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ホームグラウンド

『あ、これ詰んだ?』みたいな状態になってからが本番。

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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 5.クラーケン ⑰

「てか、ケンジが異能力者だって事知らなかったのかよ」
「えっけ…」
なんか、美蔵のことを下の名前で呼ぶ人が珍しすぎて、わたしはちょっとびっくりした。
「いや別に人の事どう呼ぼうとこっちの勝手でしょ」
「あ、そうだね…」
ネロに真顔で言われて、わたしは沈黙した。
「…そういやケンジ、何でそこに隠れてたんだよ? なぁ」
こっちの会話が終わったのを見計らってか、師郎が美蔵に尋ねた。
「い、いやぁ~さっきアイツに異能力の存在がバレたと思ってあの2人を逃がすために能力使って自分も逃げたんですけど、また会いそうになったんで…」
美蔵は気まずそうに説明する。
「…だからどっか行くまで隠れてたんですけど」
「いや自分まで逃走する必要ねーだろ。あとこういう時に敬語使うな」
「あーはいはい…てか離してくださいよちょっと痛い」
美蔵は愛想笑いを浮かべて懇願する。が、師郎はまだ美蔵の腕を離す気はないようだ。
ふと、わたしはあることに気付いて美蔵に尋ねた。
「ねぇわたしすごい気になってんだけど…」
「何?」
美蔵たちはこちらに目をやった。
「美蔵とネロとか耀平とかって…どういう関係なの?」

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心が望む方へ

お腹すいた
なんか食べたいな

心が思うままに生きたい
食べたいものを食べて行きたいとこへ行って好きなときに好きなことをする好きな人に好きと言う

今の時代、今の世界でそんなことはできない

あれ?ホントにできないのかな

勇気がないだけかもしれない
世界に時代に世間に歯向かう勇気が

でも何が正解かはわからない

あーあ
難しい

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こい

私は懲りずにまた恋したいなんて思うの

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浮気性の私の唄

片目だけ開けてても
真実が視えるわけじゃない。間違いや誤算がこれだけあっても
まだ正しい答えにはたどり着けない
もう、付き合っちゃえば?と天使が急かすの

当たりは君の隣の席
それだけを願っていた。

見苦しいってことはわかってる。
何としてでも奪いたくて
塗っていくの。私の色を、あなたの心に
私の事だけ見て欲しかったから。

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ユラユラ フラフラ
まとわりついて
邪魔なだけ

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LOST MEMORIES 番外編「夏祭り」その裏側(下)

 呼ばれた自分の名に、条件反射で下に視線を落とす。そこには、数時間前に別れた見知った顔があった。
「どうして……」
 思わず零れてしまった自分の声をそこへ置き去りにし、慌てて2階から降りる。着慣れないドレスで動きにくいため、怪我をしないよう気をつけながら。
 扉を開くと、向かいの道には楽しそうな歌名。
「瑛瑠!お土産持ってきた!」
 そしてその両側には、顔を顰めた英人と望がいた。
「歌名、夜だぞ」
「ご近所迷惑だよ」
 3人の手には、何やらたくさんの戦利品が抱えられている。瑛瑠がお願いしたお土産とは、土産話ではなかったか。
「瑛瑠さん、まだ起きていてよかった。これ渡せなかったらどうしようかと思って。花火終わるまでの猶予しかなかったから、ちょっと焦っちゃった」
 にこにこしている望の顔を見て、別れる前に言われたことがよみがえる。望の真意はいつだって優しかった。
 いまだに状況がのみ込めずに呆然としている瑛瑠。その後ろから、わかりにくくもいつもよりは断然楽しそうな声が聞こえてきた。
「上がっていってください。皆さんの付き人へは、私が連絡しておきますよ」
 効果音がつきそうなくらい顔を輝かせた歌名は、真っ先にありがとうございます!と言う。本当に、懐に入るのがうまい。はじめは申し訳なさそうにしていた英人と望も、チャールズと歌名の違う方向からの押しに結局は折れてしまった。
 誰かを自分の家にあげるなんて―正しくは自分の家ではないけれど―これまでにない経験で、とてもどきどきしていた。と同時に、この3人は自分にとって大切な人たちなのだと不意に感じ、胸が熱くなる。まさか、帰りにお土産まで持ってきてくれるとは、思いもしなかった。
 部屋に3人を通す際、1番最後に入ったのは英人だった。
その時、一瞬目が合った。
彼は、ふっと微笑ったと思ったら、視線を外し、そして、一言囁いた。
瑛瑠が耐え切れず、静かに、それでも思いっきり彼の背中をたたいたのは、また別のお話。

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かお

お面がほしいなんて
君はまだまだ子供だね
そんなに可愛く笑われると
僕に拒否権なんてなくなるから
ほんとやめてほしい
なんて
やっぱり笑ってて

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世にも不思議な人々㉝ 悲しきトカゲその1

ここは、皆さんご存知、高崎有栖の自室である。今回もまた例によって例の如く、前橋つくばが窓から入り込んできた。虫かごを抱えている。
「ハローアリスちゃん!面白いもの持ってきたよ!」
「だからその呼び方止めてってばつーさん」
「思いっきりブーメランだよ。大体君みたいな最早可憐とさえ言える少年を格好いい呼び方なんてできるわけ無いでしょう?」
「な、何だとぅ!」
「君、男子に告白された回数が女子にされたそれより多いって噂あったよね。あれホント?」
「うっ……。と、とにかく!早く本題入ろう、面白いものって何?」
「ああ、それなんだけどね……」
そう言ってつくばは虫かごを有栖の前に突き出した。中には、トカゲが一匹だけ入っている。
「これ!すごくない?」
「何これ……作り物……?」
「いいやよく見て。ちゃんと生きてるでしょ?」
「いや、それは分かるんだけどさ……。私、うずくまって頭抱えて考え事してるようなポーズする爬虫類は初めて見たよ……」
「そうでしょー?見つけたから捕まえてきたの!面白いじゃない」
と、トカゲが二人の方を、まるで助けを求めるかのようにじっと見た。
「む、こっち見てら。何だ何だ、私たちが人間、しかも不思議な能力を持ったヤバい奴らと知っての狼藉か?」
「止めなつーさん。トカゲ相手に喧嘩売ってちゃ別の意味でヤバい奴だよ。きっと何かあるんだ。……そうだ!」
有栖は机上からインク壺と紙を一枚持って来て、床に置き、その上にトカゲを放した。というか有栖さん、インク壺なんて持ってるのね。
「さあトカゲ氏。何か思うところがあるなら、筆談で教えておくんなし」
「アリスちゃんもアリスちゃんでなかなかヤバい奴のムーブメントだよ」
「喧嘩売るよかマシでしょ!」
そうしているうちに、トカゲが紙の上をインクを付けた身体で這いずり回り、その軌跡は汚いながらも文字の形をなしていた。

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私が流した涙の意味

秋、夕暮れの
中にたたずむ。
古いコートが似合ってる
神が相手にしてくれないから
大きな理想を抱いてしまう。
戸びらを開けても
間から光がもれるだけ
南の方角と
西の方角2つに向かって歩く。
若者はけしからん)と言った人は
青い太陽を求めていた