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悪女と呼ばれた令嬢は皇太子殿下に愛される❸

「では、行ってまいります。」
玄関を出ると見慣れた馬車が停まっていました。
「おい!いつまで俺を待たせる気だ!」
ああ、始まりました。ウィリーは外面こそ良いものの、私に対してはとても傲慢な方なのです。
「申し訳ありません。」
「さっさと行くぞ!ちっ。どうしてこんな奴が優秀な俺の婚約者なんだ!」
馬車に乗る時もエスコートはなし。常識からかけ離れています。終始無言のまま貴族院に着くと、やはり私をおいてそのまま友人の方と歩いて行ってしまわれました。
「ごきげんよう、ティアラ。」
「ごきげんよう、アリーシャ。」
彼女は私の友達、アリーシャ・ラ・フォンテーヌ。同じ上級貴族ですが、アフネル家よりも一つ下の伯爵家、フォンテーヌ家の令嬢です。身分的には私の方が上ですが、身分関係無く仲良くしています。
「もしかして、ウィリー様と一緒に登校したの?」
「ええ。」
「羨ましいわ、、、。私にもウィリー様みたいな婚約者ができないかしら?」
ウィリーの話をしていたのが聞こえたのか、ウィリーがこちらに歩いてきました。
「やあ、フォンテーヌ嬢。ティアラがいつも世話になっているね。」
「とんでもありませんわ。それにしてもティアラが羨ましいです、、、。ウィリー様みたいな素敵な方が婚約者だなんて。」
ウィリーと婚約者なのが羨ましい?そんなの、絶対にありえませんわ。彼は婚約者を心の無い言葉で罵倒するような方ですのよ?
「おーい!行くぞウィリー!」
「呼ばれたから行くね。フォンテーヌ嬢、また後で!」
本当に外面だけはいいんですわね。
それに婚約者には挨拶なしって。
そういえば、昔はこんな感じの方ではなかったような、、、。

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悪女と呼ばれた令嬢は皇太子殿下に愛される

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「ん〜!いい朝。」
私の名前はティアラローズ・ルナ・アフネル。エルザカール王国の上級貴族、セフィロス・リリック・アフネルの娘です。
「お嬢様、失礼いたします。」
「どうぞ。」
入ってきたのは私の侍女、マリー。
「おはよう、マリー。」
「おはようございます、ティアラお嬢様。お髪を整えてますね。」
エルゼカール王国は、北にフィルクガイラ帝国、南にリィニ法国、西にヴィロ妖精国、東にルウェン公国と、四つの大国と隣接しています。エルゼカール王国はそのうちの二つ、フィルクガイラ帝国とヴィロ妖精国と同盟を結んでいます。フィルクガイラ帝国の皇帝はアレカシウス・クィ・フィルクガイラ様、ヴィロ妖精国の王はミハエル・ディ・ヴィロ様です。お二方ともお会いしたことがありますが、アレクシウス様は豪快で勇敢な方、ミハエル様は知的でお優しい方でした。リィニ法国とルウェン公国とは宗教上の違いから敵対していますが、今は休戦しています。ちなみに、この国の王様はセシル・バイエ・エルゼカール様、次期国王である皇太子様はフランシス・バイエ・エルゼカール様です。
「ティアラ様、どうなさいました?お支度終わりましたよ?」
「あら、ごめんなさい。少し考え事をしていたのよ。さあ、広間へ行きましょう。」

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