暴精造物茶会 Act 22
「確かピスケスさん所の…」
クロミスが怯えたような顔で言うので、露夏はできるだけフレンドリーに笑いかける。
「あー、まぁおれはピスケスの“狗“って所だね、うん」
きーちゃんがいつもお世話になってまーすと露夏は小さく手を振る。
クロミスはひぇっと震え上がった。
「露夏ちゃん」
とにかくあの子たちを連れてここから逃げよう、とかすみが露夏に話しかける。
露夏はあ、そうだなと答えると、じゃかすみ後は頼んだと怪物の方へ向かった。
「え、ちょっと⁇」
かすみはおろおろしたが、そのことを気にせず露夏は歩いていく。
やがて怪物の目の前で魔力障壁を張っていた青髪のコドモの隣に露夏はやって来た。
「いや〜すごいことになったなぁ〜」
露夏がそう言ってキャップ帽のつばをちょっと上げると、随分のん気ねと青髪のコドモことピスケスは隣の人工精霊に目を向ける。
「うっかりしてたら何も知らない一般人に見られてしまうわ」
ピスケスがそう言うと、そうだなと上空から声が飛んできた。
2人が見上げるとナツィがふわりと舞い降りてきていた。
「今は一般人があまりいない時間帯だからいいが」
昼間だったら大惨事だとナツィは芝生に着地する。
「…ま、とにかくコイツを片付けちゃおうぜ」
コイツ、侵入者と認識した奴を倒さない限り大人しくならないんだろ?と露夏は両腕を後頭部に回す。