君がチッて苛ついて 蹴飛ばした石ころの行方 花が散って実がついて 水溜り滑る花びらの舟 排水溝から覗くピエロ 無視してさっさと家に帰ろ
気持ちの伝え方を夜風に教わって 街明かりに去り際を学んで 月に見習って身を引きます
埃かぶった五弦のギター 勢いで買ったけど指が痛いから 様変わりしたプレイリスト 一緒に拳振ってた君は 相変わらず新譜もチェックしてる? 最近なんかつまらないね って最近言わなくなったのは 満たされてるから? もはや満たす器すらなくなったから? わかってるそんなポエマーな理由じゃない ただ金がないから 久しぶりにピカピカに磨いたギター 蘇るあの頃の記憶 目立った傷や汚れはなしっと
夜に牙むくガスランプ どうせ朝まで続く攻防 言った言わないで怒鳴りあう隣人 いつか新聞に載るぜアイツら 予告なしの祭囃子 大気圏まで逝った花火が 撃ち落としちゃったマザーシップ 舞い落ちる銀テープに群がれワイワイ おい今いったい何時だと
冷めたパスタも悪くない クルクルと巻いて固まったまんま 裸眼 vs. 色眼鏡 捻くれたハート チンして温めて溶けだすチーズ 隣に微笑む誰かがいて フォークからほどけるその瞬間 やっと言えたね いただきます
早起きは三文の徳って お陰で朝から嫌なニュースを見られたわ 素晴らしくドブ色の空 背伸びの先 漂ってる浮遊霊 さあカーテンを開けて 偉大なる仕事 これで満足わたしは立派な社会人 蹴つまずいた街道 わたしの心は伽藍堂 消えそこねた羊が いつまでも気怠く鳴いている
フロントガラスに張り付いた羽虫 あなたは小さく舌打ちをして ワイパーでそれを拭った 黄色く残った曲線はただの汚れ あれは僕だ! あれは僕だ! まるで僕のようじゃないか 明日僕がああなっても あなたは気にも留めず 晩ご飯の心配をするのでしょう
欺かれた夜 落ちてきた小惑星 ユルいビートの電子音 丸い窓の向こうで廻るシャツ とれないツミは また来世
小雨の似合う町 左利きの君の右手を奪って 連れだしたい共に滴りたい 薬みたいなその笑顔が 明日の僕を生かすなら 昨日死んだ僕にごめんねして 独り占めしようと思う 名前のない色の空を愛でる 馬鹿みたいに甘い日々
まるめたティッシュみたいな 今日が終わって 満点なポーカーフェイス 顔洗って泡と流せ 脆弱なハート 褒めたたえてもっと 頑張った分幸せになっていいと思う まるめたティッシュみたいな 花が散って それは晴天の霹靂 炎天下に降る雪のようで
つまった鼻が すーっと通るような 雨の前の風 書きかけの手紙は その雨で滲ませればいい 「届けたい言葉」とか 口では立派だけど ようするに抱きしめたい 単純な欲求だよな 毛布をかけるみたいに わたしを思い出して 水を飲むように ぼくを見つけ出して 天気雨みたいにイタズラな 滴りまくってるBMG
ミルクティーに足りないのは 甘ったれたキュビズムで 君を見下す視点の僕のロマンと 僕を見上げる君の自然現象 手あかまみれの愛の言葉で 塗りたくった 極彩色スーパーナチュラル
月が落とした四分音符を ぷかあと夜空にふかしたら 浮かんだケムリに巻かれた星が 瞬くのをやめたげな
月のハミングひとつで この夜は反重力 明日の雨の予報 それは偏頭痛の予告 小さな錠剤に偉大なる敬意を 蹴り上げた寝巻き 垂れながせ溜め息 つまった排水溝に 月のフフフン
夏の開会宣言みたいな 祝砲めいた雷が鳴って 部屋に根をはった蛸足配線 ひとつ残らずショートした 画面の青に鯨を放て きつく縛った心を許せ 幻も愛し続ければ いつかは触れられるさ
水色を頬っぺたにつけた きみが笑った 背中に回して隠した気持ち 気づかないフリは有罪かい 薄めすぎた青は ふたりの背景 窮屈な額縁には似合わない 一筆描きの名画になる
きみの溜め息を吸って わたしの肺は汚れたよ これは迷惑条例違反です 黒くなった身体は いつか病気になるかもね 慰めてほしいって顔 やめてくれるかい 付き合いきれない不幸自慢 きみの溜め息を吸って わたしの肺は汚れたよ わたし的には無期懲役 二度と顔も見たくもない なんてね
君の出てこない日記を 図書館に寄贈したい 数世紀後に生まれ変わって 手に取ったわたしは鼻で笑うのだ
人影もない放送局 喋らないラジオと焦燥 傷は癒えぬまま朝は来る ざーざーとよく喋る それを聴いて笑ってる 君もきっとクセになる 雨音のMHz
ひまわり畑が風を象って ふたりを包んで消えてった 三角屋根の教会まで走った 息が切れても笑ってた 定期の裏にしまった写真は 今の僕には眩しすぎる 繭に隠れて生きていたい 飛べない羽は質屋に売りたい 風はビルに吸い込まれ 歩くだけで息は切れて 思い出に呪われて、今日も元気です。
校庭で産まれたつむじ風が 袖まくった産毛を逆なでる 25m向こうの君に 聞こえるか聞こえないか 無意識に見上げた太陽が 眩しくてくしゃみを誘発した 25m向こうに君は 居るのか居ないのか どろどろの緑が底なしで 浮かぶテニスボールと白昼夢 25m向こうの季節に 会える日をずっと待っている
化石になった君は利口だ ここに見るべきものなんてない 万年床で夢をみる 布団と毛布とシーツの地層 失った瞳の輝き 丸い虹のニュース どこいった幸せ 明日も更新最高気温 哀しみ以外を知りたいもんだ 謎なんだ 謎なんだ ああ君、重症だね
濡れた身体 あなたの声に痺れるが如し 毛先から逃げる水玉 アスファルトにくだける 夜空にかかる色のない虹 眠る街 24時 エンドロールの後ろのふたり 電気回路 これ見よがし
あるじをなくしたカイト 月をめざして真空 ネオン街道の片隅 泥食って、寝て、起きて 電気うなぎの夢をみる
手応えのない日常 折れたオールで水を切る日々 死んだ目に目薬をさして 合わせたピントで何を見ようとした 何も見えやしなかった ある日大きな岩を手に入れて 僕は小舟を作った 目指す場所などないというのに 岸辺の花が何度か色を変えた頃 朝靄の水面に舟を放った 風に泳ぐ花びらは笑うだろう かけた歳月は泡沫となるだろう もういいのかい もういいだろう 変わり果てた掌をみて 咳みたいに笑った
雨粒に閉じこめられた街並み 朝顔の手の中で眠る 暗中模索のペトリコール 跳びこえた水溜り 掴まれた足に成す術もなく 固唾をのんでいる夜霧に あとは身を委ねて眠るまで
2時半の部屋はまるで他人行儀で ろくに慰めてもくれない 毛布にのまれて消えたヘアピン こんな自分が可笑しいな 手拍子で迎えいれるよ 天井が鳴って 壁が笑って ほらドアの前だれかが立ってる
喉をすぎる電気ショックに 次の言葉を奪われて ずっとはじめましてみたいな重力が わたしだけ月面を歩かせてる
傘のうらに貼りついた宇宙 滴った流星にすくめた肩 一瞬ひるがえった黒髪は さながら青春ブラックホール
息継ぎをわすれた渡り鳥 青さに溺れて 空の藻屑と消えてった ビルの隙間を吹き抜けた強い風 羽根が舞うと思い出す あの日の君の表情に 返すべき言葉は なんだったのか