彼女はおしゃべりで社交的だから、そこまでおかしいことではない。
最初はそう考えた。しかし―
「不見崎(みずさき)さーん、次何の授業だっけ~?」
「あ! 一緒に理科室行こー」
「ねぇ、まじ眠くない…?」
どうしてだか、その後も彼女からの接触は続いた。
話しかけられてつい疑問に思うのは、彼女の話しかけ方がどこかあからさまに理由があるような気がすることだった。
彼女の席の周りには、わたしだけではなく彼女の友達が何人かいるのに…なぜわたしに?
理由なんか分からない。いや、そもそも聞く勇気すらない。
ただ、何かありそうな気がしていた。
まぁ、ある程度の理由をもってわたしに関わってきた人がいるから、そのせいで疑心暗鬼になっているだけかもしれないけど。
でも、わたしにこんなに話しかけてくるのは笛吹さんだけで、彼女の取り巻き達は何もしてこないから、彼女は自分の意志でこんなことをしているのだろう。
むしろ、彼女の取り巻き達は、わたしが笛吹さんと一緒にいると若干冷ややかな視線を送ってくるので、彼女らは、わたしのことはどうでもいい、というかなぜ亜理那と一緒にいる?、と思っていることは確かだった。
時雨視点
「ねえ、あんたら誰?」
私が言い放った言葉は宙に浮いてる三人に届いているのだろうか。空いた窓の外に宙に人間ではない三人がいる。
「誰って聞かれると困るよね〜」
額にお札を貼ったキョンシーと思われる奴が喋った。
「まあ、異界の住人ってところでしょうね。」
そう吸血鬼が言うと、ゾンビが
「訳あって、君の仲間たちをこっちの世界に引きずりこまなきゃいけないんだ。」
と言った。
冗談ではないらしい。
「という訳で大人しく引きずりこまれてください。」
「無理に決まってる。」
「だよね〜」
刀を抜いて斬りかかろうとすると、
「やめとけ、時雨ちゃん。」
聞き慣れた声に止められた。
「チッ」
ゾンビと思われる奴の舌打ちが聞こえた。
「何で戦おうとしてるって分かったの?」
「長年の付き合いですからね(笑)」
そう結月は笑った。
「それにしても本気だね、時雨ちゃん。」
「そりゃ、みんなのためだからね。」
「時雨ちゃんが、君が、一人が、誰かが、抱える必要ないよ。」
「でも、私のせいで、みんなに迷惑かけてるじゃん!」
「私達は迷惑かけられる前提で貴方の隣にいるんですよ。」
「いくらでも、迷惑掛けてください。」
後から二人が言ってくれた。
「「「いくらでも付き合ってやるよ
そのわがままに。」」」
私は最高の仲間、いや、家族を持ったらしい。
【続く】
苦しいのです。
息ができないことが。
声を出せないことが。
大丈夫?と言ってもらうことが。
迷惑なんじゃないか、そう思ってしまって。
彼はいつも
明るくて
ポジティブで
へらへら笑って
おしゃべりで
なんでも器用にこなして
めんどくさいことはするっとかわして
とにかくよくできたひとなんだ
でも
だから
誰も彼の本心が
みえない
わからない
募るプリント
どんどんあつくなっていく
整理したくてももう、出遅れ
自分でどうしようもなくなって
結局まるごと捨ててしまう
次は長く続け。
ポエムって言葉
あんまり好きじゃない
わたしが出すのは
そんな立派もんじゃないし
カタカナにするほどかっこよくもない
あの教室は、みんなは僕の日常だった
すごく疲れた日、ひどく傷ついた日、すごく嬉しかった日...
いつだってみんなは僕を待っていてくれた
あの地震の時だって、あの教室に入って、みんなを一目見ただけで、
「あぁ日常に戻ってきたんだ」って、心の底からそう思えて
卒業...そして解散...
とてもつらいけれど、みんなとは離れたくはないけれど、
僕は笑顔であの子達を送り出そうと思う
僕に青春をありがとう、大好きだよみんな
もう君とは会えないんだね
「さようなら」
は直接言いたかったよ
それでも僕は君の幸せを祈っている
彼女はとても強かった。
彼女はひとりだった。
彼女は不思議だった。
消せない 誰にも見えない
傷があったとしても。
彼女は優しかった。
彼女はクールだった。
彼女は温かった。
まるで 何かを隠す様に。
彼女は突然現れた。
彼女は美しかった。
彼女は、彼女は、
いつだって
傷つきながらも 強く
生きていた。
今も、昔も。
安芸 華世(リータ)
高校一年生のぽやんとした少女。背丈は145くらい。どうやら周りに人が集まって来る星の下に産まれたらしく、主人公以上に人徳があり周りに人が集まって来る。加えてあのチート能力。もしかしたら彼女が真の主人公なのかも…いやそんな馬鹿な。疑うということを知らないので、能力との相性がとても良い。
能力 メトロポリタン美術館
出来ると信じたことはどんなことでも出来る。少しでも疑う心があると発動しない。
作者のコメント
読み方は「あき はなよ」。もういっそキャラ名地名に由来させようかな。ところで一体通り魔ちゃんに何したの?
萩 美帆(マホ)
リータと同い年。生まれつきの障害で話すことができない。そのため能力との相性がすごい。
能力 少年と魔法のロボット
対象1名への一方通行のテレパシー。射程距離は50m。間に動物が入ると妨害されて少し短くなるが、植物だと枝葉や根を伝って若干伸びる。
作者のコメント
読み方は「はぎ みほ」。なんと本名とあだ名がニアミス。
伏見 清次(チャチャ)
21歳。大学二年生。……ああそうだよ浪人したんだよ一浪だよ何か文句あっか!身長は180くらいある。いつもコートを着てフードをかぶっている。コートには細工がしてあっていろいろ入ってる。
能力 おもちゃのチャチャチャ
道具を媒体にして様々な現象を起こす。どんな能力になるかは触れた瞬間分かる。
作者のコメント
読み方は「ふしみ せいじ」。名前の由来は観阿弥だったりする。作中で二番目に強いと思います。外見不審者。あと、苦労人というか常識人。
神子元 那由多
14歳。中2。一人称は「ボク」。背はかなり低くて131か2くらい。割と良い子。あだ名は無い。あの後リータに懐いたらしい。
能力 グラスホッパー物語
刃物で生物を斬ったとき、ダメージを与えず代わりにその生物の持つ嫌な記憶を切り離す。副次的な能力として対象の持つ嫌な記憶を見ることができる。
作者のコメント
読み方は「みこもと なゆた」。地図帳で見かけた「神子元島」が由来。ホントに何をされたのかねー?作者も知らないのだよ。
いつだったっけ
君と2人であの星を見たのは。
届きそうで届かない。 けど
いろあせない一瞬の光だった。
それは それは きれいで仕方がなかった。
絶対に忘れはしない。何があろうとも。
君のその笑顔、その横顔、唇、すべてが
愛おしいよ。
思い出はフィルターのようだ。
吐きそうで
泣きそうで
死にそうで
だけど
吐けないし
泣けないし
死ねないし
恐怖に混じった希望が
私の決意を揺るがすの
どうにかなればいい
僕の目の前には、ビー玉が埋まっている。
とても綺麗だ。
僕はそれを取り出し、じっくりと観察する。
見た目はツルツルしてそうだったのに、
触ってみるとプニプニしていて、
ビー玉というよりゴムボールだ。
僕はその弾力が面白くて、
何回も繰り返す。
そうしていると、
だんだんその玉が光を失っていった。
「あぁ~あ、つまんないのっ」
僕がそのゴムボールを投げ捨てると、
それは僕の予想を裏切り、
跳ねることなく、床に当たった瞬間に潰れた。
……そうしてまた、
僕は新しいビー玉を探しに出かける……。
~終~
転んだって傷ついたって立ち上がる。自分の大切なものを守るために
何も力がないのにどうしろって言うんだ?自分はこれからも弱虫としていきていく。
悔しくないか?しょうがないだろ。つよくなりたいか?わからない。だけれども胸が痛い。
体が動かないんだ。誰かが泣いていても、俺は助けられない。
手を差し伸べるだけなのに、それだけでいいのに俺はできなかった。
心から叫ぶんだ。勇気を出すんだ。同じことを繰り返さない。絶対に。
力がなくても、命がなくなっても、必ず守るんだ!必ず救うんだ!
「付き人さん、物知りだね……。」
「ですよね。どこから仕入れてくるんだか。」
瑛瑠がどこかで見た、少女が必死になっていた鋭いもの。それが、かんざしという名前の髪飾りであったことを伝える。それも、平かんざしという種類のもの。
「持ってたかなー……遠目だったし、そのかんざしに関しては完全に私の頭からすっぽり抜けていたから、確かなこと言えないや。ごめんね。」
申し訳なさそうにする歌名は正直の権化である。
「それも含めて今週末だな。偶然にでも、その少女に会うことができればいいが……。」
「とりあえず、霧がその神社を見てみなきゃだね。何か感じ取ってくれれば、関係の有無はわかる。」
望の言葉に、英人は若干顔を歪めた。