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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 4.フェアリー ⑲

「いや、そういうのじゃないけど」
彼女はキョトンとした顔で答える。
「まぁそういうのもあるけどさ、なんかもうそれでもいいかな~って。ほら、結構仲良くなってるし」
…そうなのかな、とわたしは彼女から目をそらした。わたしはそうとは思わないんだけど…
―でも、それでもいいかもしれない。
普段は話し相手はほとんどいなくて、割と退屈してたから、別に悪くないかも。
まぁ笛吹さんの取り巻き達がどう思うか分からないけれど、時間が経てば大丈夫かもしれないし。
そう考えると―純粋に、彼女と”友達”になってもいいような気がした。
一応、彼女は普通の人じゃないから色々気を付けなきゃいけないけど。
「…別に、それでももいいよ、別に」
「…ほんと?」
彼女はキラキラした目でわたしの目を覗き込む。
「うん、まぁ、お友達で…」
そう答えると、彼女は嬉しそうに笑った。
「ほんと⁈ 嬉しい! じゃあ不見崎(みずさき)さん今から友達ね!!」
いつの間にか、笛吹さんはわたしの手を握っていた。

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あおあかきいろ

露天風呂のような心地よさ
さきからなかまで溶けてくようで

電話を取りあげるけど、
どうせ誰も出てくれない。

妹だってきっともう寝てるだろうし
焼酎の缶が台所に転がってて

手を伸ばすけど
どうせ誰も引き止めてくれない。

いいんだ。
だからもう
嘘でもいいから貴方が最後。

ごめんね。

………寝ようか。

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伝言。

机の上には真っ赤なりんご

1つ1つ文字を刻むから

そこを動かないでよ

今すぐに貴方を撃ち抜きたいから

今日の放課後、部活は休むね。

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さあ

久しぶりにリクエストさせてください!
お題は
しりとり
1行ずつしりとりになっているものを読みたいです。
私も前にやったのですが、結構難しかったです…
タグは
しりとりの詩
でお願いします!!

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世にも不思議な人々㉕ ハッピーバースデー

安芸「あれ、こんにちはチャチャさん。奇遇ですねこんなところで」
伏見「お、おう、お華さん、奇遇だね……」
安芸「こんな所で何をしてるのです?」
伏見「うっ、いや、それは……」
安芸「んー、具体的には、10代女子向けの雑貨店の前で何をしてたんですか?」
伏見「うあー、仕方無い。話してしまおう」
安芸「はい」
伏見「いやさ、君、もうすぐ誕生日じゃない」
安芸「はい、7月13日です」
伏見「そう、明日なんだよなぁ」
安芸「何故に知ってるのです?」
伏見「……キタさんに聞いた………」
安芸「あの人でしたか」
伏見「で、話を戻すけど。まあ折角だから君に何か贈答品でもくれてやろうと思ってね。けどどうにも君のような子の好みは分からなくって」
安芸「へえ。それはなんか、照れますね…」
伏見「ちょうど良いや。何か欲しいものを言ってくれないか?買ってあげるからさ」
安芸「良いんですか?ありがとうございます」

伏見「で、何が欲しい?」
安芸「んー………。あ、これ可愛い」
伏見「………操り人形?」
安芸「はい。この木目が浮いた、何も描いてないシンプルな顔がまた、素敵です」
伏見「へえ…(変わってるなあ)」
安芸「今の間は?」
伏見「いや、別に。じゃあこれで良いね?」
安芸「じゃあ、お願いします」

伏見「では改めて、ハッピーバースデー、安芸ちゃん。祝いの品を贈呈しよう」
安芸「はい、ありがとうございます」
伏見「この人形には僕の能力を込めたから、きっと役立つよ」
安芸「何ができるのです?」
伏見「まあ、発動しないに越したことは無いんだが、まあある種身代わりみたいなものだね」
安芸「ほう」
伏見「ああ、あとこれ」
安芸「これは…造花?」
伏見「うん。枯れない花なんて素敵だろう?造花って個人的に好きなんだ」
安芸「わあ素敵。ありがとうございます」
伏見「どういたしまして」
安芸「今日は色々と、本当にありがとうございました」
伏見「良いの良いの。気にしないで」

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ブチかませ、ド正論。

正しそうっていうだけで
結局数の暴力じゃないですか
世論とか世代とか時代とか風潮とか
みんなお気に入りを保存してくだけ
刺さって抜けなくなった棘
見たくないふりをしていたのね
ヘッドホン以外の音を聴きたくなくて
音漏れに傷つくひとを知らんぷり
だだ漏れ思考者の鈍感グランプリ
前世の予選を勝ち抜いて
今ここに立って語ってる
知らぬ存ぜぬを通さない
世間が許す勢論をド正論者は赦さない

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サイダーに溺れる

制服のシャツから
鎖骨がちらりと見えるような
前の席のこの髪の毛から
制汗剤の匂いが香るような

ジリジリと照らす太陽の下で
あなたとサイダーに溺れていきたい

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画家課の我虎

僕がいま舐めてる飴が柑橘系とか
君からしたらどうでもいいか
僕からしてもどうでもいいや
君のとなりだから味もよくわかんないし
僕が酸っぱくて君が甘いから
君とふたりでちょうどいい
僕らふたりでちょうどいい

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あのね、

好きになっちゃって、ごめんね。
気持ち悪いよね。
だけど、あなたに"好き"を伝えさせて。

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無題

「俺がやりました」
「私のせいなんです。すべて私が悪いのです!」
「この二名の証言が食い違っていて…」
「そうか。お前は下がっていなさい」
さてと、片方の容疑者を犯人に仕立て上げても良いのだが、いや駄目か。深呼吸して落ち着こう。

「んな馬鹿な!?どっちも犯人じゃない!?」
大声で言わんでも聞こえるよ。
苦虫を噛み潰したような顔の後輩。
そりゃあそうなるよな。で、犯人は誰なんだ?