あの時、彼女は何も言わなかった。
これからも何も言わないのだろうか。
これからも何も言ってくれないのだろうか。
やさしいまなざしで僕を溶かして。
これはいとしさなんかじゃない
さびしい夢で僕を生かして。
愛想なんて底を尽きたの、からからに
しがらみは明日、見えない向こうに
くるしい嘘で僕を眠らせて。
ささくれだったグレーにうもれて
かなしいことは忘れてゆく
それはいいことなんかじゃない
頭に金平糖を詰めて
笑っていたい、僕はいつも
僕はいつも
どんなときも 君はその笑顔で
どんなときも 君はその瞳で
いつも 何度でも どんなときでも
僕に問いかけるのさ あどけないその姿
小さいからだと 大きなこころで
問いかける
本当にそれでいいのかって
きみに響く歌を歌いたいんだ。
って言うと、きみは一瞥もせずにこう言ったんだ。
大衆ついでにわたしに響かせようとしてる貴方の歌は一生響かない。
わかった。
ってぼくは答えた。
きみだけに響く歌をつくるよ。
きみが響いてくれたらいいんだ。
きみは、嘘つき。って言った。
そうだね。
ってぼくは答えた。
今日までは嘘つきだったね。
もしも星座が、そのままの状態で
夜空を沈んでくれるなら
それはきっと世界を狭く感じさせてくれる筈だ
何にも手にしていなけりゃ
傷付かずに済むのサ
笑った貴方は そう言って
古びた煙管を咥え込んだ
支える指に滲む慈しみと
煙追う瞳の潤み加減は
到底何も持たぬ人のそれじゃあ なかった
出来もしねェこと
偉そうに言ってんじゃねェや
吐き捨てた私に貴方は笑って
そうだナァ、なんて
掴み所のない目線だけくれて
貴方は何時だって
私が抱え込んでしまいたいものを
上手に仕舞い込んじまうのサ
指先と指先がしだれ絡ませ求めあうから、僕らはゆっくりと成り行きを見守る。つかず離れずの、情熱だけが往き来して、密室世界はぎゅうとなる。
底冷えだけが生きてる。愛着の波止場に立ち、くらむ。猫の舌を想起して、龍の背には乗るまいとする。息切れと、溜め息と、場末のような匂い。
誰も彼もが他人のようだ。誰も彼もが恋人のように、通り過ぎては連れ立って、旅立っていく。そこに僕らの愛情の、一片を結い、この恋がどこまでいくかを見よう。そして死のう。
腹の底がもつれ合いとけ合うなら、頭なんて付いている意味もない。出張った骨どもの絶叫が全てだ。夢みたいだ、と言った半開きの口元は、誰のとも知れず、つかず離れず、黒く大きな水の中。
眩んでしまった目で瞬いて
そっと睫毛に話しかける、
どっかで聞いたような
ことばの綾、だなんて。
振り絞ったフリをした
誰かに借りっぱなしの力。
眠れなかった夜、
傾いたままのスタンド
枕許に放ったサングラス、
積み上げた漫画本、
明日はきっと雨。
窓の外で蛙が鳴きだしたからって
今夜は少しだけカーテンを透かして
ずんずんずんずん
あの子は走る
ずんずんずんずん
周りは走る
ずんずんずんずん
ずんずんずんずん
周りに合わせて
ステップ揃えて
ずんずんずんずん
私も走る
“boyfriend”と“girlfriend”、直訳すると「男友達」と「女友達」だから決して彼氏彼女ってわけではない。
クラス1の美少女は黒人の彼とニューヨーク。窓際のあの子は駅前で歌っている。
学級委員は寿司屋で修行を始めたらし
い。応援団長は猫を飼いはじめた。隣の席のマッシュルームは心機一転、金髪刈上げになったという。
あたしがぼんやりしているうちに
くるくる変わる時代は変わる
あたしがぼんやりしているうちに
大好きだった君はセーラー服と寝た。
閉め切った薄緑のカーテン
一字一句なぞっていたはずの校則は
ゆがんだ陽射しにさらされて
正しくそよいでしまう
好きになっちゃいけないっていうなら
好きにならなきゃいいんだよ
誰も誰を好きじゃないままで
なんでもないことをしでかしてあげる
そのたびにさえずる青い鳥は
何度放してもまた舞い戻ってくる
鍵をかけてしまえば 最後
もう二度と出してやれないよと告げたのに
やめてくれ
騙す気はなかったなんて言わないでくれ
僕は騙されたなんて
これっぽっちも思っていないのだから
割と 頻繁に くれる
あなたの ハートが 私に 届く
特に 意味は ないでしょうけど
それでも すごく 嬉しくて 思わず 笑ってしまう
私も その分 ハートを 送る
これからも よろしくね
今、5月23日午前2時13分。これが掲示板に載るのはだいたい5月23日の昼から夕方くらい。今、この時間は載る頃には“昨日”になってしまうのか。同じ5月23日なのに...