雨の日
雨の日の通学路。
君は傘をさして、俯いて、どこか寂しそうだった。
どうしたのか、何かあったのかって聞いても口をつぐんで何も言わずにいた。
いや、言えないのかもしれないな。
なぁ、あの日覚えてるか。
今日と同じであの日も雨だった。
あの日さ、嫌なことがあってかなりきつかった。
学校の階段降りて、下駄箱で君にあった。
その時、これってハンカチくれたよな。
きっと顔がぐしゃぐしゃだったからだな。
使ってて、オレンジ色の水玉のやつ。
何も言えなかったけど、すごく嬉しかった。
遅くなったけど、ありがとな。
あのとき、ひとりじゃねぇんだってすごく心強かった。
頑張れたのも君のおかげだ。
だから、何かあったら頼ってほしい。
ひとりで抱えるんじゃ、くるしいだろ。
無理にとは言わないから、少しずつでいい。
うん、今日、どこか遊びに行かないか。
ちょうど、テストも終わったしな。
なんか、美味しいケーキがあるカフェもあるらしいぞ。
それ、買ってやる。
まぁ、おれがたべたいだけだけど。
えっ意外か、結構甘党なんだがな。
よかった、少し元気出たみたいだな。
じゃあ、行こうぜ。
楽しみだな、