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〜二人の秘密〜長文なので時間があるときに読んで下さると嬉しいです!

私は先生を見つけ「おはよう。」とだけ挨拶をし、手を引っ張って走っていた。
『どこ行くんだ?』
「アルのとこ。いいからついて来て。」
私と先生はアルの部屋の前で止まるとノックをした。
“は〜い。どうぞ〜。”
私は扉を開けると部屋には入らず叫んだ。
「アル、ちょっと来てぇ〜。」

“何だ?”
アルは先生がいる事に驚いたようだったが私は続ける。
「これでみんなそろったね!」
『みんなってほどの人数ではないがな(笑)。』
「んも〜。それはいいの!」
“で、何?今日はどうしたの?”
「あ、そうそう。3人でピクニック行こうと思って。時間ある?」
『私はいいが。』
“時間はあるよ。”
先生とアルは目を合わせるとそう言った。
「じゃあ決定!!またあとで!!」
アルの部屋の扉を閉めると私と先生も部屋に戻る。
私はレジャーシートやサンドイッチを持つと校門へ行く。

1番乗りは先生だった。
「先生早いね!」
『飲み物は持ってきたぞ!』
「お〜、ナイス!私はサンドイッチ。」
先生はニコッと笑うと後ろを指差す。
“遅くなってすみません!”

3人そろった事を確認すると先生は口を開く。
『人がいないところに行って、魔法で移動しようか。』
“そうですね。”
アルがそう返事をしたので人気のない所へ移動する。
『アルは1人で行けるだろう?こっちにおいで。』
先生はそう言うと私を手招きする。
「どうするの?」
『手を貸して。アル、準備はできたな?さぁ、君は目を瞑って。離すんじゃないぞ。』
私が目を瞑り先生がそう言った瞬間、ふわりと浮く感覚がした。

『もう開けてもいいよ。』
先生がそう言ったので目を開けると、綺麗な野原と大きな木の下に立っていた。
「わぁ〜。凄いね!!」
“魔法の世界ではこうやって移動するんだよ。”

私とアルは、サンドイッチを食べると先生の隣でスヤスヤと眠ってしまっていた。
先生の隣で眠れる幸せを噛み締めながら、
数時間後、野原をあとにした。

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〜二人の秘密〜長文なので時間があるときに読んで下さると嬉しいです!

“君は何でクラスではいつも無愛想なの?”
いつもの窓辺で読書をしていると、今日はアルだけが先に来た。
「アルには関係ないでしょ?先生は?」
私は本を読みながら答える。

“ときどきはこっち見ろよ。”
「私が他の生徒みたいに貴方をチヤホヤすると思ったの?」
開いていた本を閉じて、アルを見る。
“怒ってる?”
「えぇ。怒ってる。」
“何で?”
アルが隣にすわったので、私は隅っこにズレる。

「ここは、先生との秘密を共有してるとこなの。その先生をつれてこないでたった1人で来たのに私が怒らないっていう自信があったの?」
アルは少し驚いた顔をする。
“先生と一緒に来なかったことに怒ってるのか?”
「……うん。私はまだ貴方のこと100%信じきれてないから。」
“君には危害を加えない事を約束しよう。”
アルは指切りをしようとして小指を差し出す。
「あっ、先生来た。」
“えっ?”
アルは、小指を下げると後ろを向く。
「嘘。」

“意地悪しないでくれよ。”
「私に触れるなんてあと100年早いわ。もう少し秘密を知ってからじゃないとね(笑)。」
“じゃあ、心の準備ができたとき、君に秘密を1つ話すよ。”
「それが私の信頼度だから(笑)。貴方のこと、嫌いなわけじゃないから。」
私が笑うと、アルは降参だという顔をした。
“煽ったのは秘密を知るためか。”
「それもあるけど、普通に腹立った(笑)。」

私とアルが笑っていると、遅れて先生も合流した。
何を話していたのかと聞かれたが、私とアルの『二人の秘密』にした。

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〜二人の秘密〜長文なので時間があるときに読んで下さると嬉しいです!

テストが終わり、今日は窓辺でうたた寝をしていた。
『おい、危ないぞ?ここ何階だと思ってるんだよ。』
私はいつものように先生の声だと確認し、目を開けて答える。

「私の中ではここ、1階なんだけど。」
『ばか。2階だよ。』
私は笑いながら答える。
「ごめん、知ってるって(笑)。でも落ちないと思うから大丈夫(笑)。落ちそうになったら、先生来てくれるでしょ?」
『いつでも来れるわけじゃない。』
「私が来てほしいときはすぐ来てくれるじゃん。」
『君ってやつは、いつも適当だな(笑)。』
「適当は適当でも、そこらへんの適当とは違う(笑)。」
先生は頭をぽんぽんすると優しく笑う。
『笑ってるのになんで泣きそうなんだ?』
「ん〜?テストで疲れたから。あくびしたんだよ。」
『そっか。』
先生は“そっか”と返事をしたのにも関わらず私の頬を両手でつまみ笑顔を作る。
「なに?」
私は一瞬驚いた顔をしたが、不覚にもニヤけてしまった。

『君はその顔が一番だ(笑)。』
先生は笑うと手を離す。
「これ、笑うっていうかニヤける…だけど(笑)。」
『それでいい。それが君の本当の顔だろう(笑)?』
「っていうか、なんで泣きそうな顔って思ったの?」

『なんとなく。』
先生は何かを考えながらそう言った。
私が頭の上にはてなを浮かべていると、先生は笑う。
「何で笑うのよ〜。」
『いや、その考え方、結構かわいかった(笑)。』
「“かわいい”なら笑わなくていいじゃん!面白がってるな(笑)!!」
『テストが終わって、ここに来るのが久しぶりだから嬉しいんだよ(笑)。』
「も〜、先生ってば。(笑)先生、ただいま。」
『あぁ、おかえり。そして私も。ただいま。』
「うん(笑)。おかえり。」

私達はアルが来る前にテスト中のときの話をした。
「意外と点数良いと思うな(笑)。」
『言ったな(笑)?点数悪かったら罰金だぞ。』
「えっ〜!?」

私は先生に罰金だけはやめてくれと頼み込んだ。
先生はイジワルをして笑っていたが、私はその横顔を見るのが好きだった。

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〜二人の秘密〜長文すみません!

今日はいつもの窓辺で教科書やノート、ワークを積み上げ、読んでいた。

『おっ、珍しいな(笑)。』
“君も勉強するんだ(笑)。”
二人とも私を見て笑う。
「アルはうるさい。明日からテストなの!やばいでしょ、コレ。」
先生は隣に座る。
『明日は、英語と古典と音楽か。』
「うん。英語は普通の中間テストで、古典はパフォーマンス課題、音楽は普通に授業なの。」
“じゃあ、明日は英語だけ……?”
「いや、古典もテストみたいなものよ。」
そう言うと、アルは隣に座ろうと試みる。
「アル!教科書置いてるでしょ!!座らないで!!」
“じゃあ、教科書、持ってやるから。”
「あぁ〜。それならいいよ。」
アルと私がそう言ったとき、先生がノートを指差す。

『ココはこっちだよ。ほらここの選択問題。』
「えっ、うそ?」
『ココはこうなって、こうなる。』
先生はペンをとり、ノートに書いて説明してくれる。
「危なっ!間違えて覚えるとこだった!」
“他のとこも教えてやろうか?”
「何でアルが言うのよ(笑)。先生、ここもよくわからないから教えて!」

先生は、私に問題の解き方を教えてくれて、アルは、答えを見ながら丸付けをしてくれた。
明日からの中間テスト、先生とアルがいればやる気になれる気がした。

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〜二人の秘密〜

私はいつもの窓辺で、外に足を出して座っていた。

『今日はクラスで文化祭のステージ、決めるんじゃないのか?』
「おっ!先生。」
『教室にいないから探したぞ?』
「私はいてもいなくても変わらないよ。」
『なんでそんな事言うんだ?』
先生はそう言うと座る。

「私はグループLINE入ってないの。どうせグループLINEで話すんだから、いなくたっていいのよ。」
私がそう言うと、先生は頭をぽんぽんする。
『私は君がそう思っている事が悲しい。』
「ん〜?何で?」
『それは、君がやりたいことを1つもできないという事だろう??』
「別にいいよ。どうせ楽しくなくなるんだから。」
『君は私とは違う。仲良くできるだろう?』
君は私とは違う、これは先生の口癖だ。

「そう思うよね(笑)。仲良くできるって私も思ってた。でも実際には違った。こんななら、仲良くした次の日が辛くなるだけよ(笑)。」
先生は少し苦しそうに笑う。
『君には辛い思いをしてほしくないから、どっちも辛いなら好きにするといい。けど、全部私に相談する事だ。全部だぞ?』
「わかってる、全部ね(笑)。」
私が笑った時、雨が降り始めた。

『雨だな。』
「もう梅雨の季節だね。」
『文化祭、頑張れ。』
先生はそう言うと微笑んだ。

梅雨に入るであろう、雨の匂いを
私達は時間いっぱい楽しんだ。

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〜二人の秘密〜長文なので時間があるときに読んで下さると嬉しいです!

「いったぁ〜。」
いつもの窓辺に座ろうとした時、窓枠に手をぶつけた。
少しの間うずくまっていると、いつもの様に足音が聞こえた。
“どした?”
『……大丈夫か??』
私はいつもの様に、先生とアルの声なので振り返る。

「手、ぶつけただけ。……うん、もう大丈夫!」
私が立ち上がると、先生はぶつけた方の手をとる。
『ちょっと赤くなってるが、本当に大丈夫か?』
「うん!なんかさ、【カチン】ってなる時あるでしょ?そんな感じのやつだから大丈夫!」
“なんか貼ってやろうか?”
「う〜ん、まだ大丈夫かな。…そんな事より、ふと思い出して聞きたいことあるんだよね!」
『なんだ?』
「先生達ってさ、物語みたいに箒で空飛べるの?」
『あぁ。私はそんなに飛ばないが、アルは向こうで箒をよく使うよ。』
“いや、私は下手なんで見せられるものではないですよ?”
アルがそう言っているのをわざと聞き逃し、魔法を使って箒を2本呼ぶ。
1本は先生が掴むと、もう1本はアルの手元へ飛んでいく。

“えっ!?今から飛ぶんですか!?”
『安心しろ。私の魔法で周りには見えないようにしてやる。』
アルは“う〜”と唸りながら箒にまたがる。
『ほら、君もまたがって。』
「えっ、いいの?」
『あぁ。ほら。』
先生は私に箒を渡し先にまたがせると、続けて後ろにまたがる。
『私もココを持っているから、君も離すなよ?』
「うん、わかった!」
『アル、いけるか?』
“はい、いつでもウェルカムです!”
先生とアルが床を蹴ると、窓から飛び出した。

「うわぁ!先生、アル、凄いよ!!!」
私がそう叫んで、アルが飛ぶ右を見るとゆらゆらしていた。
「アル、もしかして本当に下手くそ(笑)?」
私が笑うと、先生はアルにアドバイスをした。
そしてアルは、笑いながらこの時間を楽しんでいるようだった。

この時間が、永遠に続けばいいのに。
私は心の底からそう思った。