気だるい午後の片隅の 陽だまりのカフェーで テーブルをはさんだ すっかり目も合わせなくなったね 私たちは ただ ただ あやつり人形みたいに いつも空気にながされて 隔てた時間が無口にさせる TELL A LIE 昔みたいに 見え透いた嘘をついてよ “今でも君が好きだ”って 失くした言葉はかけないで 壊れた愛をみせないで ありがとうで別れるのは 絵本だけにして そう呟いた TELL A LIE いつものように 立派な鼻を伸ばしてよ “君をなくすのは惜しい”って TELL A LIE 最後だけ 私のピノキオになってよ “君に出会えてよかった”と云って
Love affair... うつろな朝 通りを滑る車の音 波打つシーツの形は 愛の深さを物語る Last night あなたが残した 飲みかけのグラスが1つ そっと口を当てて kissの余韻を味わう 激しく愛した後の引き潮に いつも足をすくわれそうになる あの首筋の白さにさえ 私、死にたくなるの hum hum Loom light 鈍く照らす 裏切られた女が1人 寄せる孤独を癒す medicineももう飽きたわ 高い窓を開けて 風を入れて 街じゅうをぼんやり見渡せば はるか下にみえる舗道 怖くなんかないわ hum hum もうすぐ私は自由になる 夜明け前に飛び立つ鳥になる そしてサイレンの音で 眠い街を起こすの bye bye …
“ジリッジリッ”とふくらんだ ひと夏の恋の始まり 逃げ水 ふたりで 追いかけ走った… 夜風ももう涼しくなって ひと足先 あなたは消えた 玄関先 しゃがみこむ私 余った花火に火をつける “パチッパチッ”と燃えさかる ひと夏の恋の盛り日 激しく、激しく、 音を立てたの 哀しいほどきれいな月が 水張った バケツに映る 意地張った あのときの私 今なら素直になれるのに “チリッチリッ”と消えてゆく ひと夏の恋の残り火 虚しく、虚しく、 叫んでただけ いまアスファルトに落ちた ひと夏の恋の終りが 静かな、静かな、 9月の花火
息を止めて。水の中 何もきこえない ダンスフロアーの 底に吸い込まれてゆくわ 熱帯魚のギャラリーが 拍手しているの 最後のナンバーは あなたに教わったジルバを ソーダの泡は弾けないで... 苦しい夏は終わらないで... あなたは陸へ帰らないで... 目蓋とじて。腕の中 何もわからない あなたの鼓動だけ 私をエスコートするの 「いいえ、私は幸せよ」 小さく頷いて もうすぐ曲が終る 珊瑚礁のレースが揺れる ソーダの泡は弾けないで... 苦しい夏は終わらないで... あなたは陸へ帰らないで... いっそ二人で泡になって... 息苦しさもすべて忘れて... 死ぬまで一緒に踊りたい... ソーダの泡は弾けないで... 苦しい夏は終わらないで... あなたは秋にならないで...
パラレルスペック 11th.詩集「 I.R.O.」 Color-side 01. 蒼い季節 02. 告白 03. ラスト・デイト 04. セピア色の想い出 05. 白いロウヒール 06. 約束 07. 恋は桃色 Mono-side 08. 夜蝶〜Night Butterfly 09. 夏服 10. LOVE SHADOW 11. 土曜日の恋人 12. NIGHT DANCER 13. 消息 14. オールドファッション
国道沿いの砂浜で あなたと2人 黙ったまま もうすぐ落ちる夕陽に 沈む恋を見ていたの いま引き止めたなら ひどく傷つくから… 打ち寄せる年月が あなたの足跡さらっていった 振り向いてくれなくても 私は笑顔で 手を振り続ける 陽が翳った砂浜で 私は1人 ぼんやり立った 貝殻一つ 思い出拾い ポケットにしまったの 涙がこぼれでるのは 潮風がしみるから… 打ち寄せる季節は 私の心をきれいにしてゆく 水平線の彼方に あなたは浮かんだ 蜃気楼になる あなたを好きになって こんな素直な自分に会えたわ 新しい誰かのこと 私より大事に 愛しなさいよ....
今夜あなたに逢いにゆくから 最後に逢いにゆくから 慣れない化粧と 足らない言葉で あなたを振り向かせる 魔法が欲しいのです 紅すぎるリップ 白すぎるファンデーション 愛のないアイシャドー 今夜あなたに逢いにゆくから 最後に逢いにゆくから いちばん綺麗な 私をあきらめた あなたを後悔させる 魔法が欲しいのです 紅すぎるリップ 白すぎるファンデーション 愛のないアイシャドー 紅すぎるリップ 白すぎるファンデーション 愛のないアイシャドー 紅すぎるリップ 白すぎるファンデーション 愛のないアイシャドー
ドーナツ屋の片隅で ふざけあっている 恋人たちもやが 淋しい大人になってゆく 二人の跡がくっきり 亜麻色のソファに 老夫婦が座って 薄いコーヒーすすってる Ah, 明日に目をつぶって きみのうなじを味わうだけの この恋を愉しみましょう この店もいつからか さびれてしまった 長い列に二人で 並んだのもの遠いあの日 Ah, 心にぽかり空いた穴 躰をくぐらせ、浮き輪にして この夜を泳ぎましょう… Ah, ドーナツ屋の片隅で 誰もが忘れ去った夏の片隅で ひどく愛し合いましょう
微熱があるみたいなの あなたに訊かれて とっさに答えたけれど 本当の事なんて とても とても 云えない ルルル.... あわてて隠した、 燃えるような頬は桃色。 砂に浮かんだテラスで あなたを見送る 仲間が待つ海まで 駆け出す背中が なんて なんて いとしい ルルル.... 陽に照らされて、 汗かいたフィズは桃色。 邪魔だったならごめんね あなたに惹かれて 白い電車に揺られて 私だけ誘ってくれて どうも どうも ありがと ルルル.... もう止まらない、 すべりだした心は桃色。 熱いこの気持ち、 よまれそうな恋は桃色。
あゝ蒼い空にグラスかざして、 輝く夏のフロートにしたいわ、 あゝはやくたべてよ、あなた、 入道雲のソフトが溶ける前に。