『レピドプテラ』
の中に目を凝らしてよく見ると大男は何かにつながれており、それがこの部屋を循環する光の出処のようだった。
「どうしよう!どうしよう!何の機械か知らないけど怒られるだけじゃ済まないよこれ!」
「とりあえずなんとか機械を止めないと」
「どうやって!」
「えっと…あの…えー…そうだ!レイナって確か水出すヤツ持ってたよね、アレぶっかけてみよう!」
「そういう機械なのこれ!?」
「知らないよ!いいからやって!」
「もー!」
レイナは魔石(メディウム)を取り出して念じる、するとその魔石から水流が渦を巻きながら出現して巨大な瓶に向かって一直線に激突した。
「そういうことじゃないんだけど…まぁいいや!」
リョウも魔石を取り出し念じると魔石を握った腕が巨大化し、瓶に向かって特大のパンチを打ち込んだ。
「…リョウ、私それ知らないんだけど。新しいメディウム作ったの?」
「違うよぉ、肉体強化の応用だよこれぇ」
リョウが拳をめり込ませると瓶は音を立てて崩れ去り、それと同時にエネルギーの供給源をなくした機械は自壊を始めて最終的に止まった。
「…なんとかなったな」
「いやぁ…なってるかなぁこれ…」
二人が辺りを見渡すと確かにいろんなものが原型をとどめていなかった。
「とりあえず、これは僕達の秘密ってことで…」
「今回ばかりはそれに賛成だわ…」
二人が肩を落としながら元来た道を歩き出す。
「ま…まて…」
「…ねぇ、今なにか…」
「いや…僕達は何も聞いてない…きっと疲れてるんだ、ワンツーで走ろう」
「そうね…そうしましょう…」
「アプ・ホミ・ケト!よし、まだ魔力は残っているな…二人とも待ってくれ、私を開放してくれたのだろう?ありがとう」
その優しい声に二人は顔を見合わせてから振り返る、そこにはあの瓶の中にいた大男が立っていた。
「私はレピド・プテラ、君たちは一体?」
「レピドプテラ…?学園と同じ名前…!?」
「学園?」
「この上にあるんです、私達その生徒で…」
「魔法か?」
「はい…」
「あのクソジジイ共め…ちょっとまて、君達どうやって魔法を?」
「このメディウムって石で」
「何だこの魔石…?結晶竜の核にしては不安定だ…それに個人と結びついているのか?」
レピドが魔石に触れると一瞬の閃光の後に砕け散った。