ありがとうを伝えたくて。
君を誘った夏祭り。
花火の光に照らされる君の横顔があまりにも綺麗すぎて。
その先の感情が、うごいた。
…ますます人間のことがわからなくなった…
だいたいのものは美味しいんだ。食べなくても生きていける俺が言うんだから間違いない。(元々生きてないけど)
しかし、面々が揃って口にしている"たぴおか"とかいうやつ。
ぶよぶよしてて味がしない黒いあれ。
俺は口にしているやつに訊きたいよ。「それ、好きで食ってる?」って。
…俺の口には合わなかった。
やっぱ俺には人間のことは理解できる気がしないんだが?想像力の問題ではなく。
人間に想像力をもっとあげるから許してくれないかなぁ…
ひゅっぅぅ…パぁぁぁっ
「あーっ!花火!」
「綺麗だね~っ」
これが、はなび。
色とりどりの火花が散って大きな花をつくっている。
話では綺麗だときいていたが…
…想像以上だった。
想像力の神が言うんだから間違いない。
綺麗、だ。
本当に俺は人間への想像力が乏しかったんだな…
"花火"、しっかり記憶したからな。
想像力を与えたのは俺らなのに…それを超えられたなんてな…
修行し直してくるか…
待ってろよ、人間。
せいぜい、それ以上のものをつくれるように頑張れよ!
皆様こんにちは、月影:つきかげです。
“夏祭り”へのご参加ありがとうございます。
さて、二日目もいよいよ終わりとなります。
明日からは土曜日曜。掲示板が稼働を停止する期間です。
行われるのは「百鬼夜行」。
このポエム掲示板が妖怪たちで溢れかえります。
無人のお祭り会場で妖怪たちが何をするのか、ぜひ書いてみてください。
皆様の書き込み、しっかり確認してますからね。
僕も百鬼夜行に参加予定です。
それでは。
夏祭り実行委員、月影:つきかげ
「…ねぇ、あの2人は何するつもりなの? ていうか、何がいるの?」
2人が少し離れてから、わたしは耀平に尋ねた。
「え? えーとな~…」
「耀平それ以上言うなよ」
わたしの質問に答えようとした耀平を、急にネロが遮った。
ネロは耀平の肩を強めに掴んでいて、明らかに何かあるような気がした。
「…へいへい。でもきっと、何かわかったらお前ビックリするだろうなぁ」
「…はぁ」
やっぱり何の事か分からなくて、わたしはぼんやりとしてしまった。
ちょうどその時だった。
何かがいたっぽい角の方から、師郎たちの話し声が聞こえた。
「…なぁお前何やってんの?」
「…」
「てか隠れてるとかさ…いっそこっちに引きずり出してやろうか?」
「…⁈」
「隠れているより姿が出ていた方が面白いだろう? なぁ? 墨イカさんよぉ?」
少し抵抗されながらも、師郎が路地の角にいる誰かの腕をぐいと引いた。そして角から姿を現したのは―
「―美蔵ぁ⁈」
わたしは思わず叫んだ。
へへっ変化成功!
さてさてぶらぶらするかー…
…うぉっ!?なんだよこの人間の数!
みんな"はなび"とやらを見に来てるんだよな?
これじゃあ"はなび"を見に来てるのか人間を見に来てるのかわかんないっての…
あ、俺は違うぞ!?
俺は想像力を司る神…とでも言えばいいのだろうか。
昔は死神とかいう生意気で優秀なやつが同級生にいたんだぞ?
俺はそれと似たようなやつ神種で、人間の想像力を司ってるって訳だ!
下らない妄想をさせているのも俺。
カンが当たったり当たらなかったりするのも俺が影響していたり。
文字だけを読んで、その風景を投影させているのは…俺の同僚かな…。
んで、そんな偉い存在の俺がなんでこんなところに居るのかというと。
…まぁ、上のひとの命令でっていうか…
「お前は想像力の神のくせに人間への想像力が乏しいっ!」
とか言われて嫌々"まつりかいじょう"にいるってことだ。
決して「楽しそうだったからむしろラッキー」だとは思ってないからな!?
とまぁ、神には肉体がないから人間の男の姿になって潜入している訳だが。
"はなび"の時間までまだあるからなぁ…
人間のことを知るには…よし。
そこらへんのものを食べ尽くしてやるか!
(続)
浴衣なんて着れないから
普通の格好のわたしは
遠くから君を眺めるの
水色の浴衣のあの子と笑う君を
人混みの熱と
飲みすぎたコーラで
頭がクラクラしてきた
花火の輝きと
君の笑顔で
目がチカチカしてきた
橋の上でたたずんで
疲れた足を伸ばして
紺色の浴衣姿を
遠くから眺めてる
一人で見上げてるのも
なんだか空しいから
やっぱり人混みに揺られて
静かに駅の方へ
A「それでどうにかなれば苦労しねえよ」
B「それでどうにかなっちゃってるから困ってるんだよ」
朝顔がこっちを見てる
このサウナのような
場所にふたり
私は
彼との結び目を
ゆっくり丁寧に
ほどいた
花火が落ちてきた
朝顔はそっちを見ていた。
見上げた紅い空に
泣きそうな顔の君が浮かんで
熱くなった電球が割れるように
僕の心が砕けた音が聞こえたんだ
もう何年もこうして
暮れる夕陽をながめてるような
隣の君のさらさらの黒髪が眩しい
愛しさは甘苦いシロップのよう
全くこんなの良くない愛とか
わからずや達は口を揃える
デビルメイクライ、君が泣く
慈愛だとかは似合わないから
比較しないで僕らは僕らの
愛に蕩けて死んでいきたい
さながら解ける三つ編みのように
愛された本たちの匂い
たくさんの表紙は色っぽく艶やかに
人の心を魅了していく
こんなにも美しく愛おしい
世界が広がっているとは
さて、掲示板夏祭り二日目です。
・夏祭りに関する書き込み
・時間帯に合わせた書き込み
で参加できますよー。
昼には屋台をめぐって、夜には花火を見て…
ぜひぜひお立ち寄りください。
「そこの壁に時計、かけてあるでしょ?……あれをイメージして……。今は…15時30分……、今31分になった。そのまま長針はどんどん回る…。ほーら、もう16時……17時……18時……」
彼女の言葉に対応するように、壁掛け時計の針はありえないスピードで回っていく。電波時計で電波受信させたときみたいになってる。彼女の言葉はまだ続く。
「19時……30分。もうすっかり夜。外も真っ暗。いくら今が夏で昼が長いと言っても、流石に日が暮れたよ。……さあ目を開けて」
アリスなる少年が目を開くと、少女の言葉の通り時間は四時間進み、外はすっかり真っ暗になっていた。
「うわっ、何だこれ。さっきまでもうちょっと明るくなかった?」
「そうだねー、さっきまでもう少し明るかったねー。時間も四時間くらい進んでるねー。私数十秒くらいしか話してないよ?」
「あれ、じゃあおかしくない?何、つーさん何かした?」
「ほらー、また『つーさん』って。止めてって言ってるでしょう」
「いや、今はそんな場合じゃあないよね?これどうなってるの?つくばが何かした?」
「お、今度は呼んでくれたね?つーさん嬉しいよお?……そうねー、確かに私も少しは何かしたけど、大部分は君の仕業だよ」
「え、どういうことさ?」
「あー……。君気付いてなかったのかー。もう、そうだなー、四年くらい前、小四の頃から君、この力持ってたんだけどねー」
「え、力って何?有栖さん聞いたことないよ?いやホント何、怖いな」
アリスってそう書くのか。話は変わるけどそういう小説家いたよね。で、有栖君の能力ってどんなのなのさ。続けて。
「え、それこそ嘘でしょ?そんなしょっちゅうとはいかなくても、たまーに使ってたよ」
「え、何のことさ。怖い話止めて」
「むー……。しょうがないなー。私が教えてしんぜよう!」
お、待ってました!毎度お馴染み、能力説明タイム!アリスちゃんはどういう能力なのかな?
水風船を持って走り回る子供
浴衣を着て手を繫ぐ恋人
景品を本気で狙っているお兄さん
友達と写真撮り合うお姉さん
人
人人
人人人
人人人人
沢山の笑顔の中で
一人取り残された僕
来年は君と来たいな
でも、人混み苦手な君はここは無理かな…
静かな所で2人で花火みたいね
セミの声で起きる朝
じっとりと貼りつく白Tシャツ
無性に恋しくなる氷菓子
そして
混じりけの無い空の青
陽キャにも陰キャにも
大人にも子どもにも
平等に季節は移り変わる
頭を撫でてほしい
首筋を噛んでも許してほしい
突然抱きついても許してほしい
何も言わずにそばにいてほしい
愛せなくても、許してほしい