深夜の珈琲占い No.2
そんな訳で、今日も結局朝食と訓練だけになった訳だが、午後はそうもいかない。依頼人の所へ出かけなければならない。依頼人の御婦人の愚痴が酷いので省くが、今日の依頼はこうだ。「クリアウルフの駆除」。
ーー魔導士の仕事は、警告等を与えるだけではない。こう言った常人では手に負えないもの、所謂「魔獣」の駆除、捕縛も請け負う。
「駆除...ですか。捕縛、ではなく?」
「ああ。勿体無い。クリアウルフは生け取りが一番高値が付くのに。」
「駆除、と言うことは、市場に出せないレベルのものなのかもしれないですね。」
ーークリアウルフ。通常のオオカミとそっくりであるが、透明になって獲物を狩る。更に氷雪系の魔法を使う為、市場価値も高い。ただし、稀に魔力が低く、魔法を扱えない個体が存在する。その様な個体は市場価値も低いので、大体は殺して毛皮、牙を売る。
「成程ねぇ、出発は?」
「四時です。」
「わかった。それと、ワイヤーを用意してくれるかな。」
「?わかりました...」