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無題

お腹がすいたな

そう思って、自分と誰かのために作るご飯はおいしいと思う

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ある波間

今日もそこは、暗く冷たく沈んでいる。

毎晩毎晩砂浜に打ち上げられる人、人、人。

彼らを処理するのが僕の仕事。

どれだけ手を洗っても消えない血のあと。

処理、言葉で言えば簡単だろう。

真っ暗な中、彼らは、眠っているのだ。

それは、それで、幸せそうなのだ。

人生を諦めて、幸せ、なんて、おかしいな。

僕は生きているのに、不思議と死んでいる気がしてくる。

時々彼らに問いかけてみても、答えは永遠にかえって来ない。

冷たく静かな1日。

荒々しい波の音。

僕はなんなんだろう。

この仕事には意味があるのだろうか。

考えても答えのない、問のなか、僕は今日も仕事を続ける。

僕が死んだら、また、誰かが、僕を処理するのだろうか。

今を生きる、僕の世界は、やはり灰色だった。


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恋愛初心者

ほのめかして はぐらかす
素直になって 天邪鬼
弱音を吐いて 強がり
知ってるけど 知らないふり
君が欲しい それだけなのに
なにを どうすることが 正解なんだろう

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頼むよ

頼むよ。
頼むよ。
一緒にいてくれよ。
頼むよ。
頼むよ。
たまに、帰ってこいよ。
頼むよ。
頼むよ。
同じ夢を追っかける人がいないんだからよ。
待ってるから、連絡ぐらい寄越せよ。

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さらりとした口約束に
心躍らせる
躍り疲れて
へたってしまった
僕の心は
分かっていただろと
涙を呑んで
目を閉じる
瞼ですらくっついてるのに
なんて
虚しくなって

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春来たりなば

睡い目をぼんやりとひらいて
天気予報に青色を捜してる

とうめいなビニール傘を買って

風邪をひこうと思ったのに。

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γ

誰が悪いか決めたくなった
分かりづらい現実に分かりやすさを求めた
無口で地味な少年が
その捌け口になるのはよくある話だが

「お前はいつも何かに怒っているよな
そんな生き方して辛くないか?」
辛い辛くないの問題じゃないと
答えるのも辛かったから黙った

君は真面目で優しすぎるよ
ここで生きるのには向いてないくらいに
でも私は君のそんなところが好きになったの
って言ってくれてどうもありがとう

人を傷つける資格もない奴が
素知らぬ顔して人を傷つける
そんなのは珍しくも何でもないと
目を逸らし足早に去る
誰かの吐いたニコチンと溜め息を
君は深く大きく吸い込む
こんな社会とそれに汚される
君を守れない僕が嫌いだ

自分を大事にできない人が
他の人を大事にできるわけはないよな
今になってそんなことに
気付くなんてやっぱり僕は莫迦だ

卑屈で最低だったと思う
好きと言ってくれたのに疑ってごめんな
君は今何してるだろうか
幸せになってくれたらいいな

君は真面目で優しすぎるよ
って言われたけどどうしてもそうは思えないんだ
本当に優しい人は
そうやって気を遣わせたりしないんだろうから

目に見えるものばかりに惑わされて
何かを失う様は滑稽なんだろうな
女子高生の甲高い笑い声が耳障りだ うるせえよ
って呟いた後で歩いて
背広の男とぶつかり舌打ちされた
ああ、邪魔者は僕の方だったのか
僕を守れない僕が嫌いだ

もう全部嫌いだ

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必然

どんなにやりたくなくても やらないといけないものがある
例えば、勉強
「学生」という、ほとんどだれもが通る道
やって無駄にはならないだろうけれど、自分から名乗ったわけでもないのに「学ぶ者」という肩書きを押し付けられる
これは必然?

その時が来れば、持たないといけないものもある
例えば、自信
持ってなくても、持ちたくなくても、周りから無理矢理持たされたり、自分で持っているふりをしたり。
これも必然?

でも自分の心だけは誤魔化せないから、ひとは、何かを、誰かを、好きになる。
君を好きになったこと。
これは、必然。

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なみだにのせて 辛いこと 悲しいこと 全部、ぜんぶ流してしまえたらどんなにいいだろう

しずくにのって流れていくものが全部見えたら

もう戻ってこないとわかるまで遠くに飛ばしてしまえたら

お腹の底にたまった黒いものも、喉の奥につっかえて出せなかった感情も、それでも叫べなかったことばも、全部流してしまいたくて、

だから涙を流すのかな。

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恐怖

見えない何かにおびえる自分
現実から逃げ心の声さえにも耳をふさぎ
自分の感情を捨て
ただ暗闇へと身を潜める
限りなく0に近い希望
忘れてしまったあの頃の約束
消えかけていく瞳の輝き
二度とはやり直しの聞かない人生
それさえも壊れてしまいそうなぐらい
もがき、叫び、傷ついた
気がつけばもうボロボロだった
体も心も何もかも全て
分からないほど枯れていた
感情はもう無い心の奥にあった
想いも消えた
誰かに気付いて欲しかったかも知れない
自分から言えなくて、伝わらなくて
自分で自分をただずっと苦しめていた
自分の心の中にあったものが消えて
散っていった。それだけは分かった。
もう、自分の中に本当の自分は居ない
暗闇の中へと溶け混んでしまった