何度折れて消し去ってしまっても
どれほど残酷な視線を浴びようと
何度自分を壊してしまいたいくらい
自らに絶望しても
必ず立ち上がり歌うから
命の限り歌い続ける
歌い続けていたい
この声が届くまで
いつかあの人を振り向かせるまで
止まれないから
I look back and do not say how
I look back and do not say how
自分でやらなきゃ意味が無いから
いつの日かこの声がこの声が
届く日まで
歌い続ける
It proves my existence
泳ぎだした午前4時
部屋の壁に描かれた緩やかな影
魚の夢を見た。
深い青の中
ぼんやり浮かんだ影
あなたのこと思った。
回る、揺らぐ、溺れたように
軋む、落ちる、息もできずに
まるで海の底のようだ
ちかちか目の前を通り過ぎる星たちに
気を取られていたら
握っていたはずの手が
霧のように消えていた
ぱち、と目が覚める。一瞬どこか考えた。
――人間界。
昨日、位置を確認した壁掛け時計。時間、6時。落ちそうな瞼で、緩い思考を巡らす。寝ては、駄目。
ベッドから体を起こし、メイドを呼び出そうとなるところをこらえた。ここは人間界。
顔を洗いに行く前に、リビングに寄る。そっと顔を覗かせると、チャールズが既にいた。黒いフレームの眼鏡をかけ、本を読んでいる。
瑛瑠に気付き、顔をあげた。
「おはようございます、お嬢さま。さすがですね。」
「……おはよう。はやいのね、チャールズ。」
おはようなんて、魔界にいて使ったことがあっただろうか。
静かに扉を閉める。
顔を洗って部屋に戻り、制服を着る。等身大の鏡の前で一回転をする。
「うう、やっぱり短い……。」
呟いて、先程寄ったリビングに戻る。すると、チャールズが先程と同じ体勢で本を読んでいた。
さっきは気づかなかったが、テーブルに朝食が置かれている。
柔らかいにおいだ。そして、瑛瑠は思う。
(これも、当たり前ではないんだよね。)
席について、チャールズに言う。
「チャールズ、ありがとう。」
チャールズは顔をあげた。少し目を丸くしている。
そして、瑛瑠に微笑んだ。
「どういたしまして。
……そんなお嬢さまに、良い言葉を教えてあげましょう。」
私は何の権力も持っていない普通の人間だ
権力を持っているからって何でもできる訳でもない
私にできることはなんだろう
言葉で人を笑わせたり、君の足元を照らせるぐらいの光になれたらな
相手のことなんて考えないでも浮かんでくる
頭のどこかにいつもいる。それが恋の始まり
この広い世界
平等になんてならないのです
みんな違う顔に違う性格や違う力
それを個性というのです