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Tell us terrible Terrors:のろい、まじない、きりはらい その②

「彼女は“八王子昆明学園”中等部から来てくださった……せっかくだから自己紹介してもらえるかな?」
「はーい」
校長の言葉に、少女は気の抜けた声で答えて立ち上がった。
「んぇー、初めましてー。“ダイサン”の中学2年生、野火止燿子でーすよろしくお願いしゃっす」
「あ、ども。俺は足立清嘉」
「足立センパイね、りょーかぃ」
燿子は軽く会釈を返し、清嘉の隣まで移動してきて校長のデスクに向き直った。
「さて……メンバーが揃ったところで、今回の事案について説明させてもらおう」
校長がデスクの上に滑らせるように置いた1枚のポラロイド写真を、2人は並んで覗き込む。そこに写っていたのは、清嘉と同年代程度であろう少女だった。
「その子が、今回のターゲットだ」
「……普通に人間っすね?」
「何、“語部”退治?」
「『退治』、という言い方は少し語弊があるな。強いていえば……『監視』といったところだろうか。彼女を発見し、動向を観察してほしい。そして、能力による危険行動を取っているようであれば、捕獲してほしい」
「捕獲て、そんな野生動物みたいな……」
「えーなんでですかー。このお姉さんどこの学校の人? “ダイニ”? 埼玉? そこに任せちゃえば良いのに……」
燿子の言葉に、校長はこめかみを押さえて溜め息を吐いた。
「彼女は養成校への入学を固辞したのだよ。そのせいで、野放しのような状態になっていてね……能力も厄介だから、できれば目の届く範囲に置いておきたいのだが……」
(養成校に編入するのって断れたんだ……)
清嘉はその言葉を飲み込んで、再び写真を確認する。
「まぁとにかく、この人見つけて勧誘しちゃえばいい感じですか?」
「それができれば一番いいが、具体的な方針は君たちに一任するよ。大人が出向くのが一番良いのだろうが……不用意に近づいて怪しまれても困るからな。初めての任務で不慣れだろうが、頑張ってほしい」
「「了解」」
燿子は一度ソファの方へ戻り、足元に置いていたリュックサックを拾って戻ってくる。
「んじゃ、行きましょセンパイ」
「ああ、うん」

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Tell us terrible Terrors:のろい、まじない、きりはらい

『生徒の呼び出しです。1年4組、足立清嘉さん。至急、校長室までお越しください』
放送スピーカーから流れた指示を、清嘉は忠実に実行した。放課後、未だ往来の激しい時間帯の廊下をやや急ぎ足で進み、校長室の扉をノックする。
「失礼しまーす、1年4組足立でーす」
『どうぞ』
引き戸を開けると、高等部校長は自席に着いて入室してきた清嘉を射貫くような眼で見返していた。
「それで、呼ばれたんで来たんすけど……」
「ああ、すまないね。この後部活や用事は無かったかな?」
「それは大丈夫ですけど……俺何かしちゃいましたっけ」
「いやいや、お説教の類じゃないんだよ。ただ、頼みごとがあってね」
「頼み?」
「ああ。“実習”に出てくれる気は無いかい?」
依頼実践演習――通称“実習”。高等部以上の生徒が受注可能な、人外存在や“語部”への対処依頼だ。『基本的には』、提示された依頼の中から希望者が選択して受注する段取りとなっている。
「やりますけど、実践演習って指名制あったんですね」
清嘉の言葉に、校長は渋い顔をしてみせた。
「基本的には生徒の自主性を尊重したいところなのだがねぇ……本事案に関してだけは、君たちが適任だと判断したのだよ」
「はぁ……え、“たち”? 俺以外に誰かいるんです?」
校長が応接スペースを指差す。清嘉が釣られてそちらに目をやると、3人掛けのソファの左隅に、セーラー服姿の小柄な少女が掛けていた。
(セーラー服……ってことは“ダイサン”の子か)
清嘉の通う能力者養成校は、東京都23区某所に建っている。東京に存在する3か所の能力者養成校のうち最古のものであり、学生間では俗に“ダイイチ”と呼ばれているものだ。それに対して少女の制服は、八王子市某所に位置する通称“ダイサン”のものだった。

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小説企画:Tell us terrible Terrors 設定⑦ サポート武具設定

・対怪異汎用武装
”語部”の戦闘を補助するための汎用装備。常に精神消耗と制御失敗による暴走のリスクがついて回る怪異の力を使わないため低リスクで、合法的に所持できる物品を模しているために携帯していても怪しまれにくいという強みがある。近接武装”霊凛”と、射程武装”霊火”の2種類がある。
本来は未成熟な10代以下の”語部”の戦闘時リスクを最小化するというコンセプトで開発されたものであり、能力者養成校で特別講習を受講し単位を取得した、中等部以上の生徒のみが必要に応じて貸与される。講習の受講は申請による希望制で、座学と実技の両方で構成される。
効果の発揮には装備者の生命エネルギーを消費するため、使い続けていると疲労感や倦怠感、空腹感を覚えることがある。単発ごとの消費量は軽微であり、即座に命に拘るような消耗にはならない。
これは”語部”のための汎用武装を作成するという初期コンセプトに対して、『各”語部”の扱う力は、異なる怪異存在に由来する別性質の霊的エネルギーであるため、共通機構で霊的攻撃を可能にすることが困難である』という問題に直面したためである。制作陣はこの問題を、『「すべての”語部”が共通して保有するエネルギー=人間の生物としての生命力」を原動力にする』というアプローチで解決した。

”霊凛”:競技用竹刀を模した武器。生命エネルギーによって竹刀の刀身部の強化が可能で、高い打撃力と耐久力を発揮する。
”霊火”:ビビッドカラーにペイントされた拳銃型BB弾用トイガンを模した武器。最大装弾数は12発。最大射程は20m程度。発射されたBB弾には怪異存在に対する特攻性が付与される。

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小説企画:Tell us terrible Terrors 設定③ ”語部”が能力を獲得するプロセス

あらゆる人間は、誰しもが”語部”になる可能性を秘めている。ここに特別な素養や適性は基本的には存在しない。
”語部”となるためには、巷説として虚空を漂っている怪異存在と接続し、彼らの力を留め取り込む必要がある。そのための”核”となるのが、『イマジナリーフレンド』と称されるような仮想人格である。幼少期の子供が産み出した”空想上の友人”に、”怪異の物語”が融け込むことで、能力の『種』のようなものとして定着する。イマジナリーフレンドへの介入判断及び対象選択権は完全に『怪異存在側』に依存しており、人間側から見れば完全な運の要素である。
そして怪異を取り込んだイマジナリーフレンドとの対話や交流を重ねることで、『種』もまた成長し、特殊能力として”語部”の心身に完全に帰属する。この時、”略霊”及び”異聞”の能力の効果と使い方は自然と頭と身体に刻み込まれる。この時点をもって『”語部”の誕生』となる。
本来人間を害するはずの怪異だが、『空想上の友人』という友好的存在を核とすることで辛うじて制御可能なものになり、交流を重ねて同期することでその者の武器として成長していくのである。
このようなプロセスを踏む必要があるため、『十分に明瞭なイマジナリーフレンドを生成する』『生み出したイマジナリーフレンドに運良く(あるいは運悪く)怪異が入り込む』『能力が覚醒するまでイマジナリーフレンドと決別しない』といった条件が積み重なって初めて”語部”となることができるのである。
ちなみに、能力として完全に定着した怪異存在は”核”となったイマジナリーフレンドとは別存在として独立するため、能力覚醒後にイマジナリーフレンドが消失した場合も、能力を失ったりはしない。

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小説企画:Tell us terrible Terrors 設定② 能力補足設定

能力使用難易度の目安
・”略霊”:ラジコンカーを手押しでコロコロ動かすようなもの。あまりにも安全で、容易で、そして加害のために使うにはあまりにも無力。
・”異聞”:乗用車を最高速度で走らせるようなもの。攻撃目的に使うには十分すぎるほど危険な能力。
・”剰霊”:チューンナップを盛りに盛ったF1レーシングカーを、『人類にギリギリ制御不可能な』速度で無理やりぶん回すようなもの。常人は疎か達人にすら満足には扱えず、よほどの異能か狂気が必要。
・”浄霊”:自動車の構造やコンセプト、構成原子一つ一つの挙動までも完全に理解し、身体の延長レベルで自然に、自在に操るようなもの。もはや単純な技量でどうこうできるような領域ではなく、『能力を操る』という精神で臨んでいるようでは決して到達できない。

能力段階と怪異の感覚
・”略霊”:怪異の力をほんの一部だけ借りる。
・”異聞”:怪異の力を完全に引き出す。
・”剰霊”:怪異が最もありたがる形で自由に暴れさせる。
・”浄霊”:怪異自身ですら気付いていなかった、『怪異自身が真にありたかった姿』を共に叶える。

能力段階の到達難易度
・”略霊”、”異聞”:”語部”なら誰でも使える。
・”剰霊”:理論上誰でも使えるが、暴走状態を乗りこなせなければ死ぬだけなので、実質的にほとんどの能力者には到達できない上位領域。使えるのはせいぜいが全体の1割程度。ちなみに使用後に自滅することを気にしなければ、実は誰でも使える。
・”浄霊”:ほとんどの能力者には到達できない領域。怪異のことを深く知るほど怪異に呑まれかねないので、結構リスキー。何なら知っただけでアウトな怪異とかもいるので、運の要素は非常に大きい。使えるのはせいぜいが全体の5%程度。
・”剰霊”、”浄霊”両方の習得:とても難しい。2つとも到達条件がまったく異なるため、片方ができてももう片方を(気分的に)怪異が許してくれないことが多い。両方使える”語部”は全体の1%にも満たない。

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小説企画:Tell us terrible Terrors  設定① 能力設定

・”語部”(テラー)
都市伝説の怪異の力を借りて戦う特殊能力者。能力名は『都市伝説及び怪異の名称』を冠し、該当怪異に由来する力を扱う。
同じ怪異の力を引き出す能力者が複数現れることもあり、同じ能力名でも、怪異のどの側面を強く現すかによって、能力内容も変化する。
能力の使用に具体的なコストは無いが、扱うものが本来極めて危険な”怪異”の力であるため、使用には集中力と精神力を消耗する。暴れ馬から振り落とされないように耐え続けるようなものである。強いていえば、『能力を扱えるほどの精神状態でなくなった時』がコスト切れに等しい。
能力には4つの段階がある。

・能力の四段階
①”略霊”:都市伝説の怪異の力を小規模に発言する簡易能力。簡単な現象を起こす程度のもので、殺傷力も低く戦闘面ではほぼ役に立たないものがほとんどだが、その分消耗も極めて少ない。
②”異聞”:基本能力。都市伝説の怪異の力を扱う。基本的に高い攻撃力を有する。
③”剰霊”:都市伝説の怪異の力を増幅させた強化能力。出力は極めて高いが、『怪異の力を意図的に暴走させる』というプロセスで実現するため、制御難易度が極めて高い。生半な実力では怪異の暴走に巻き込まれて自滅してしまうため、よほどの才覚が無ければ到達できない。
④”浄霊”:都市伝説の怪異を浄化することで、別次元に昇華させた強化能力。”剰霊”より出力では劣るものの、制御性に秀でる。『怪異の邪悪性の本質を理解することで、邪悪で凶暴な本質と機能を一切損なわず”善良なる存在”に昇華させる』という異常なメカニズムでようやく実現される能力段階であり、『善なる邪悪』という矛盾を成立させなければならないことから到達難度は”剰霊”以上に高い。また、怪異の中には『深く知ること』自体が危険なものも珍しくないため、それもまた到達難度に拍車をかけている。

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小説企画:Tell us terrible Terrors イントロダクション

時は現代、所は日本。怪異蔓延る世の中に、密かに生きる異能者たちの物語。
人々の囁き伝える恐怖の噂話が形を成した存在、それが『怪異』である。怪異たちは本能のままにその力を振るい、人々を恐怖に陥れていた。それらと戦う才をもつ唯一の存在が、“語部(テラー)”と呼ばれる特殊能力者たちである。
“語部”たちは、巷説の具現たる『都市伝説の怪異』の力をその身に下ろし、己の能力として操ることで怪異存在や既死存在たちを打ち祓う。
日常の裏側で繰り広げられる彼らの尽力によって、世間は今日も平和なひと時を享受しているのである。


といった感じの企画を用意したので、時間とやる気のある方は参加していただけると嬉しいです。詳細な設定はこの後どんどんぶん投げていくので、今回は企画要綱のみとなります。
この後出てくる設定を使って、好き勝手小説やポエムを書きましょう。大切なのは既存の世界に土足で踏み込む勇気。
開催期間は今年の9月末までです。何故なら大学生の夏休みは9月に差し掛かるから。
参加してくださる方は、タグに『Tell us terrible Terrors』または『TTT』と入れて投稿してください。略称の方だとスペルミスしなくて良いから楽だぞ。
皆さま奮ってご参加ください。また、設定に疑問などあればコメント欄にお願いします。