『愛憎劇の幕、その名はカーテン。』#5
「ねえ、おじいさん」
リアムに呼ばれ、上げた顔にある二つの瞳は、何度泣いたのか赤く腫れており、そして、曇っていた。
「おじいさんだよね?メイドのお父さんて」
「メイド……シェリルのことか⁉シェリルは無事なのか⁉」
鍵でかちゃかちゃと音を立てながら、リアムは答える。
「うーん、そんな名前なの?おうさまのことだから、たぶんそのおじょうさん無事だよ。はい、どーぞ。」
開いた扉に、信じられなさそうな目で見つめる老人。
「本当に……?」
「うん。とりあえず出たら?」
恐る恐る、といったように牢から出る老人は、依然夢を見ているかのようである。他の囚人の刺すような目にも関わらず道を進み、ついに外に出た。
「とりあえずおじいさんはこのローブを着て、この木の陰にでも隠れてて。その服じゃ目立つし、脱獄騒ぎを起こされても困るから」
「しかし__」
「俺はこれから、おうさまを狙った人のこと、殺しに行くからさ」
老人の言葉を遮ったリアムは、屈託のない笑顔で応えた。