夕暮れどきの東京で 君の頬も赤く染まる 「ねえ、今夜」 そんな言葉が言えたなら 君の手を取り行けたなら ネオンが寂しい東京で 君の笑顔は月明かり 「ねえ、踊ろう」 そんな言葉が言えたなら 君の手を取り行けたなら
紙はたくさん折ると月まで届くらしい じゃあこの愛は幾つ折ったら君に届くのだろう 鶴にしようか 見栄えがいいし でも君が「そんなのいいよ」と言ったから 仕方なく山折りにしたのに ほんとは鶴がよかったなんて 分からないよ 知らないよ なんで泣くの 悲しいよ
吐瀉物まみれの終電を 思わず降りた田端駅 そこは優しい雰囲気で ラベンダーがほのかに香る 悲しい春は過ぎ去って 腑抜けた夏が肩を組む 俯く気持ちが嫌だから 思わず見上げた低い空 僕は月を見ているが きっとそれは返らない ラベンダーは、まだ香る
冬に握った君の手は 想像よりも遥かに小さく おまけに手汗をかいていた なんだか弱さを見たような そんな嬉しさ 独りの僕に寄り添って 風鈴の音がディレイする その音は、空っぽに似て心地良い 空洞の夏を通るだけ 空の青さに僕を見て
夜に、口笛 君はいない 君に、口笛 戻れない 寂しいときほど口笛を 夜を誤魔化すグルーヴで 夜に、口笛 響かない こんな自分を 好きでいたい
月に目線を返されて 子どものはしゃぎ方をして 踊る僕は星のよう 月の光で輝いて 朝を怖がる 僕なんか 朝へ出掛ける 月のこと 留めておける資格がない そんな不安で苦しんで 踊る僕は星のよう
私を知らない人からは 淡々と生きて見えるでしょう 波にうきわと身を委ね 私はじっと空を見る うきわの空気は抜けたまま 雲の合間の空を見る 心は青い火、破裂はしない 想うは藍の日、破裂はさせない 行くには遠く 死ぬには近い これらをいつか笑えるの? 風の音だけ響いてる