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UFOの落ちてきた夏~8話目~

「どうして……ここに連れてきたの……?」
感情の読み取れない声だった。不思議そうな、それでいて哀しげな、切ないともとれる声のトーン。
「なんとなく……そう、なんとなくよ。でも、どうして?」
そのトーンがあまりにも私の胸に突き刺さるので、思わず質問に質問で返してしまった。
「ここだったんだ……。」
「え?」
「ここ、見たことがあるんだ。来たことがあるんだ、何回も。小さいとき、僕の姉ちゃんがよく連れてきてくれた。」
幼い、とても幼い顔だった。だから、言ってやったんだ、この生意気で憎たらしい男の子に。
「今も十分小さいよ。」

続く

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UFOの落ちてきた夏~7話目~

ついた場所は海。宙を連れてきた場所。宙に見せたかった場所。なぜだかわからなかったけれど、宙と接するうちに、ここだけは見せたいと、頭のどこかで自分が叫んでいた。__それはきっと、もうすぐお別れなのだという虫の知らせだったのだろう。
燃え輝く赤色の夕日は、闇に飲み込まれていく。そんな様子を、しばらく黙ってみていた。だが、そろそろ帰らなければ、祖母が心配する。宙に声をかける前に、宙が口を開いた。

続く

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あなたであること

あなたの幸せを教えます

あなたは、音楽に囲まれています
あなたは、美味しい食事に囲まれています
あなたは、たくさんの知識に囲まれています
あなたは、あなたを想ってくれる人に囲まれています


なにより、



あなたが貴方であること



それがあなたの最高の幸せです

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UFOの落ちてきた夏~6話目~

だいぶ歩いたかな。そう思って、ふと上を見上げる。真っ赤だ。
「……どこへ向かっているの、とかきかないの?」
宙はあくまで平然としていた。
「じゃあ、どこにいくの?」
……ほんと、かわいくないやつ。私は、自分で振ったくせに無視。宙はまたもや憎たらしい顔をして嘲笑った。
「姉ちゃんチケた!その歳でチケた!」
そう言って逃げる。今度は笑いながら。
「ちょ、こら、待ちなさい!宙‼」
叫ぶ私も笑っていた。何だか、弟が出来たみたいで、とっても楽しかった。

続く

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樹海ロスト

ガサ......ガサガサ......。
「なぁ......この本は何だ?」
ある男は樹海の中で不思議な本を見つけた。
『幻想詩』に『白蓮記』、ありとあらゆる本がそこにあった。
「何だ?と言われても俺はそこじゃなくて電話の前にいるからなぁ......何とも言えないぜ。」
そこはある地方の深い森。
こんなところに本などあるだろうか。
普通なら無い、だが実際に目の前にはある。
男はこの時、世の中はやはり捨てたものじゃないと思った。
男は何故この森にいたのか、理由は定かではない。
どうせろくな事ではないが。
「色々と考えたけどこの本は持っていく事にするよ。また会おう。」
「おう、また。」
この後、男の姿を見た者はいない。

P.S.まさかの公式番外でございます。
これで全て文章化されましたね。
改めて書いて下さった方に食べられない感謝を。

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UFOの落ちてきた夏~3話目~

(3話目、載ってなかったですね)

ちょっぴり力を入れて叩く。カンカンという音がする。もう少し力を入れて叩く。今度はパンパンという感じだ。もっと強く叩く。鈍い音だ。金属ではない。叩いた感触も違__
「ったいなぁもう!手、どけろよ!」
そこには、宇宙人なんてよべる存在はどこにもなかった。明るい茶色の柔らかい髪を持つ年下の男の子。黒い目は、吸い込まれそうなくらい深い。背は、私より随分と低かった。
「君は、宇宙人なの?」

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彼女と私

私は 彼女の中にある 線の向こうに行ってはいけない。
その線は誰でも持っているものだけど、彼女の線は透明で私にはよく見えない…
うっかり足を踏み入れてしまうと激しく突き返されるの…
彼女の中にいる私は、広い世界にいるようで実は 物凄く狭いところに閉じ込められたままなのかもしれない…

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no title

"おはよう"

その一言で何かが変わったのだったら

貴方は今、

あの子じゃなくて私の隣にいて

"好き""大好きだよ"って言ってくれてたのかな

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無題

今日の僕にはこの世界が
いつになく小さく見えた。
それはきっと、
この痛みを、この苦痛を
味わった人にしか見えない世界。
毎日毎日襲いかかってくるこの恐怖に
僕は当分打ち勝つことはできないだろう。

けど
だからこそわかることがある。
だからこそ見える世界もある。
それが今の僕の
最大の武器だと思っている。

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無題

誰かが欲を出すことで
誰かが苦しくなっていき
誰かが成功することで
必ず誰かは負けている

この世界は残酷だけど
そうじゃなきゃ、成り立たない。