揺り籠
何処にも逃げられず 独りになった
何日も何年も 同じことの繰り返し
揺れる前髪 戸惑う心 空中遊泳中
全てがスローに 不安定なこの世界
遠くのものは近く近くのものは遠い
はっきり見えていた筈のものがない
どうしても理解できないまま苦しみ
どうしても捨てられないまま抱えた
ふわふわと 何処にも着地できない
どうしてもこうしても 同じことで
揺れる心臓 割り切れないで悩んで
なにも知らないくせに 知ったふり
ふらふらと 行き先が決められない
なにしても上手くいかないのはなぜ
観覧車の中で 景色も見ないで眠り
せっかくの宝物を喪った ほらまた
上手くいかない 上手く息できない
なにも歌えない なにも作れないで
情けないな そこにあったものすら
最も簡単に壊してしまった あの日
鳥籠の中で 呼吸も止められない鳥
僕らの縮図 誰も死に切れないのさ
ブランコに乗って 揺れ続けた心臓
祈ることも忘れて ずっと泣いてる
また煌めいて揺らめいた雫 溢れた
宝石のよう でも一瞬で枯れ落ちた
これで今日は眠れるかい 震える手
言葉の一つ紡ぎ出せず やるせない
それでも僕らは 生きるしかなくて
風に揺られながら 流れ着く先には
きっとなにも転がっては ない筈さ
そう信じても まだ揺れ続けるんだ