あなたが淋しくならないように
あなたが悲しくならないように
あなたが笑っていられるように
あなたが幸せって思えるように
あなたのために、
僕には何ができるかな
僕はいつも君に依存してる
君が誰であろうと依存してる
「僕と君」の物語は
いつも振られて終わっている
なんでああしてないんだろ
なんでこうしてないんだろ
そう思ってたら夜が来た
君は誰といるのだろう
ほかの人と2人でなんていちゃだめだよ
君には僕しかいないんだよ
僕がそう思ってるだけだけど
悲しくなるくらいに依存してる
笑えてくるぐらいに依存してる
依存する人が変わって気づくんだ
前の人なんて所詮その程度
割り切って考えられなかった自分が馬鹿だ
夕方になって思うだろう
君はほかの人と一緒にいるのかな
もっと勉強してればよかったな
心からそう思うんだよ
もし君が何かの理由で
命を落としてしまったとしたら
僕もこの世界から消えてしまうよ
君とおんなじところに行くよ
なんて考えてしまうな
依存してるな、悲しいな
振られたわけでもないのに
付き合ってるわけでもないのに
何故かほかの人といるだけで
心苦しくなるんだよ
でもね、依存してその程度って思って終わりが
いつもの僕の物語
でもその程度って思えない人がいるよ
そいつこそが答えだと知ったよ
今度は依存しないといいな
「あ! ちょっと…」
「待て待てここで行くのかよ⁈」
わたしとネロは思わず目をパチクリさせた。
「だってさー、アタシもアタシで用事あるし…それにさ、もうキミ達だけでも十分仲良くできるでしょう?」
セレンさんは振り向きざまにそう言う。
「え、でもまだ…」
「いや、ぶっちゃけこいつと一緒は嫌なんだけど…」
「うーん…」
その言葉にわたしやネロは茫然とし、耀平はちょっと苦笑いした。
「それじゃ、また!」
そう言って彼女はまた駅の方へと歩き出した。
「これでいいのか…」
師郎はぽつっと呟いた。そして相も変わらず黎は、黙って駅の方を見つめていた。
「いや、あんま良くねーよ」
さっきの師郎の呟きに、ネロがスパッとツッコミを入れる。
「そうだね…」
わたしは無意識のうちにそう彼らに言っていた。
わたし達は、じゃあねと言わんばかりにこちらに大きく手を振りながら去って行くセレンさんの後ろ姿を、ただボンヤリと見ていた。
〈3.セイレーン おわり〉
星のないよるに
あなたの声を
わたしが受けとって
きれいな色をした
わたしとあなたのあたらしい思い出が
よぞらに浮かんで
ひかって消えました
最近ネガティブになりがち
キャパオーバーしそう
いろいろ考えすぎちゃうし
もっと楽に考えれたらな
どんどん悪い方へいってしまう
もう少し耐えたらよくなるかな
母校へ行った。訳あって
そこに昔の私がいなくて
今の私の居場所もなかったこと、
本当によかった。
来客用下駄箱、現役中学生挨拶明朗、我不知先生多数……
あの日々で唯一の駆込寺だった図書室も、棚の配置や本の種類も変わって
BGMだって流れていて、ほとんど別の場所!
足元の棚に、中村航の『星に願いを、月に祈りを』を見つけた。
平成24年の判子、私がリクエストした本。
そこにだけ、私はいた。
今つらいと思うし、これからだってつらいけど、安心してね
手をあわせる。記憶の底にしまってきた場所にだって、夢のためなら電話してスーツなんか着てちゃんと訪問できるようになったんだよ
すごいでしょ
きみってすごいんだよ
傷つくくらいなら
想い出なんかいらない
あの時とは違う
あなたの目
忘れられたのか、幻だったのか
ベルガモットに加えて、レモンとオレンジの香りが部屋に広がる。その原因の隣には、金塊に似た小さな台形。つかの間のティータイムである。
「チャールズの淹れてくれたお茶を飲むのって、なんだか久しぶりじゃないかな。」
ほっと息をつくと、瑛瑠はそんなことを言う。
チャールズも白いカップを手にして、相槌を打った。
「最近はプロのところへばかり行ってしまって、舌が肥えてしまっていますからね。あまり淹れたくないのです。」
そう言って微笑う。
確かに最近は『Dandelion』を筆頭に、カフェに通っていた節がある。
「安心して。チャールズは十分お茶淹れのプロだから。」
若干放り投げるように言う。
チャールズは面白そうに笑う。
「言いますね、お嬢さま。」
「口の達者な付き人がすぐ傍にいるもので。」
小さくフィナンシェを頬張ると、優しい甘さが、柔らかく口に広がった。
そして、ほのかに残っていたレディグレイの香りが、ふんわりとした焼き菓子に、優しい風味をまとわせたのだった。
青く光るイマは
気づくのもきっと後だけど
私に映るイマは
青に混じった黒が
とても綺麗で汚い
鬼気迫る鬼ごっこ
嬉嬉として追い詰める足音に
聞き耳を立てるかくれんぼ
奇々怪々の危機のなか
利き手のなかの百円硬貨に
危機の回避を庶幾う
いつも夢ごこち。
夢から覚めようとも
覚めきれない私とあなた。
このままずっと夢の中に
いよう。あなたと共に。
いつか。そう。
そのいつかがきたら一緒に
行こう。
「おはよう!我が友よ!」
「 」
「おや?今日は一段と元気がないなぁ。一体、どうしたんだい?」
「 」
「そうか…それは残念だったな…よし!今日は特別にプリンをおごってやろう!とびきり美味しいやつをな!」
「 」
「いやいや、断じてプッ○ンプリンではないぞっ!とびきり美味しいプリンだ。」
「 」
「ほんとだぞ!嘘はつかん!」
「 」
「君の笑顔が見られるなら、なんだってするさ!」
「 」
「…いや、それはちょっと遠慮しておこう…。」
「チャチャさん、一体何をしたんです?」
オータローがチャチャに尋ねた。
「ああ、虫かごだよ。『生き物にぶつけることでその生き物を中に閉じ込める』能力」
「へえ……。つまりモンスターb」
「止めろ」
キタとラモスは下らないことを話している。
話は戻って、無事通り魔を捕えた彼らであった。が、これをどうしたものかと悩んでいたところ、リータが口を開いた。
「ねえチャチャさん」
「ん、何?」
「その中に私も入れませんか?」
「ああ…うん、行けるけど」
「じゃあお願いします」
「うん、けど一体何をするんだい?」
「お気になさらず」
そう言ってリータは虫かごの中に入っていってしまった。
それから五分後。
「ただいま戻りましたー」
リータが突然戻って来た。
「おお、お帰り……って、通り魔すごいことなってるけど大丈夫!?」
通り魔、放心状態でぐったりしている。
「何かすごいビクンビクン痙攣してんぞ!」
「ああ、大丈夫です。あのくらいじゃ死にませんよ。で、彼女についてですが」
「え、ちょっと待て」
これはラモス。
「そいつ女なのか?」
「はい。?」
「え、何、お前気付かなかったの?」
キタが煽る。
「彼女について、話を続けますよ」
リータ、構わず話し続ける。
「名前は神子元那由多。14歳。中学2年生。能力は『グラスホッパー物語』。『刃物で生物を斬るとき、代わりにその生物の抱えている嫌な記憶を切り離す』というものだそうです」
「なるほど。それで『慈善事業』か」
オータローが納得したように言う。
「……一つ良い?」
「何でしょうチャチャさん?」
「そいつに何したの?それだけが気になる」
「ああ、それは、………やっぱり内緒です」
「え…。すごい気になる。キタさん、可視化」
「オーケー!」
チャチャはキタに可視化を命じた。
「うんうん……えっ……へぇ………はぁ〜〜、おぉ、フフフ」
「え、何か分かったんですか」
「えー……。僕から言うことは何も無いよ」
(何やったんだ一体………)
オータロー、ラモス、マホ、チャチャの考えが見事にシンクロした。
「何はともあれ!これでこの子も仲間です!めでたしめでたし!」
斬って切る人 終わり