社会不適合者の僕は
つらつら歌を重ねてく
たった一人でも寂しくないよ
大嘘つきさん、さようなら
もう恋なんてしないから
あなたのことわすれさせてよ
すきだよ、なんてつぶやいた言葉は
あまつぶと一緒に地面にたたきつけられた
ありがと、なんていえるほど大人になれないから
目が合うことが二度とないようにしよう
そう決めたあの日は今日のまま
私はきっとまだこどものまま
「…せっかくだから、友達になりましょ?」
「え、は、え、え⁈」
突然の発言に、わたしは状況を全く理解できなかった。
「…どういうこと?」
訝しげに尋ねると、彼女は明るく笑って答えた。
「今言った通りだよ。お友達になろう! ただそれだけ」
「いや全然意味分かんないんだけど⁈」
大混乱するわたしを気にせず、笛吹さんは続ける。
「だからね、普通に友達になろうって… ずっと”興味”の対象で見てたけど、もう…こう、いっそ友達の方がいいかな~って」
「…はぁ」
イマイチ話の内容が頭に入らない。でも”興味”があるから友達になりたいとかじゃなくて…?
「とにかく! 友達になってもいい?」
笛吹さんはわたしにぐいっと近付いた。わたしはそんな彼女に押され気味だった。
「…ちょっと待って、”興味”とかそういうのがあるから、友達になろうとかじゃないの?」
あの4人―というかあの”彼”なんかはそうだったけれど、笛吹さんはどうなのだろうか?
君は零れた言葉の端を
舐めとるようにくりかえす
僕はそんなの気にもしないで
君の手を取り水を垂らす
冷たい手のひら 溶けてく氷
君が笑って 僕は黄昏
たった2行の奇妙な連なり
君は薔薇より美しいとか。
マイナーコードのフーガト短調
窓外舞う 鳥の影が冗長
冷たいほっぺた 触れた時に
君が嬉しそうに 肩をすくめた
シャツに零れたジュースのように
ベタつく蒸気 ふたり 浴びるように
くだけた夕空 夏のはじまり
僕ら笑って 零れてしまうんだ
私の体の細胞が雪の結晶に置き換わって空から降り注いだなら、それを綺麗とあなたは言ってくれるだろうか。
この世で生きていくための
オーディションに
不合格になっていれば
私は今ここに
いなかった。
1人になることもなかった。
「どんどん黒くなっていく自分が怖い」
と思いはじめたのは
いつからだったのだろうか。
地球が出来上がった頃だったろうか。
神は6日間で世界を完成させ
次の日、お休みになられた。
そんな
仕事の早い人間になりたかったなぁ。
赤色の彼岸花よりも
青色の薔薇の方が
美しいと思う、
ことができる目が、心が、
あればよかったなぁ。
君にとってはまな板の上の鯉だった?
それともわかった上の故意だった?
夜の匂いが濃い子犬
かかってこい的な目をしてる
溺れた恋のなか 僕は泳いだ 君は漕いだ
君のたてた水しぶきがかかって恋した
かかって恋 かかってこい うけてたつ
いくらボルテージを上げて
泣きたい気持ちに潜っても
朝方には朝日にサルベージ
浸りたいのよ浸りたいのよ
左を向いて右目のなみだを
左頬に流したいのよ私たち
ひたむきにつかいたいのよ
夜の時間を朝までの時間を
ゆめなんかみていられない
その腕二本を海に捨てて
世界から美の称号をせしめた彫像がある
実にその通り、美しいだろう
不安定とは
奇なるものは
酔狂なれど美しいものだ
失い、欠け
背骨までもを侵されながら
素数の足取りで崖を征け