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LOST MEMORIES Ⅲ

チャールズは1つ息をついた。
「旦那さまは、お嬢さまに何とおっしゃったのでしょう?」
質問に質問で返されたことを不服だと言わんばかりの顔で答える。
「イニシエーションとして、人間界の視察、そして私と同じように西洋妖怪がいるはずだから、その方々と情報を共有しろと。あなたに関しては、ウィザードであることしか聞いていない。」
空気が変わった。
……ほっとしている?
疑問に思う時間は与えられず、チャールズは口を開く。
「まずは自己紹介をしますね。
私の名前はチャールズ=エノワールです。チャールズとお呼びください。旦那さまのおっしゃっるように、ウィザードです。年齢は、お嬢さまのちょうど10個上ですね。」
つまりは26歳。
「私、あなたとは初めましてかしら。」
「ええ、もちろん。」
嘘くさい微笑みだと思ってしまう。
間髪いれず、チャールズは続ける。
「次に、こちらでの生活について答えますね。
お嬢さまには、高等学校生として過ごしていただきます。
今まではメイドや王室教師に学んでいたとは思いますが、存在くらいは知っているでしょう?学校。魔界にもありますしね。
それに、お嬢さまくらいの年齢の方が平日に昼夜私服で出歩くのは、怪しまれかねないので。」
そういうものかと納得してしまう。
先程のやり取りの方が、パプリエールの頭を占めていた。

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長靴

飛び散った
君が弾いた
水たまり
僕の想いも
弾いておくれ

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LOST MEMORIES Ⅱ

パプリエールはむしゃくしゃしてしまっていた。子供じみていると自覚しつつ、扉を音をたてて閉める。はしたないと、教育係からは叱咤されていただろう。それも、今はない。
深呼吸する。
優先順位は着替え、そしてチャールズに、父にかわされた質問をすることだ。
クローゼットを開くと、どれも軽くてラフなものばかり。確かにこれなら、と思った。マキシ丈のスカートを手に取る。
「……楽しいかもしれない。」
16歳の女の子に変わりなかった。

ドレスを脱ぐことが、もしかすると1番手こずったかもしれなかった。
落ち着きを払って、元の部屋に戻る。
促され、向かい合わせになっているイスのうちの1つに腰かける。
レモンティーが前に置かれた。
「先程は失礼しました。質問攻めにされそうだったので、とりあえず楽には成せるようにしたくて。」
肩を竦め、パプリエールの前にチャールズも座る。
「旦那さまはきっと、お嬢さまに説明なさってないのでしょう。」
パプリエールは頷いた。
「あなたに聞けと言われたの。だから、教えてほしい。
何をもってイニシエーション終了なのか、どのくらい人間界にいなければならないのか、何の情報を共有するのか、情報とは何か、視察では何に焦点を当てるのか、ここでの生活はどうなるのか。
そして、あなたは誰?」

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LOST MEMORIES Ⅰ

思いの外、パプリエールは冷静だった。
いつか絵本でみたような家具が備え付けられてはいる部屋。それを見渡す。暖炉はない。シャンデリアも長テーブルも、大きなレースのついたベッドもない。ドレスでいる自分を、家具が場違いであると主張するかのようだ。
「ここが、人間界……」
魔力も感じられない。
「その通りです。」
パプリエールは驚き振り向く。
「私はチャールズと申します。お嬢さまのお付きでございます。」
白髪で長身の青年。ラインは細く、端正な顔立ちのパプリエールを見つめるその目は、青く透き通っていた。
ラフな格好の彼は、お付きというには少し若すぎる気がした。
チャールズは続ける。
「ここは確かに人間界ですが、この部屋自体は人間界特有ではありません。
こういうのは、一般的、というのです。」
パプリエールは不思議そうな顔をする。
「暖炉もシャンデリアも長テーブルも、大きなレースのついたベッドも、あなたが姫という立場だったから存在していたにすぎません。」
まるで心を読んだかのような発言に赤くなる。
「箱入りの世間知らずなお嬢さまには、これから180度違う体験をしていただきます。身の回りのことはご自分で。まさか、私がお嬢さまのきつけをするわけにもいきませんしね。」
怒りと恥ずかしさでさらに赤くなる。
何か言おうとする彼女を、チャールズは制した。
「とりあえず、楽な服へお着替えください。いつまでもドレスではいられないでしょう。1人でも着られるような物ですのでご安心を。」
あちらがあなたの部屋です,そう言われた。
チャールズが話始めてから、パプリエールはまだ一言も発していない。何を言おうとしても無駄、そう悟り、従うことにする。睨み付けると、ふいと背をむけられてしまった。

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聴きすぎて聴き飽きた、聴き慣れた音楽を流して
見過ぎて見飽きた、見慣れた街を歩く
人混みをかきわけ
通り過ぎた先に、
見えた朝日と晴れ渡る青空

僕はそこに僕自身が存在する意義を問うた

答えは、見つからなかった
けれど、もうすぐそこに
意義を見つけ出せそうな光があった

その光は、その道は、
掴めるのか?いや、掴むんだ。
時間がかかってもいいから
自分自身で歩き始めたい。
自分自身で見つけ出したい。
僕自身の生きる価値を、理由を、存在する意義を

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貴方へ

此の世の人々が確信を持って吐き出す言葉達
それは決して 確かなことではなく
「明日」と「未来」と「幸せ」がある上で
成り立つことになっている

そう それはひどく不確かなこと
「明日が来ない」なんて人々は考えもしないもの

「明日が来ない」ではなく「今日でやめる」という選択肢も
此の世には転がっています
普段は見つけにくいように地面の下に埋め込まれています
落ち続け底へたどり着いたものだけが それを見つけることが出来るのです

貴方は見つけ出してしまった
けれど それを選ぶことは今のところなく
必死で生き抜いているのです

さあ 今日も 生き抜く仲間たちに
精一杯の応援を 声援と拍手を
さあ 今日を 生き抜く仲間たちに
精一杯の笑顔を 温かい言葉を

それだけでまた今日も 明日も
私は笑っていられます




自分が今言われたいことを詞にしました。
すごく気に入った!!
誰かメロディーつけてくれないかなー