悪女と呼ばれた令嬢は皇太子殿下に愛される❸
「では、行ってまいります。」
玄関を出ると見慣れた馬車が停まっていました。
「おい!いつまで俺を待たせる気だ!」
ああ、始まりました。ウィリーは外面こそ良いものの、私に対してはとても傲慢な方なのです。
「申し訳ありません。」
「さっさと行くぞ!ちっ。どうしてこんな奴が優秀な俺の婚約者なんだ!」
馬車に乗る時もエスコートはなし。常識からかけ離れています。終始無言のまま貴族院に着くと、やはり私をおいてそのまま友人の方と歩いて行ってしまわれました。
「ごきげんよう、ティアラ。」
「ごきげんよう、アリーシャ。」
彼女は私の友達、アリーシャ・ラ・フォンテーヌ。同じ上級貴族ですが、アフネル家よりも一つ下の伯爵家、フォンテーヌ家の令嬢です。身分的には私の方が上ですが、身分関係無く仲良くしています。
「もしかして、ウィリー様と一緒に登校したの?」
「ええ。」
「羨ましいわ、、、。私にもウィリー様みたいな婚約者ができないかしら?」
ウィリーの話をしていたのが聞こえたのか、ウィリーがこちらに歩いてきました。
「やあ、フォンテーヌ嬢。ティアラがいつも世話になっているね。」
「とんでもありませんわ。それにしてもティアラが羨ましいです、、、。ウィリー様みたいな素敵な方が婚約者だなんて。」
ウィリーと婚約者なのが羨ましい?そんなの、絶対にありえませんわ。彼は婚約者を心の無い言葉で罵倒するような方ですのよ?
「おーい!行くぞウィリー!」
「呼ばれたから行くね。フォンテーヌ嬢、また後で!」
本当に外面だけはいいんですわね。
それに婚約者には挨拶なしって。
そういえば、昔はこんな感じの方ではなかったような、、、。