「避けてる?僕が?瑛瑠さんを?」
「はい。」
見事な鸚鵡返しと重ねクエスチョンに一言で返す瑛瑠。
そして、少し考える素振りを見せた望は、華麗に瑛瑠の質問をスルーした。
「放課後、図書室に行くの?」
誰かさんにも似たようなことをされたなあと思いつつ、今日は行くつもりはなかったです,と律儀に答える。
「ちょっと寄れない?僕、瑛瑠さんと話したいことがあるんだ。」
雰囲気が変わった気がするのは、気のせいだろうか。
「わかりました。放課後、図書室、ですね。」
そこで、瑛瑠の質問に答えてくれるということだろう。
「瑛瑠さん、」
会話を終わらせようとしていたのを引き留めるように望は続ける。
「さっきの。避けているように感じたのなら、たぶんそうなんだと思う。
嫌な気持ちにさせていたらごめんね。でも、瑛瑠さんが何かしたとかじゃないから。」
正直、これだけ聞ければ十分だ。
胸を撫で下ろし微笑む。
「はい。図書室で、ちゃんとお聞きしますね。約束、です。」
すると望は、困ったような悲しいような、それでも少し嬉しそうに、
「うん、約束。」
そう返した。
こころからのアリガトウを
あと何回言えたら幸せか
時は止まらず
僕にも数え切れる程のアリガトウしか
もう告げることはできない
避けられない別れの日が
近づいていると知っていても
認められはしなくて
こんなにも美しいものがある世界は
僕の言うことを聞いてくれない
脳髄をゆさぶるほどの
恋をしたい
心臓をえぐり取られるほどの
愛がほしい
私の中にある
肺やら膵臓やら肝臓やら横隔膜
その全てで感じたいの
ああ
君は来ないのか
そう思いながら夜空を見上げる
今夜は舞踏会。
周りの女は着飾って、男に媚売る
前君にあった時は
でも君は静かに一人こうやって星を見ていた
その時は僕の鼓動が早くなった気がした
星々輝く夜空から
町に目を向けると
一台走って来る馬車がいる
城の前に止まり君が降りてくる
そして君は僕を見て微笑む
「遅くなって御免なさい」
単発的な言葉の中に どれだけの君を見つけたらいい
顔文字も絵文字も「!」もない かくれんぼ
今夜、感情を纏って踊る
月が満ち欠けするこの世で
君の泪はなにものよりも綺麗なのかもしれない
瞳に映るもの全てが
嘘か真かはもうどうでも良いんだ
頬をつたう其れが
夜風に吹かれて乾く頃には
とうめいになって
こころはなにかで空っぽになって
なにかですぐいっぱいになる
単純で複雑な
無限で有限な
愚昧で聡明な
どっちつかずな君に見惚れる
おかしい。おかしいといったらおかしい。
瑛瑠はお昼前最後の授業を受けながら、授業内容とは全く違うことを考えていた。二日の授業遅れはどうにかなると判断したこともある。それ以上に、集中できないほど気になってしまうことがあった。
長谷川望。彼は、朝の授業以来言葉を交わしていない。後ろを一度も振り返ってこないのだ。こうも急に避けられるような態度をとられてしまったので、悶々としていた瑛瑠。
終業を告げるチャイムと共に、望の背をつつく。瑛瑠から話しかけるのは初めてかもしれなかった。
振り返る望は、変わったところは見受けられない。つまりはいつも通り。
「瑛瑠さんから話しかけてくるなんて珍しいね、どうかした?」
「あの、私、長谷川さんに何かしましたか?」
周りではクラスメートが動き始める。やっと来たお弁当の時間。瑛瑠はその前に確認したかった。
ガタガタと机を移動させる音を横で聞きながら尋ねる。
「長谷川さん、私のこと避けてますか?それって、私が何かしたから?」
理由もなく避けられるのは、辛い。
目の色が弱くなっていることに、自分では気付いてはいない瑛瑠。
一方の望といえば、思ってもみなかった、そんな言葉が聞こえそうなほど目を丸くしていて。
君が好きだった
ふわふわと舞うあの空の雲
空にハート型の雲が浮かんだって
私の恋は叶わないのだ
そんなこと分かりきっていたはずなのに
雲が浮かばなくなっていく感覚に
身を委ねる
それは空に触ることと同義だったのだ
ただ、ひとこと
好きだ
って伝えたかった
誰にも聞こえることのない
高くなってしまった秋の空
響くのは一人の少女の悲痛な涙
雨にもなり切れない
あまりにも残酷な 夏の終わり
ポエムじゃない書き込みで申し訳ないけど、ここにいる期間の方が長いので報告です。
今まで好きだった人を諦めることにしました。本当に好きだったんだけど、気持ちがついてこなかった。何もしてないのにTwitterブロックされちゃったりして、落ち込んでたのもあります。
応援してくれてありがとうね!!
あなたの前なら素直な自分でいられるのかな
あなたの服の裾掴んだ
あなたが離れていきそうで怖いの
あなたは私がどれだけ思っているか知らないものね
目指していたものが何なのか正体がはっきりしてしまった
奢り切っていたあの日も今の自分もずいぶんと小さく見えた
正反対と思っていた方向が本当の進むべき方向で
この旅は私が私に戻るための旅だった