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月曜日

これを夏のせいにすれば
今日で終止符を打てそう。
君がいなくなっても
ラムネの瓶 泡を数えた日々よ。

海の香りが鼻の裏にこびりついて
夏を終わらせようとしないけど

あぁ ビル街は月曜日
取り留めのない残夏をむりやりに押し流す。
あぁ 取り敢えず破廉恥なあの日をこの胸にちょっと留めて、暫くしたらまた元通り。



全部夏のせいにして
今日で終止符を打ったら
君の「バイバイ」が割と
あっさりとした唇の造形で

もう1回腕をつかもうとしたけど
どうせ出来ないって心でなんとなくわかってた。


あぁ イヤフォンの古い歌
君に当てはまらなくてちょっと笑えてきた。
あぁ 取り敢えず今年の夏はあの日で終わり。暫くしたら僕も元通り。



君の「バイバイ」と萎えた向日葵が
夕日に映えず僕を押す。
視線が交わった接点を
遮る夕陽に罪を被せ、逃げた。


あぁ ビル街は月曜日
取り留めのない残夏をむりやりに押し流す。
あぁ 取り敢えず破廉恥なあの日をこの胸にちょっと留めて、暫くしたらまた元通り。

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しょうがない

「本当に好きになってしまうとものにしたいという気持ちより嫌われたくないという気持ちのほうが先立ってしまう。」
「覚えようとしても覚えられないことばかりなのに忘れようとしたことは覚えている。」
「塩基配列の単純な人は塩基配列の単純な異性をパートナーに選ぶ。」
「つまり単純な人は単純な人が好き。」
「魅力のある女性は塩基配列が変化に富んでいる。」
「両親の遺伝的距離が遠い可能性が高い。」
「心の病の元凶は視野狭窄。視野を広げ狭い価値観から解放されることがいちばんの治療法だ。ひとはひと、自分は自分という考えかたができるようにならなければ救いはない。」
「外側からも内側からも感情を乱されないのが大人。」
「またずる休みか。」
「しょうがない。雨なんだから。」

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言論の自由と歪み症候群

何を言うか
何を好きになるか
そんなこと僕たちの自由でしょう
なのにお前はどこまでも自分勝手で
僕の好きなものに偏見の目を向けて
何をしても変わらない そんなお前の声
もう聞き飽きたけど聞いてるんだ

薬を飲んでも効かない
僕の心は歪んで好きなものも愛せず
僕はまだまだ汚いままで
体はまだ小さくて何も言えない
心だけが大きくなっていく

心に押し潰されそうになりながらも
僕はずっと苦しんでるんだ
お前だって苦しんでるのは知ってるけど
助けたいけど
それとこれとは別問題なんだ

氷になればこの病気も簡単に治るかもしれないし
火になって僕が燃え尽きれば僕はいなくなるから
今までよりずっと楽かもね
でもそう簡単にお前のために命は捨てられない



そんなジレンマと戦う、午前零時

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戯言思考回路

描かなくちゃ
ぼくは描かなくちゃ
ぼくは詩を描かなくちゃ
今日も美しい詩を描かなくちゃ
美しい詩を描かなくちゃ
ぼくがいちばん楽しい
詩を描かなくちゃ

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またね、

花火越しに見た初恋の君
男の子じゃなくて男性になっていた貴方は
「久しぶりだね」と小さく笑った
この花火が終わったらまた会えなくなる
もう少し傍にいたい。
線香花火は容赦なくポトンと落ちた
「また来年の夏も会おう」
恋が始まる音と夏が終わる音が空に響いた。

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テレビがつまらないと言われるようになって久しい。これは単に予算だけの問題ではない。

 いまのメディアはテレビにしても動画にしても映画にしてもコンセプチュアルだ。だがおもしろくない。いや、まあまあおもしろいことはおもしろいのだが、規制、自粛のせいでカタルシスがないのだ。つまりすっきりしない。もちろん意図的にもやもやを残し、次につなげようとしているというのもあるのだろう。モヤモヤなんとかいう番組が何年も続く理由がよくわかる。あれはカタルシスがない、前戯だけでできているものなのだ。もっとも配信のほうでカタルシスを作り始めたようだが。
 一方で過激なアトラクション、アブノーマルな風俗は増加している。感情の解放を寸止めにされている社会のひずみの表出であろう。
 自分を出すことがタブーになっている社会だからこそ感情を素直に出し合える関係が重要になってくるわけだが、そうした関係性を築ける幸運に恵まれる人はそうはいない、と、カタルシスのないままこの文章は終わる。

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Last Light

眩しい人間から目を背けるため
暗い部屋で悪夢を見る
皆の疲労のような雨が降る頃に
暗い顔で僕は目覚める

人生の付き物を忘れても
何度もぶつかってくる
もう明日に会いたくないから
薬で永遠に眠ろうかな

目に咲く花が色褪せる病気(ぼく)
誰にも残らず消えていきたい
朝を迎えると夜が来る病気(ぼく)
いつ起きても空の星を見たい


僕が休んでいる時に電話が鳴り
見えない母が頭を下げ
大人たちの偏見で話を終わらせ
僕を外へ連れて行く

同じ思いを集めたものは
世界の正義で僕は違う
明日も変わらない僕はもう
人間の熱さに気付けない

目に咲く花が色褪せる病気(ぼく)
誰も残さず消えていきたい
朝の空に夜の月が昇る病気(ぼく)
今日を仕上げる僕を隠したい


時が過ぎて朝が来るのはもう嫌だ
どうして太陽と月は並ばないの?