愛なんて。
初めはあんなに好きだったのに。
愛なんて。
今じゃクソ野郎。
愛なんて。
一人に注がれるものじゃないらしい。
愛なんて。
賞味期限付きだと
君が教えてくれたから
愛なんて。
くそ喰らえ。
哀愁漂う季節の初っぱな、
哀しみも愁いも吹っ飛ばした秋風。
その風と共に君登場。
粋な風が、君をいとおしく思わせる。
物質が消滅しないと云うのなら、
感情も消え去らないと云うの?
俺の中から旅立った感情は、
乾燥した風に乗って、誰のものになるの?
そんな思いなんてきっと知らずに、
君はコンビニおむすびを頬張る。
そんな仕草がいとおしくて、
秋も悪くねぇかな
秋風に舞う君の黒髪。
この季節にはひどく不釣り合いで、
そのくせどうしようもなくいとおしい。
ありがとう、そっと呟く。
いとおしさを連れてきた風に、
哀愁を乗せて去って行った秋風に。
自分のことは、話さない。
人には話させて。
自分のことは、認めない。
人のことは丸ばつはっきりさせるけど。
自分のことは、見せない。
人のことは見てるけど。
一生、こうやって大事なことは
何一つ言えず、
伝えたいことは
何一つ伝わらず、
拠り所も寄り添うことも
不器用を言い訳に
独りで生きていくんだろうね。
泣きたい夜と
笑えない昼の
真ん中で。
私の笑顔も
君の笑顔も
偽物なんだよ
私は繕う笑い顔
君は裏切る笑顔
私の心を踏み荒らして
たのしいの?
偽物も信じてみたくなっちゃうのが人なら
私はちゃんと人だね
君を嫌いたくないんだ
信じるのは無駄ですか?
今日は まんまるのお月様が見える日よ。
そう教えられたあの頃から
もう数年の月日が経った
僕の心はまんまるのお月様のように
綺麗に光って満たされているはず
それなのにどこか満ち足りないのはなぜだろう
ありのままの自分を認められず
太陽がなければ自分が輝けない
その寂しさに触れたからかな
自分が嫌になっていた。
でも、今ならいけるかも。
雲隠れしたって
太陽がなければ生きていけないから
お前は光ではないと言われても
クオーターの傷が何個もできても
しゃんと今日も夜空に浮かんで
神秘的な光をもたらす月のように
私も前を向いて
誰かを輝かせる影でありたい
太陽を輝かせる影でありたい
そう、中秋の名月に祈るのです
人と会う約束が苦手
約束の日にちを決めるのが苦手
何日がいい?いつ空いてる?が苦手
約束の日が近づくにつれてじわじわ嫌になる
いきたくないなあ
急な仕事、って嘘も
学会が入った、って嘘も
もうバレてるんだろうけど、ごめんね
行きたくない
でも、再来月は本当に学会なんだよ
これは本当だよ
金木犀が香りだす
また貴方の右手が恋しくなる
いつもカサカサに乾燥してて あたたかい
その熱を忘れたくない なんて思っていたら
いつまでも いつまでも私の中に残っている
困ったな
いつまでも
貴方を忘れることができない
イヤホンから聞こえる調べは哀愁漂うものばかりで
柄でもなくノスタルジーってやつに浸って
いつからか
お腹なんかもう空かなくなったよ
けど 今日もあなたのいない世界で生きていかなきゃ いけないから
コンビニおにぎりの最後の一口を放り込んだ
あの影は何に見える?
うさぎが餅つきしているの!君はどう?
...メルヘンだね。
僕にはただのきれいな月にしか見えないよ
...ばかにしてない?
してないよ。
だって月が綺麗ってそういうことでしょ?
え?
直球勝負で言うしか無いみたいだね。
君が好きです。愛しています。
それは10年前の記念日。
君を見るのが最後になるなんて、
そのとき僕は思いもしなかった。
そちらからの月はどう見えてますか?
僕は相変わらずきれいな月にしか見えなくて。
ふと、涙で濡れた頬。
涙で滲んだ目に映る月に、
初めて、あの影が見えたような気がしたよ。
望はくすりと笑みを溢す。
「さっきより険しい顔になったね。
……急に言われても困るだろうなって思ったんだけど、止められなかった。」
頬を少しかく。
「どう想っているか知ってもらいたかっただけなんだ。だから、返事はいらない。むしろ、ここで返事を引き出してショックを受けたくないからね。」
保守的でしょ?攻撃型なのに,そう言って笑った。
望の目が真剣な色を帯びる。
「それ以上に、共有者として、仲間として、同士として、瑛瑠さんと信頼関係を築きたいんだ。」
「……それは、私もです。」
それがひとつの終止符となる。風の優しい音を共に聴きながら、ふたりは特に何を話すわけでもなく歩いた。
そして、T字路に出る。
出来たらでいいから
そばにいて。
出来たらでいいから
僕と話をして。
出来たらでいいから
手を繋いで。
出来たらでいいから
君の時間、僕に頂戴。
出来たらでいいから。
出来たらでいいから。
出来たらでいいから。
僕なんかで良ければ愛して。
出来たらでいいからさ。
一体何を待っているの?
ひとすじの落雷
完璧な夜
全てが正しくなる日
こんなところでずっと何を待っているの?
奇跡が転がり落ちるとき
空からお告げが降りてくる
そんな頂を見ながら
愚図っと立ち尽くしてるだけで
一体何を待っているの
何を目指しているの
何を備えているの
恐怖なんていらないでしょう
思い通りに生きたいでしょう
もう二度と立ち止まらず
走り出してみなよ
間違いを犯すのは怖くないって
もう待たなくて良いんだって
その背中を蹴飛ばしてあげるからさ
だから教えてよ
こんなところでずっと何を待っているの
空気は乾燥してるし毎日嫌なことばっかだしまわりは嫌な奴ばっかだし田舎だし学校遠くて通うのめんどくさいしでもお母さんうるさいからしぶしぶ唇の皮を歯でむきながらほら、ぷぷぷって歯の先でむいた皮吐き出しながらとぼとぼ歩いてたら汽車来てたからでっかい胸揺らしながらホームに向かって階段ダッシュしてわたしの胸はお母さんゆずりの巨乳でずっとコンプレックスで高校卒業したら東京で絶対小さくする手術するんだって三年前から強迫的に浮かんでくる観念にまた頭支配されちゃってわーってなっちゃってホームにうずくまってたらトレンチコートに肩かけ鞄、ハット姿の哀愁漂わせた初老の紳士が大丈夫ですかって声かけてきてうつむいたまま大丈夫ですって言ったら、「そんなに世のなか素晴らしい人いますか? あなたはまわりにばかり求めているようですがあなたは素晴らしい人に見合うだけの人なのでしょうか。まあそんなことはいい。あなたを傷つけてくるような人はあなたより劣った人なのです。そんな人に出会ったとき、わたしだったらほっとします。自分の劣等感を刺激されずにすみますからね」なんてぬかしやがる。
何言ってんだこのじじいって思ってからもう帰ろって思ってとりあえずベンチに座って呼吸ととのえてたらじじい、肩かけ鞄からコンビニのおむすび出してきて、「朝ごはん、食べてますか? 朝食べないから貧血起こすんですよ」って。うつむいてたけど絶対にやにやしてやがるのはわかった。
むかついたわたしはおむすび(沖縄塩)引ったくって貪り食って顔を上げたら地元の観光協会の作った稲荷大明神のオブジェ。
田舎は変化しない。老化するだけだ。塩おむすびび色の雪がまた今年も。けっ、死ねよ。どうせなら稲荷寿司よこせ。
不気味なほどすがすがしいこんな朝に
きみが死ぬことについて考えていた
もう秋だね、もう冬だね、
あたらしい季節にいのちがめぐって
きみはまたひとつ、重力を
羽に変えようとする
そういうところがとても嫌いです
ぼくがぼくでいなくちゃならない
理由をさがす理由が見当たらない
迷子は詩人になりたがって
大切なひとを大切にする方法がわからない
空想のなかで百回きみが死んでも
世界の終わりにながす涙はきっと
きみのかたちをしている
「君が好き」
伝える為に何回も解き直した二次関数。
切片も傾きもXの僕も、
何回も確認して値は合っている
…はずなのに
Yの君はいつも違う数値。
確かめ算だって、グラフの見直しだって、
嫌という程しているのに
Yだけが思った数値と違う
ねえ、教えてよ。
Y(君)は、どこにいるの?