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本当の友達

本当の友達とは、

喧嘩しないのではなく、

喧嘩して謝るのでもなく、

喧嘩しても相手を互いに肯定し続けられる仲間の事。


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腐る前に

もし君が、存外怒っていて、
何か物に当たりたくなったら。
君の胸に埋まっている心を無造作に引きちぎって、
その心を僕の方に思いっきり投げてくれ。
遠慮はいらない。思うままにでいい。
僕はそれをきっと大切に受け止めて、
もう一度、君に繋ぎ合わせて見せよう。
だから、いつまでも放っておいて
腐らせるような真似、するんじゃあないぞ。

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湿度0%

何にもないよ
そういって君は笑ったまま
大丈夫だよ
そうやって君はまた笑う

いつも気づいてたよ
君がいつも笑顔だったことに
いつから気づいたかな
君はいつも笑っていなかったことに

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はい。

いかがでしたでしょうか?実はこれ、ある人の短編の書き方を少し真似てみたんですが...。誰かわかる方いますかね。
それではまたお会いしましょう。メメントでした。

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女心と秋の空[4]

 すっかり落ち込んだ雰囲気になってしまったダイニング。このままではまずい、そう思ったケンジは、奥の手を出すことにした。
「ナナ、ごめん。忘れてた訳じゃないんだ」
「......」
「ほら、今日帰りがけに九天堂のプリン買ってきたからさ」
「ホント?!」
 ナナミはうつむいていた顔を突然ガバッと上げた。思わず仰け反る。
 女心は変わりやすいもんだ。記念日を祝うには一ヵ月は短すぎる、と言ったが、これだけの感情の「変化」があれば、実はそう短いもんではないのかもしれない。少なくとも、彼女にとっては。
 満面の笑みでプリンをぱくつくナナミを見ながら、ケンジはそんなことを考えるのだった。

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女心と秋の空[3]

「ねえ、ケンくん?」
 食べ始めてしばらくした頃、ふとナナミが食べる手を止めた。いつもと同じ笑顔だが、どこかほんの少し翳りが見える。
 ケンジは慌てて脂の多い唐揚げをビールと一緒に飲み込んだ。
「っん、どうした?」
「どうしたって...。何か、ないの...?」
 上目づかいで訊ねられると参る。何かないの?とはどういう意味だ?あ、そうか、やはり髪のことを何か言った方が良かったのか?いや、しかし今まで何も言わなくとも気にも留めていなかった。別の何かだろうか?...思い当たらない。やはり髪のことか?
「ああ、その髪、似合ってるよ」
「違う、違うのそうじゃなくて忘れたの?」
 やはり違ったか。では何だ?本当に思い当たる節がない。まさかメイクを変えたとか...?いや、ナナミはいつもと同じだ。
 忘れたの?と言ったな...。何か忘れているか...?いやしかしそんなはずは「今日は一緒に暮らし始めて一ヵ月でしょ」そう、暮らし始めて...ってそこ?!
「そんなことも忘れちゃうなんて...。ケンくんは私のことなんてどうでもいいんだ......」
 いや、そんなこと、って言うなら責めないでくれよ...。
 一度だけ彼女のスケジュール帳を見たことがあるが、そこには所狭しといくつもの「記念日」が記されてあった。ケンジが知っているものから知らないもの、果ては彼女にすら関係のないものまで(レジにたまたまきたお客さんの結婚記念日とか)。
 よほど記念日を気にかけるタイプなんだろうと思っていたがまさかこれほどとはな...。さすがに一ヵ月は祝うには短すぎないか?ケンジは驚きを通り越して呆れてしまった。


 初心忘るべからず、という言葉がある。はじめの頃の情熱を忘れるな、とか未熟さがあったことを覚えろ、とか様々な意味合いがあるが、一貫して同じなのは、その当時と今とでは、大小はあれど、必ず変化が生じている、ということだ。
 記念日というのは、そういう変化に気づき、忘れないためのもんなんだろうと思う。今までこんなことがあったから、これからもこうしよう、これからはああしよう等と考える機会が必要なのだ。

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女心と秋の空[2]

「ケンくん?」
「ん?どした?」
 ナナミに呼ばれて振り返る。ただひとつの点を除いて、いつもと同じ彼女がこちらに微笑みかけている。
 髪が短くなっていた。昨日までは胸の辺りまで合ったのが、今では顎のラインまでバッサリとなくなっている。
 そうか。"今日はちょっぴり遅くなる"って言ってたのはこれか。
「唐揚げ、どのお皿で出す?」
「うーん、じゃあその黄色い縁のヤツ」
「えっと、コレ?」
「それそれ」
 ナナミは最近髪型に凝り始めた。あるときはお団子にしてみたり、またあるときは三つ編み、はたまたツインテールやワンレングス...。
 ナナミが髪型を変える度に、「髪型変えた?」「かわいいね」「似合ってるよ」等と声をかけ、彼女も嬉しそうにしていたが、六回目を越すと、もう何も言わなくなった。ナナミの髪型がコロコロと変わるのは、もうすでに日常茶飯事だった。がしかし...
(こんなに切ったのなら、言ってやった方が良いのか...?)
 そんなことを考えながら、二人一緒に食卓につく。
「いっただっきまーす「いただきます」」
 手を合わせたあと、ケンジは缶ビールのプルタブを引いた。カシュッと小気味の良い音が口角を吊り上げる。
「ナナも飲む?」
「あ、もらうー」
 自分のを注いだあと、ナナミのグラスにもビールを注いでやる。やはり炒め物にはビールだな。昼飯をあまり食べていなかったこともあって、どんどん箸が進む。


「ねえ、ケンくん?」