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NO MUSIC NO LIFE #9 ワルシャワの夜に

結月視点

 「瑠衣、僕多分お前の姉ちゃん知ってるよ」そう言えば、瑠衣は瞳を輝かせる。「ホント⁉」と言う彼女に素直に頷いた。玲に何も言ってないが、大丈夫だろうか。瑠衣が玲の姉妹だと決まった訳ではないし。まあ、会わせてみるだけ会わせてみるか。玲の部屋のドアをノックする。「はーい」と声が聞こえて、ドアが開く。「あのさ、急なんだけど、玲って妹とかいない?」そう尋ねると、一瞬顔を険しくする玲。「…分からないんです。でもいつも誰かの温もりを感じていた気がするんです。はっきりと思い出せないんです。」そう言い放った玲は下を向いていた。「ねえ、こいつは?」と尋ねながら瑠衣を玲の目の前に連れていく。玲は眼を見開き、瑠衣は満面の笑みを浮かべた。その次の瞬間、瑠衣が玲に抱きついた。「玲お姉ちゃん!ここにいたんだね!」そう笑う瑠衣の表情は姉との再会を喜ぶ少女そのものだった。一方玲は、固まっている。「大丈夫か?」なんて声をかければ、「は、はい!!」という返事が返ってくる。僕は瑠衣にこう言った。「さっき会った、二人のとこ行ってて」と。「えー、お姉ちゃんとお話したい!」と言う瑠衣。「後で、いっぱい話せるから」と言って瑠衣を退出させる。
 「大丈夫か?あいつの事分かる?」この質問に玲は「あの子の温もりを知っているような気がするんです。…でも、思い出せないんです。何でですかね…」こう言った。とても苦しそうなその表情。僕は玲に何をしてあげられるだろうか。

玲視点

 どうして、瑠衣がここに?…あれ?瑠衣って誰?どうして結月さんが連れてきたの?もう、何もわかんないよ…。
困ったような顔の結月さん。ああ、困らせちゃった…。大丈夫かな。

【続く】

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NO MUSIC NO LIFE 特別編

作者視点

イカとにゃんこ「今日この作品はスタートからちょうど一年が経ちました。書き始めたのが昨日のように思えます。もう一年ですよ。でも、まだ一年です。彼女たちの物語が尽きることはありませんし、彼女たちの絆に終わりはありません。書き込みが急に途絶えてしまったり、意味の分からない話、つたない文章など多々ありましたが、たくさんの感想や応援してくださる声があるから、今日こうやって一周年を迎えることができました。応援してくださった皆さん、これからもよろしくお願いいたします!
結月「ホントに皆さんありがとう!!!これからもこんな作者のつたない文章だけど読んでやってくれよ!」
時雨「始まった時から応援してくれた人も、この書き込みで知った人も、よろしくお願いします!」
美月「思い付きで始まった私たちの物語が、一年続いたのは皆さんのおかげです!ありがとうございます!」
玲「作者に仲良くしてくれた皆さん!これからも仲良くしてやってください!」

イカとにゃんこ「そして、一周年企画として作者と仲良くしてくださっている方々に作者と交代で番外編を描いていただくことになりました!誰とのコラボかは書き込まれてからのお楽しみです!」

一同「「「「「それでは皆さん!これからもこの『NO MUSIC NO LIFE』並びに、イカとにゃんこをよろしくお願いします!」」」」」

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NO MUSIC NO LIFE #9 ワルシャワの夜に

結月視点

玲?いや、まさか。ありえないか。でも、玲もあんな境遇だ。もしかしたら、僕みたいに生き別れの兄弟姉妹がいるかもしれない。一回家に連れてってみるか。「ねえ、結月。わたしね、結月に前に会ったことある気がするの。…結月、覚えてない?」身に覚えはない。「いつ?どこで?それが分かったら思い出せるかも」「えーっとね、三年ぐらい前。わたしが、夜中に公園でうずくまってて、悪いおじさんたちに絡まれてたの。その時、結月に似た子が助けてくれたの。」そんなこともあったような、なかったような。「多分、会ったことあるよ。」そう答えると、「ホント⁉」と満面の笑みを向けられた。その笑みに頷いた。そうすればいつの間にか、面会時間は過ぎていた。

それから一週間。瑠衣が無事に退院して、今日家に来てもらうことにした。まずは、美月と時雨ちゃんに会わせた。「初めまして。中村時雨って言います。」「初めまして、川上美月です。」それから二人は普通に瑠衣と話していた。瑠衣については後で二人にも聞いてみるとしよう。

美月視点

瑠衣さん、だっけ。彼女は何かがおかしい。14歳だというのに、この幼稚さ。何か隠しているのか、それともただの発育過程で異常が起きてしまったのか。それだけだろう。だが、なぜ玲さんに執着するのか。彼女にある、この違和感の原因はきっと玲さんだろう。
「瑠衣さん、お姉さんのことは好きですか?」
「うん!大好き!」
その言葉にもその笑みにも嘘偽りはないのだろう。

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NO MUSIC NO LIFE #9 ワルシャワの夜に/KEYTALK

玲視点

今日は何か大切な日だった気がした。9月9日。毎年笑っていた日。誰かの誕生日だった気がする。三人に聞いてみたけれど誰の誕生日でもなかった。じゃあ、誰の誕生日だろう?私に兄弟は、あれ?
いたっけ?いなかったっけ?何も思い出せない。涙があふれてくる。何故?どうして?兄弟がいたかどうか。それがわからないだけで私は、今現在泣いている。ただ、とても大切なものをなくしてしまった気がする。事の始まりはこの数日後だった。

結月視点

暴走トラックの対処に当たれと言われ、現場へ駆けつけると、自動運転のトラックが暴走していた。ちなみに今日は、一人でどうにかなりそうだったので、三人はおいてきた。美月には、めちゃめちゃ心配されたが。暴走トラックの行く先には、少女の影があった。トラックを刀で切り、トラックを強制的に止め、少女のもとに駆け付ける。「おい!大丈夫か?」そう尋ねると、少女は少し辛そうにしながらもうなずいた。彼女を抱えて救急車を呼ぶと、十数分でこちらについた。その場にいた警官の話によると、僕が真っ二つに切ったトラックは警察署で処理してくれるらしい。仕事が終わった僕は、先ほどの少女の安否が気になったので、彼女が運ばれた病院に行ってみた。彼女の名前は高山 瑠衣というらしい。高山って玲と一緒じゃん。なんて考えながら、病室のドアをノックする。すると、「はーい」と元気な返事が返ってきた。ドアを開けるとそこいたのは先ほどの少女。「初めまして。」というと元気に「はじめまして!」と返してくれる彼女。見た目は14歳ぐらいに見えるが、言動などから、少し幼いのだと考えられる。軽く自己紹介をした後に、瑠衣からこんな風に呼ばれた。「じゃあ、これからよろしくね!王子様!」と、いわれた。「王子様?」と聞くと、「だって、瑠衣のこと助けてくれて、こんなに優しくしてくれるんだよ!結月は王子様だよ!」と答えてくれた。「そっか」と返すと嬉しそうに、「うん!」と瑠衣は笑った。「瑠衣は何歳なの?」と聞くと、「瑠衣はねー、14歳だよ!」と答える瑠衣。その割には、言動や行動が幼くないか?なんて考えるが、後で考えることにして、もう一つ質問をした。「瑠衣は兄弟とかいるの?」と尋ねると、「お姉ちゃんがいたんだけど、急にいなくなちゃって、それで探してたの。あ、お姉ちゃんの名前は玲だよ!」…は?