想少年要塞都市パッセリフォルムズ:告鳥と悪霧 その⑨

「ビク太郎、ズー坊。お前らの出る幕は無ぇ。大人しく下がってろ」
カズアリウスの指揮で、他の2人は後退した。
「おや、君のような雑魚一人で相手するつもりかい? 思い上がるのはやめた方が良いと思うがねぇ」
研究者の男が揶揄うように言う。
「うるっせ。馬鹿にすんなよ? これでも“以津真天”のアタマ張ってんだ。1つ、俺の本気ってやつを見せてやるよ。アリエヌス壊されて泣くなよ?」
「確約はできないね。本当にそうなったなら、嬉し泣きするかもしれない」
「ほざけ」
そう吐き捨て、カズアリウスは彼のレヴェリテルム“Calcitrare ungula”を変形させた。変形機構が起動し、踵部分に長さ20㎝程度の折り畳み刃が展開する。
「……随分と短い刃だ。大型を相手するには力不足だろう?」
「そうかもな。まァ食らって判断しやがれ」
足裏のブースターを起動し、カズアリウスはアリエヌスの頭頂より高く飛び上がると、右脚を伸ばしたまま足裏が直上を向くほどに振り上げた。
「蹴り殺せ――」
ブースターを再点火し、振り下ろす動きを超加速して、アリエヌスの脳天目掛けて踵落としを叩き込む。
「Calcitrare ungula”ァッ!」
ブースターからは凝縮された高火力エネルギー砲が放たれ、それを推進力としてアリエヌスが盾のように構えた腕に踵のブレードが突き刺さる。勢いは衰える事無く蹴撃が完全に振り抜かれ、腕の一部を大きく抉り抜いた。
「……なるほど、なかなか悪くない威力だ。ブースターの出力断面積を敢えて絞ることで、威力密度を上げているわけか。……だが、大型の敵を相手にするにはあまりに小規模過ぎるな」
研究者の言葉に、カズアリウスはニタリと笑う。
「別に良いんだよ。端ッからそいつ殺すことなんざ狙ってねェからな。“以津真天”が何を目的にした部隊だと思っていやがる」
カズアリウスは空間天井を指差す。ブースター役のエネルギー砲は天井を貫き、地上にまで貫通していたのだ。
「『大型相手の時間稼ぎ』だぜ。俺の仕事はもう終わったんだよ」
地上から爆発的破壊音と振動が伝わり、天井を揺らし小さな瓦礫片を落とす。
「選手交代だ。“うち”の最高火力を見やがれこの野郎」
カズアリウスが言ったその瞬間、天井が粉砕され、一つの影が飛び込んできた。

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空想少年要塞都市パッセリフォルムズ:告鳥と悪霧 その⑧

アリエヌスの拳が、3人に向けて振り下ろされる。
「クソが! “カルチトラーレ=ウングラ”!」
カズアリウスの履いていた金属製脚甲の脹脛に仕込まれた加速用ブースターが一斉に起動し、超高速の蹴りが拳を迎撃する。
「この……ッ! だらあァッ!」
ブースターの出力を上げて跳ね返し、足裏の噴射機構からエネルギー砲を撃ち出して反撃する。
「この野郎ォ……俺のレヴェリテルム“Calcitrare ungula”は、ただの機動用ブーツじゃねェぞ」
カズアリウスが右脚を上げ、足裏をアリエヌスに向ける。
「出力を調整すれば、こうしてビーム兵器にもなれる」
研究者の男はビデオカメラを構え、戦闘の様子を撮影観察していた。
「なるほど。しかしまぁ……可哀そうな能力だね。その”蹴爪”という名のレヴェリテルム……その程度の出力で得られる機動力は、レヴェリテルムの標準性能で得られるだろう?」
「うっせ、俺ぁこいつが一番性に合ってんだよ。大体、動力も翼も無しに空飛べるわけ無いだろうが。常識でものを言え常識で」
「始めて見たね、『常識』なんてものを語るアヴェスは。君達は想像力の傀儡だろう?」
「生憎と人格もありゃ教育も受けてきた生命体だ。そこまで目出度い脳味噌はしてねぇよ」
「興味深いな。これからも実験に協力する気は?」
「お断りだ!」
“カルチトラーレ・ウングラ”の足裏から放たれたエネルギー砲を、アリエヌスの腕が受け止めた。ビームは腕部装甲に弾かれ、ダメージを与える事無く内壁に衝突して終わる。
「出力はあまり高くないのだね?」
「高くある必要が無いからな」

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空想少年要塞都市パッセリフォルムズ:告鳥と悪霧 その⑦

カズアリウスの言葉に、男性は平然と答えた。
「知っているさ。だからこそ、こんな『地下』で、ひっそりと生み出したんじゃあないか」
「なッ……!? テメェ、確信犯かよこの野郎!」
「そうだね。しかし、悲しいことに私は研究者でね。憧れは止められない、というやつさ。エクトピステス・ミグラトリウス。君の力を見せてやりなさい」
男性の命令に、少女クミ――エクトピステス・ミグラトリウスは静かに頷き、右手を前方に翳した。
「動き出せ――“プリンセプス”」
クミの足下から黒い霧が噴き上がり、空中に吊られたアリエヌスの残骸に吸い込まれていく。
「……プリン、何?」
困惑するカズアリウスに、白衣の男性は溜め息を吐いた。
「まったく、呆れたね。アヴェスのくせにラテン語も分からないのかい? 群れを統べるもの、“Princeps”。意味は――」
男性とクミの背後で、アリエヌスの残骸が「ごとり」、と音を立て、動き出した。
「『支配者』さ」
アリエヌスの眼窩に赤い光が宿り、身体を伸ばして咆哮をあげる。
「安心し給え、防音対策はしっかりと取ってある。外に騒ぎを聞かれる恐れは無いよ。さて、“プリンセプス”について説明してやろうか」
男性は意気揚々と、説明を続ける。
「彼女の使う“プリンセプス”、その正体は『ナノマシン』だよ。無数の超小型機械を操作し、アリエヌスの体内に潜り込ませる。体内で“プリンセプス”を操作することで、そのアリエヌスを強制的に使役し、最後には内側から食い破って破壊する。実に効率的だろう。『支配』と『殺戮』、二段階で敵を減らせるのだから。しかし唯一欠点があってねぇ……」
大型アリエヌスは咆哮を止めると、3人のアヴェスに目を向けた。
「試験回数が少なすぎるのだよ。どれ君達、1つテスターをやってくれるかい? 何、この残骸が内側からズタズタに崩壊するまで、死なずに粘ってくれるだけで良いんだ。良い戦いを期待しているよ」

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空想少年要塞都市パッセリフォルムズ:告鳥と悪霧 その⑥

エレベーターから下りた4人は、薄暗い廊下をゆっくりと進んでいく。
「電気くらい点けとけよな……」
カズアリウスの呟きに応じるように、闇の奥から男声が響いてきた。
「それもそうだ。すまないね、ここには他人を驚かせるものが色々とあるものだから。……しかし、娘の『友達』だというなら、心配することは無いだろう。少し待ってい給え」
その声は、上階でスピーカー越しに聞こえてきたものと同じだった。
一瞬の後、辺りを電気照明が一瞬にして真っ白に照らし、3人のアヴェスは思わず目を細めた。やがて視界の正常に回復した3人を出迎えたのは、空中回廊、半径100m近くはあろう球状空間、そして、その中空に鋼線で吊るされた、全長50m近い『大型アリエヌスの残骸』だった。
「なっ……何だこれ……!?」
「あ、アリエヌス……!? ここは、処理施設の一部だったのか……?」
「それにこんな広い場所が地下にあるなんて、聞いてねえぞ!」
3人の驚愕の言葉に、男声が答える。
「ここは、私の個人的な研究施設だよ。そして……3人の戦士たちよ、よく私の『娘』を連れ帰ってくれたね」
その声の方向に3人が目を向けると、いつの間にかサルペンタリウスの手から離れていた少女クミを抱える、痩せこけた白衣の男性が、空中回廊の突き当りに立っていた。
「ほら、挨拶してやりなさい」
男性に促され、クミは頷いて3人と正面から相対する。
「“迦陵頻伽”所属、アヴェス“エクトピステス・ミグラトリウス”」
少女の口から放たれたその言葉に、3人は眉を顰めた。
「“迦陵頻伽”……? 知らねェ名だなァ……少なくともこの要塞都市に、ンな名前のカテルヴァは存在しねェ。それに、そいつが“アヴェス”だァ? 馬鹿言いやがれ、アヴェスは野郎と相場が決まってんだ。女のアヴェスは禁忌って話だろうが!」

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空想少年要塞都市パッセリフォルムズ:告鳥と悪霧 その⑤

クミの案内で3人が辿り着いたのは、路地裏の隙間に隠れるように置かれた、地下入口だった。
「ここ」
クミに言われてカズアリウスがインターホンを探す。
「あいてる」
その言葉に、カズアリウスがノブに手を掛けると、扉はあっさりと開いた。屋内は何かの機械や骨董品が並んでおり、照明もついておらず陰鬱な空気を醸している。
「本当にここなのか? そもそも人住んでんのか?」
カズアリウスが呟きながら中に入ると、天井の方からスピーカー越しの音声が降ってきた。
『お客様かい?』
男声のようである。3人のアヴェスが突然の出来事に動揺していると、クミがサルペンタリウスの腕の中で声を上げた。
「んーん、お友達!」
彼女の答えに反応するように、暗い廊下の奥に小さく明かりが灯る。長方形のそれは、どうやらエレベーターのようであった。
『入って来てもらいなさい。』
それだけ言うと、ノイズが途切れ、スピーカーからの通信は終了したようだった。
クミがエレベーターを指差し、サルペンタリウスを見上げる。
「はやくー」
3人は顔を見合わせ、しばしの逡巡の後、意を決してエレベーターに進入した。
4人が入ると同時に扉が閉まり、エレベーターは自動で下降を開始する。
そして約1分後、エレベーターが重い金属音を立てて停止した。