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悪霊の指揮者

榛名千ユリ(ハルナ・チユリ)
年齢:青葉とタメ  性別:女性  身長:145㎝前後
好きなもの:家族、自分、悪霊、飴
嫌いなもの:反抗的な無能、調子に乗ってる無能、身の程を弁えない無能、果汁入りの飴
悪霊遣いの少女。両手の十指に1体ずつ悪霊を封じ、その霊体と霊障を自在に操る能力を持っている。当然霊感もある。現在の手持ちは右手親指に封じた無数の手の霊“草分”、右手中指に封じた大鎧と刀で武装した武者の霊“野武士”、右手小指に封じた暗紫色の炎を纏った左眼だけ嵌まった頭蓋骨の霊“邪視”、左手薬指に封じた身長約2.4mの女性霊“私の愛しいエイト・フィート”の4体。
家族が大好きで心の底から尊敬している。特に名付け親でもあり、霊感があることから経験してきた様々な怪異の話を寝物語として語ってくれた母方のお祖母ちゃんには滅茶苦茶懐いている。“私の愛しいエイト・フィート”もお祖母ちゃんの因縁から受け継いだもの。
家族が大好きなので、家族から血や縁や名や才や姿やその他様々なものを受け継いで生まれ育ってきた自分の事も大好き。
そこまでは良いのだが、家族愛が過ぎて自分の認めた相手以外のことは見下しているところがある。
以上の理由で性格はきわめて悪い。他人と会話する時高確率で罵倒か軽蔑か軽視が含まれてる。教師や大人相手でも態度が変わらねえってんだから大したものです。
普段から身に付けているウエストポーチには、飴ちゃんが大量に入っている。その理由については彼女曰く「アタシは軍師だから頭たくさん使うの」とのこと。他人に分けてくれることはほぼ無い。
ちなみに名前の「ユリ」の部分だけ片仮名なのは「千百合」だと「せんひゃくごう」と区別がつきにくいと思ったお祖母ちゃんの意思。千ユリ本人はちょっと変わっているので気に入っている。

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少年少女色彩都市・某Edit. Outlaw Girls Duet その③

エベルソルが口を開く。するとその奥から、無数のぬらぬらとした質感の触手が伸びてきた。理宇はスティックでそれらを叩き落としながら、少しずつ距離を詰めていく。
(ロキ先輩の弾幕は、タマモ先輩のと違って自由に曲がるから、私が壁になってても大丈夫なはず。こいつの意識を、私だけに集中させるんだ!)
僅か2mほどの位置まで接近し、両足を踏ん張って触手の撃墜を続ける。その隙に、ロキが生成したインキの光弾が回り込むようにしてエベルソルの胴体に命中していく。
光弾のうち1発が深くエベルソルに突き刺さり、体内に到達した。
その穴を押し広げるようにして、体内から更に大量の細い触手が伸び上がり、理宇に襲い掛かる。
「えっ、待っ」
突然倍化した攻撃に動揺しながらも、理宇は冷静に防御を続ける。
「……リウ」
不意に、ロキが呼びかけた。
「えっ、先ぱ、うわぁっ⁉」
そちらに一瞬意識が割かれたためか、あるいは単純な注意不足のためか、足下に忍び寄っていた1本の触手に対応できず、左足首を絡め取られ高く逆さ吊りにされてしまった。
「わあぁっ⁉ ろ、ロキ先輩、助けっあああああ⁉」
エベルソルは理宇を大きく振り回し、レースゲームの筐体に向けて投げつけた。
「リウ、無事?」
「っ……がっ、はぁっ……はぁっ……! ど、どうにか……って、うわあっ!」
理宇に再び向かってきた無数の触手を転がりながら回避し、ゲームの筐体の隙間を駆け抜けた。

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視える世界を超えて エピソード8:雷獣 その④

昼休みの種枚さんと白神さんの様子、何というか、違和感があるように思えた。2人がかち合った瞬間、空気が重くなったような、嫌な感じだった。
結局あの場のストレスを引きずっていたのか、4限の講義もあまり集中して受けられなかったし……。
そういえば白神さんも、たしか今日は4限までだったっけ。
「…………5限、サボるか」
そう決心し、講義棟から急ぎ足で出て、まっすぐ正門に向かった。
どうやらタイミングとしては完璧だったみたいで、少し先を歩く白神さんの後ろ姿が見えた。
歩調を早めて、追いつこうと試みる。そして、彼女に続いて正門をくぐろうとして、自然と足が止まった。
白神さんの目の前に、種枚さんが立っている。種枚さんはフードを深く被っていて表情は分からないけれど、何か話しているらしい。
何となく近づけずに距離を取って見ていると、いくらか言葉を交わしてから二人は連れ立って歩きだした。見失ってはいけない気がして、距離を取ったまま後を追う。

2人が向かった先は、自分が鎌鼬くんと初めて遭遇したあの公園だった。その敷地内には日没直前とはいえまだ少し人が残っている。いくら種枚さんといえど、まさか白神さん相手に荒っぽい真似をすることは無いだろう。
きっと大丈夫だと心の中で自分に言い聞かせ、どんどん奥の人目に付かない場所に入っていく二人の尾行を再開した。

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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 20.エインセル ⑫

しかし目の前の十字路にさしかかった所でわたしはぴたと足を止める。
視線を感じてハッと右手側を見ると、路地の奥に”わたしと瓜二つの人物”が立っていた。
「え」
わたしが思わずそう呟くと、先を歩く耀平達も足を止めた。
「どうした?」
耀平がそう尋ねてきたので、わたしはあそこ!と路地の奥を指さす。
しかし耀平達が路地の奥を覗き見た頃には、そこに誰もいなかった。
「誰もいねーぞ」
「さっきから多いよな、そう言うの」
耀平と師郎がそれぞれ呟く。
「またそっくりさんって奴かい?」
師郎がそう聞くので、わたしはうんとうなずく。
「…そっくりさん、か」
不意に雪葉がポツリと呟いたので、わたし達は彼女に目を向ける。
雪葉はわたし達の視線を感じて、あぁこっちの話と手を振る。
「何、心当たりでもあるのか?」
耀平がそう尋ねると、雪葉はまぁねと答える。
「心当たりがあると言うか、そういう事ができる人を知っていると言うか」
雪葉がそう言うと、穂積はそれって…と言いかける。
雪葉は穂積に目を向けるとこう笑いかけた。
「…まぁ、そういう事さ」
雪葉はそう言って上着のポケットからスマホを取り出した。

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視える世界を超えて エピソード8:雷獣 その③

4時限目の後、白神は帰宅のために大学の正門をくぐった。そのまま歩道に沿って1歩歩き出し、すぐに足を止める。
「……およ、さっきの……千葉さんのお友達」
「よォ。シラカミメイ、だったか?」
「はいメイさんですよ。ちゃんと聞いてたんだ?」
「私は人の話は聞くタチでね」
「で、千葉さんのお友達さん?」
「種枚。呼び名は短い方が良いだろ」
「了解クサビラさん。わざわざ出待ちまでして、メイさんに何の御用で?」
「この場で話すとなると人目が気になるからなァ……良い場所を知ってるんだ。ついて来な」
そう言って白神に背中を向けて歩き出した種枚に、一瞬の逡巡の後、白神も続いた。

「……そういやメイさんよ」
道中、振り返ることも無く種枚が背後の白神に話しかける。
「何ですかいクサビラさん」
「あの子……チバとはどれくらいの付き合いだい?」
「それは長さで? 深さで?」
「とりあえず長さで」
「そんなに長くないよー。後期が始まってすぐくらいの頃に、わたしのいたサークルに入ってきた縁でね。だからまだ……2、3か月?」
「へえ、私とそこまで長さは変わらないわけだ。深さは?」
「週3でお昼をご一緒するくらいの仲だけどクサビラさんは?」
「私はあの子の命の恩人だけど?」
「…………」
「…………」
2人の間に、重い沈黙が流れる。そのまま数分、無言で歩き続け、不意に種枚が立ち止まった。
「……なーんだ、良い場所なんて言うからどこかと思ったら、ただの公園じゃないですか」
「夕方にもなればすっかりひと気が失せるからねェ。さ、行こうか」
ようやく白神に一瞥をくれた種枚が敷地内に踏み入り、白神もその後に続いた。

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少年少女色彩都市・某Edit. Outlaw Girls Duet その①

休憩室の扉をノックする軽やかな音が3度響く。
「入ってどうぞ」
ロキが言うと、扉が開き理宇が入ってきた。
「あ、ふべずるんぐ先輩。お疲れ様です。タマモ先輩は……?」
「ロキで良いよ。タマモはこの間の戦いで両腕骨折したからしばらく療養。座ったら?」
ロキに促され、理宇はタマモが普段座っている席の向かいに座った。その斜向かいにロキも掛ける。
「…………あのー……」
「…………」
ロキは理宇の存在を意に介することなくスマートフォンを操作している。
「あの、ロキ先輩?」
「……あ、ん、何?」
スマートフォンから目を離し、初めて理宇の目を見る。睨むようなその視線に臆しながらも、理宇は対話を試みた。
「今日は、何かやることあるんですかね?」
「いや特には」
「さいですか……。あ、これは全く関係ない世間話なんですが、ロキ先輩ってタマモ先輩といつから組んでるんですか?」
「……そろそろ1年かな。何だかんだで私がリプリゼントルになってからずっと一緒に戦ってる」
「へー。どんな感じで出会ったんです?」
「…………まあ、それはタマモ自身に聞いて。あいつが話したがらなかったら諦めてやって」
「あっはい」
しばらく無言の時間が流れたが、不意にロキのスマートフォンから通知音が鳴り、ロキが立ち上がった。
「行くよ。仕事だ」
「はい、了解です!」
「……あれ、あんた何ていったっけ」
「あ、魚沼理宇です」
「うん、じゃあ行こうか、リウ。あいつがいない分、私のこと守ってくれる?」
「お任せください!」

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視える世界を超えて エピソード8:雷獣 その②

白神さんと二人して天ぷらうどんを購入し、セルフサービスの水を取ってから、席に戻った。
それから、殆ど手を止める事無くうどんを完食し、残った水を飲みながら一息ついた。
この後しばらく時間に余裕があることもあって、気が抜けて深く息を吐きながら、仰け反るようにして背もたれに身体を預ける。と、真後ろの席に座っていた人に後頭部がぶつかってしまった。
「あ、すみません……」
咄嗟に謝罪しながら振り返り、そこにいた人の姿を見て、身体が硬直した。
「ん、いやこっちこそ」
気に留めていない様子で答えたのは。種枚さんだった。この人、ここの学生だったのか。
「およ、千葉さんや。知り合いかね?」
こちらを覗き込んだ白神さんと種枚さんの目が合ったのだろう、種枚さんの目が僅かに見開かれる。
「種枚さん?」
「…………君、友達いたんだ?」
「失礼な……自分を何だと思ってるんですか。彼女は友人の白神さんです」
「……そうかい」
種枚さんはつまらなさそうに答え、そっぽを向いてしまった。
「千葉さんのお友達? 初めまして白神メイですー」
白神さんの自己紹介にも、種枚さんは反応を示さない。
「ありゃ…………あ、ごめんね千葉さんや。わたしは3限あるから、そろそろ行きますよ。お友達とごゆっくりぃ」
まだ3時限目の開始時刻までは少し余裕があるけれど、やはり居心地が悪くなったのか、白神さんはそそくさと席を立ち、その場を立ち去ってしまった。

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視える世界を超えて エピソード8:雷獣 その①

自分には友人が少ない自覚がある。それでも、最近入ったサークルの縁で出会った同学年の白神さんとは、サークル以外でも昼休みには一緒に昼食をとったりする程度には親しい仲だ。
今日も2時限目の後、講義室を出たところでタイミングよく出くわして、食堂に向かうところだった。
「千葉さんや、最近調子はどうですかい」
歩きながら、白神さんが尋ねてくる。
「まあ、ボチボチやってますよ。けど今日も締め切りが明日までの課題が出て、キツいことキツいこと」
こちらも軽い口調で答える。
「ところで千葉さんや。午後の講義の予定は?」
「3限は無いですけど、4限と5限が入ってまして」
「うわぁ、そいつはまた、面倒な入り方してるな……。3限には何も取らなかったので?」
「取らなかったですねぇ……」
話しながら歩いているうちに、食堂に到着した。
「きょーうのメイさんはー、オウドンを食べるー」
「したら自分もそうしましょーっと」
『メイ』とは、白神さんの下の名前だ。漢字でどう書くかは知らないけれど、そういう名前だってことは聞いている。そんなことを言い合いながら、空いた席に鞄を置き、料理の受取口に向かった。

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縁に縛られている

応絢那(イラエ・アヤナ)
性別:女  年齢:10代  身長:160㎝
マジックアイテム:お守り
願い:独りになりたくない
衣装:拘束衣
魔法:縁に縛られる
魔法使いの少女。家庭の問題の影響で孤独に対して異常なまでに恐怖しており、その願いが魔法に反映された。
その魔法を簡単に表すと「自分と何者かを繋ぐ『縁』が残っている限り、決して死ぬことが無い」というもの。自分を知っている者が一人でも生きている限りその『縁』によってあらゆるダメージは『縁』を材料として即座に修復される。ファントムとの敵対ですらそれ自体が『縁』となるため、ファントムとの戦闘中、彼女は絶対に死なない。また、自身を縛る『縁』を鎖として具現化し、武器として操ることもできる。
かつて初めてのファントムとの戦闘にて、肉体の大部分を食われたせいで、魔法でできていない彼女の生来の肉体部位は右脚全体と左腕の肘から先のみであり、それらの部分が己の魔法で『縁』に代替されることも恐れている。これらの部位を軽くでも怪我するとひどいパニック症状に陥り、再生させないために『縁』の鎖で傷口を更に深く抉り続ける。異物が傷口に直接接している限りは『縁』の再生が起きないためである。
思考する脳さえも己の魔法に代替されてしまっているせいで、『自己』というものに自信が持てず、精神は非常に不安定。

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視える世界を超えて エピソード7:潜龍 その⑩

種枚さんと犬神ちゃんは、およそ3時間の間、何も言わずその場にじっとしていた。種枚さんは目を閉じたまま脱力しきっており、犬神ちゃんはそんな種枚さんの顔を、何も言わず、微動だにもせず覗き込んでいる。
段々と辺りが暗くなり、完全に日が沈み、夜が更けていく。そのうち、背後に聞こえていた神楽の音も聞こえなくなり、祭りの終わる気配がし始めた。
不思議とここまで、本殿の方には一人も来なかったけれど、ようやく足音が迫ってきた。
「貴様ら。何をしている?」
低い男声に振り返ると、数時間前に会った、狩衣姿のあの男性がすぐそこに立っていた。
「よォ、潜龍の。遅かったじゃないか。友達が来たもんだから、悪いが帰らせてもらうよ」
答えたのは種枚さん。
「フン、馬鹿を言え。鬼の力は完全に封じた。それに加えてこの拘束、逃げられるものか」
会話内容からして、種枚さんをあんな目に遭わせたのは、この男なんだろうか。
「たしかに、ちょっとこれは、しんどい……なっと」
言いながら、種枚さんは腕を思い切り振るった。その勢いで鎖と縄、有刺鉄線は簡単に引きちぎられ、掌を貫いていた刀もあっさりと抜けてしまった。
同じように足もばたつかせ、拘束を完全に振りほどく。紙と木の御札は彼女の体温にやられたのか、真っ黒に焼け焦げていた。
男性の顔を見る。彼は信じられないとでも言いたげに目を見開いていた。
「……馬鹿な…………怪異を封じる札に、怪異を狩る刀を4振りも使ったんだぞ⁉ 有刺鉄線で動きも制限していたはずだ!」
「アァー、結構痛かったんだぜ、あの刃。ほら見ろ、まだ穴が開いてら」
未だ出血の止まらない両手をひらひらと振りながら、種枚さんは冗談めかして言い、本殿からのそりと出てきた。そのまま、これまた出血が続いている両足を引きずりながらこちらに歩いてくる。そして、呆然としている男性とすれ違うその時、足を止めてその肩に手を置いた。
「改めて言っておくぜィ、潜龍の。私は飽くまでも『人間』だ。もしかしたら薄ゥーく鬼の血でも混じっているかもだが……、これから私を捕らえたきゃ、コンクリでも使うんだね。まァ、何されたって出て行ってやるけどな」
そして男性、潜龍さんというのだろうか。彼から離れ、犬神ちゃんに手招きし、上機嫌で駆け寄ってきた犬神ちゃんの肩を抱き、舞殿の方へ歩き去って行った。