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あの夢をなぞって

僕は夢の中で出会った誰も知らない少女と恋をした
「待ってるからね」
少女はまるで花火のようだった

8月の朝夢に見た、今日から10日後の未来に行われる花火大会で僕は君と出会った
ただの夢 生まれてこの方彼女無しの僕が見た彼女と花火大会で、なんて悲しい夢だと思えばよかったのに 僕は彼女を探そうとした夢の中の人を
顔も名前も知らない夢の中の人を探そうだなんて僕はどうかしている
だけど探さなければいけないと思った 友達に笑われながら家族に呆れられながら
君と出会ったあの日から出会うはずの10日後まで毎日君を探し続けた
彼女は待ってると言っていた気がしていたから
・・・
結局当日まで君の事は何一つ分からなかった
有り得ないくらいのこの人混みからたった1人を探すなんて不可能だと普段の僕なら諦めていただろうでも何故か今日の僕は諦めが悪かったどうしようもなく 人混みに抗い進んで行く何処へか分からないただ彼女がいる気がした方向へ この先に君が立っている気がした
空に花が咲く大きな音を立てながら街の喧騒をかき消すようにように音という音を光が包み込んで行くそんな空の花の下に君は立っていたんだ
「やっと、会えた」
お互いがお互いを求め合い僕達の未来は重なった
別々の道を歩いていた僕達はあの日夢の中で重なった、ただ1回 一瞬の運命が僕をここへ君をここへ連れて来てくれた
僕達は2人揃って泣いていた出来る事ならこの涙はずっと流していたかった
君と同じ時間に存在した証のような気がしたから
空は明るく光り輝く音と共に無数の花が咲いては散ってゆく この世界のあらゆる音を光と共に連れ去って
光に願った僕達2人も一緒に連れ去って
連れ出して欲しかった
それがダメなら、せめてどうか終わらないで
そんな僕の願いは連続する無数の音に消されていく、そして音のない世界が広がった
君と僕の未来はまたお互いの道へと戻って行く
僕はきっと忘れない
2人で見上げた様々に輝く空を
空に咲く光に照らされた君の横顔を

大丈夫想いはきっと大丈夫伝わる

こうしてまた出会えた君へ

「好きだよ」

君は花火のように散った

....

from YOASOBI/あの夢をなぞって

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小さな一人のお話。

(何だかんだ言いつつ、続けています。スタンプ押して下さって、ありがとうございます。)

彼の保育園にも、恋する女の子達が存在しました
毎日毎日、誰が格好いい、あの子は優しいと、
保育園児なりに話していました

彼は保育園の女の子達と話す機会もなく、
話そうとも思っていませんでした

そんなある日
「あのこ、かっこいいよねぇ」
一人の女の子が彼の方を見て言いました

他の女の子達は彼の方を見て
「あのこ、いつも ひとりだし、なにを かんがえて いるのか わからないよ」
「でも、たしかに、かっこいいかも」
「プリキュアの おうじさま みたい」
口々にそう言いました

女の子達は、教室の隅にいる不思議な男の子に
声をかけることにしました

「こんにちは なにを して いるの」

彼はいきなり声をかけられて、驚きました
何とか返事を言おうとしますが、何て言えば良いのかが分かりませんでした

絞り出した一言
「こ、こんにちは」

緊張して困って、顔が真っ赤な彼を、
女の子達は可愛いと思ったのか、
満足そうに帰って行きました


実は、彼が真っ赤になった理由は、
もう一つありました

彼の初恋の相手がいたのです

何も喋らず、女の子達の後ろで微笑む、
おっとりとした彼女

友達を作らない彼には、初恋の相手がいました

彼の心の成長の証

初恋の相手については、また今度

小さな一人のお話。