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或秘密結社入口会話仲間不仲間見極合言葉(馬鹿長)

「こちらは創業何年になるんですか」
「今年でちょうど、三百年になります」
「ご主人は何代目ですか」
「初代です」
「iPhoneのパスワードは」
「3150、さいこお です」
「好きな音楽は」
「椎名林檎一択」
「本当に?」
「坂本慎太郎とチバユウスケ」
「きゅうり好きですか」
「アレルギーです」
「トマトは?」
「今ポケットの中に」
「今何時?」
「マクロファージ」
「ここはどこ?」
「南ブータン村」
「色即是空」
「不規則に食う」
「空即是色」
「食う得レシピ」
「一切合切全ては空」
「実際問題食えれば食う」
「…せーのっ」
「「お父さんいつもありがとう」」
「からの?」
「「アミノ酸+オリゴ糖」」
「海!」
「川!」
「齋藤!」
「飛鳥!」
「かわ!」
「いい!」
「写真集買った?」
「買いました!」
「どこで?」
「もちろん!」
「「Amazonで!」」
「…」
「…」
「スパイナンバーを言え」
「3928です」
「本当は?」
「7です」
「いいだろう。入れ」
「あの…ホントにこれって必要ですかね?」
「しょうがないよ。上の命令だもん。」
「ですよね。お疲れ様です」
「今度飲み行くか」
「良いですね。」
「…!」
ーーーーーーーーーバキュンーーーーーーーーー
「結構情報漏れてるな…。あと少しで入られるところだった。」
情報管理が大切な時代ですね。と、マダムは笑った。

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マリオネットガール

「今日の仕事も無事終わったよ、母さん」
赤い鼻のついた白い仮面を付けたまま僕は言う。
「そう、なら良かったわ。お疲れ様」
そう言って僕の膝の上に乗ってくる。
僕の母さんは猫だ。
右眼が紫色、左眼が黄色の黒猫。
この世では珍しいオッドアイ。
この世に来てからというもの、あっちでは「気持ち悪い」だの、そっちでは「化け物」だの。
僕はそう思わないのにな…綺麗な眼をしているじゃないか。
ま、かく言う僕も母さんと同じ眼をしているし、そう言われるのも無理はないんだけどね。

「この仕事を始めて何か変わった?」
母さんが突然聞いてきた。
「もちろん、僕の周りが全て変わったさ。人も物もあらゆるもの全てがね。おかげで夜も眠れるようになったよ」
「…貴方はピエロなんだから誰に何をしたって文句なんか言われないわ。時に人を笑顔にして、時に人を驚かす役目なんですもの」
そうだよ。
僕は人気者のピエロだ。
愚かな人間共を裏切るのが得意なんだ。

そして今日も。
ネオンぎらつく街角に立って、こちらを見てる少女たちに話しかける。
「はじめまして、お嬢さんたち。僕はピエロ」
「君たちを✕しに来たんだ」

あの時の借りを返すために____

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熱く 暑く 厚く ATSUKU

いいぜ、やってやる。
これまでの評価なんて関係ない。
スタートラインは一緒だ。
中学校で全国大会に行った?
中学校で4番だった?
中学校でエースだった?
はっ、笑わせんな。
そんなもんはすでに過去のもんだ。
自分はどうなんだって?
全国どころか県大会にも行ってねぇよ。
4番ですらねぇよ。
後輩にも舐められてたよ。
そんなヤツでもなぁ、本気出して勝ちたいって思ったら、神様はチャンスくれるんだよ。
いつもだったら無理なことでも、努力してたら神様は助けてくれるんだよ。
何が言いたいかって?


自信っていうのは、自分を信じるって書いて自信なんだ


本気出したら練習にも身が入る。自主練習も積極的にやるようになる。
そしたら、神様がくれたチャンスを自分の物にできるんだ。
自分の物にできたら、自分を信じるようになる。
そしたらまた、本気で練習できるようになる。
――――――――――――――――――――――いかがでしたでしょうか?初めて連載しようと思ったので意味が全く伝わらないところもあるかもしれませんが、そこは皆さんお好きなように解釈していただいて結構です!
ここでは、部活中に感じた事等を投下していきたいと考えております! 
「共感した!」や、
「なにいってんだこいつ」等どんなことでも良いので、レスください。それが、部活の心の支えになります。皆さん、よろしくお願いいたします!

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桜木ノア #03 5月7日(火)

ゴールデンウィークの明けた今日この日。桜木ノアを取り巻く環境は再び変化を見せた。
先々週時点で桜木ノアはクラスメイト達から避けられていた。彼女とろくに話もしていない連中が悪評を流し、彼女との間に壁を築くことに成功したのだ。
しかしこの休みの間に、その壁の名前は『嫌悪』から『無関心』になったらしい。執拗に嫌がらせを受けることはなく、しかし受け入れられもしない、というのが桜木ノアの現状だった。
彼女がSNSのアカウントでも持っていれば、この状態はもっと酷いものになっていただろうが、彼女の持つ連絡手段はメールか電話なので、事態が悪化することはなかった。
クラスメイトの中で最も時間を共にしているであろう俺からすると、この状態は気持ちの良いものではなかったが、しかし、何をすることも出来なかったというのが事実だった。
いや、そもそもの話。

彼女はクラスメイトとの間に壁が出来ていることを気にしていなかった。

嫌悪されている間は居心地が悪そうだったが、嫌悪が無関心へと変わると、むしろ居心地が良さそうだった。彼女になぜその壁を気にしないのかというのを遠回しに聞いたところ
「だって、嫌われるのは周りにも迷惑じゃない? 嫌なヤツがいるな、と思いながら過ごすのは誰だって嫌じゃん。でも、今は、『いてもいなくても変わらない』って感じでしょ? それが一番ちょうどいいかなって」
と答えた。
ここで『俺はお前がいたほうがいい』とか言えれば物語のヒーローになれそうなのだが、実際に俺が言えたのは「ふーん」という意味のない返答だった。
だから、俺は彼女の言葉の真意にいつだって気づけないのだ。

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桜木ノア #02 4月22日(月)

桜木ノアのパンチの効いた自己紹介から2週間が過ぎた。
俺は、桜木ノアと、友達と言うには浅く、しかし知り合いと言うのは薄情になるくらいの関係になっていた。まあ要するに、ちょっと、ほんの少しだけ、仲良くなっていた。
理由は明確。部活だった。
部活の体験に行った際、同じ方向に桜木ノアがやって来た時点で気づくべきだったのだろう。これはまさかと思いつつ部室に行くと、当然彼女も部室に入り、クラスが同じだからという単純な理由でチームを組むことになってしまった。『マジか』という言葉が思わず口から出そうになったのは言うまでもない。
しかし、俺にはあからさまに相手を避けるような趣味はないので、まあ上辺だけと思いながら、桜木ノアと話し始めた。

意外に話の合うやつだった。

それは好きなバンドや歌手が同じだったと言うだけのありふれた理由だったのだが、正直、宇宙人と話しているんじゃないかというくらい話が合わないことを想定していたので、俺は素直に驚いた。話しかけて来た外国人が日本語を流暢に喋ってくれた時と似ているのではないかと思う。(そんな経験したことないが)
その日本語を流暢に話す外国人と、しかも音楽の趣味まで合ったわけで、こうなるとテンションが上がるのも仕方なかった。
そうして思いのほか趣味の合った桜木ノアのイメージは、俺の中ではかなり変わったのだが、クラスメイト諸君はそうもいかない。
俺は、桜木ノアがグループワーク等必要に迫られた場合以外に、クラスメイトと話している姿を見たことがなかった。
いや、訂正しよう。

クラスメイトたちが必要に迫られた場合以外に彼女と話そうとしているのを見たことがなかった。

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桜木ノア #01 4月8日(月)

「私はここに問題を抱えている」

桜木ノアと名乗った少女はそう言った。右手で銃の形を作り、それを自らの頭に突きつけながら。
入学式後のLHR。まだ様子を伺っている生徒が多く、好きなものがなんだとか、誕生日はいつだとか、当たり障りないことを口にしていた中、彼女はそう言い放った。
そして、クラスメイトの大半が思ったことだろう。『たしかに頭がおかしそうだ』と。
知り合って間もない生徒たちが皆一様に呆気にとられる中で、彼女は「けれど!」と続けた。

「私はここでどうにか生きてやるつもりだから。よろしく」

念のため言っておくが、サバイバルゲームやデスゲームは実施されていない。ここはなんの特徴もないただの学校である。それにも関わらず、彼女は『生きてやる』と宣言した。
案の定、俺を含むクラスメイトは皆ポカンとしたまま、席に戻っていく桜木ノアを見送った。
桜木ノアが自己紹介をしたのは、まだクラスメイトの半数にさしかかろうかという時だったのだが、全員の自己紹介が終わってもなお、彼女の言葉は妙に記憶に残っていた。
実は、彼女はその時、自分の決意を込めて『生きてやる』と宣言していたのだ。だから、それは自己紹介と言うより、決意表明と言った方が正しかった。
だがもちろん、この時の俺はそんなことを知るよしもない。