血の繋がりのない人は他者になる。
しかし主観で見れば家族も他者になる。
自分は自分、家族は家族、友人は友人のように。
社会は、そんな他者が共存している。
故に喧嘩、恋愛、友情、恩恵、などがある。
その事柄には別れや諍いも伴う。
そんな社会は他者と他者で構成される。
それに、主観で生きる人間は身勝手の極みと
言っていい程の生き物である。
親や友人との喧嘩も唐突な失恋だって
他者の持つ物差しで測った事による
ズレによるもの。
自分は15cmなのに相手が1mで測ってきたら
それは変わってくるでしょ?
物事を測ることなんて主観で身勝手なのだから、もし自分が納得しなければそのままでいい。
何れそのズレは直る話であり時間の問題なのだから。
個人主義を勧める訳では無いが
そもそも人は、個の中で生きるものだから
他者という存在、身勝手な言動
納得の行かない場面などが起きる。
それは摂理であり必然なので深く考えることは
あまりしないことをここで言っとくとしますね。
渋いって思われるかもしれないけど、宮沢賢治が好き。特に、銀河鉄道の夜がいいと思う。この本を読んで、宮沢賢治が書いたすべての本を読むというのが僕の目標。だからリノで宮沢賢治全集を買いたいと思ってる。
彼の不思議な少年としばらくお話していると、どこからか大きめのヒキガエルがのたのたと私達の方に這いずって来ました。
「あ!せーあ様だ!ほら、あれがせーあ様だよ!格好良いでしょう!」
「おー、ヒキガエルだ」
すると、そのヒキガエルが話しかけてきました。
『ヒキガエルとは何だ。我こそはこの一帯を仕切る土着の神、青蛙神にあるぞ。頭が高い!』
いや、カエルに頭が高いなどと言われましても。まあ穏便に済ませたいので言う通りにしましょうかね。私は屈んで目線を少し低くしました。
「申し訳ありません青蛙神様。ところで失礼を承知でお尋ねしたいのですが」
『何だ?』
「一体貴方様はどのような出自で?」
『出自?そんなものは知らぬ。気付いた時には既にこの世に在った。ただそれだけのことだ』
「ほう。……もしかして、そこの少年が関わっているとか、そんなこと無いでしょうか?」
『厶、彼奴か?さあ、我も所詮は産まれて幾らも経たぬ新参故、知らないことなど山とある』
ふーむ、彼の少年が一枚噛んでいると思ったのに確証が無い。
そんなこんなを考えておりますと、やけに背の高い、と言っても住之江少年よりかは少し低い、それでも細いせいでより背が高く感じられる男がやって来ました。
「む、これは奇々怪々。ヒキガエルと子供が話してら。……ふーむ、而してそれなら何もおかしくないか」
何やら訳を知っている様子。
「えーっと……すみません。これについて何か知ってるのです?」
「うにゃ。けどさっき見たお陰で分かった。ところで君もそこの少年も、僕らの仲間なのか。どんな能力なんだい?」
なぜ私が能力を持っていると知っているのでしょう。雰囲気も不審者だし近寄りたくないです。
「今君は『なぜ自分が能力を持っていると知っているのだろう。雰囲気も不審者だし近寄りたくない』って思ったろう。……君は次に『な、何故私の考えている事が!?』と言う」
「な、何故私の考えている事が!?……ハッ!」
「そういう能力だからだよ。僕のことはキタと呼んでくれ」
その男、キタさんは随分親しげに言いました。
狭い狭い世界で
僕らは自分を探しながら生きていく
願っても 焦がれても
明日の自分さえこっちを見てはくれないの
朽ち果てた廃墟のお城
幽霊さえもいなくなってしまった
伽藍堂の大広間にただひとつ
午前三時、鐘が鳴る
灰暗い真夜中の子守唄
オルゴールの音色は呪いの断末魔
紅錆びた忘れ物
鏡の下に封じ込められたお姫様は
ある真夜中の午前三時、
死の眠りから目を覚ます
愛しのfiancéのもとへ
何処までも奈落の果てまでも彷徨い憂う
真っ白なネグリジェを着たお姫様
ひとつめの扉、
ふたつめの扉、
みっつめの扉、
よっつめの扉、
いつつめの扉、
むっつめの扉、
軋む扉にひとつずつ
吐気を催すほどの呪いの跡を口付ける
朧月夜
愛する青年を手に入れるため
軽かな足取りで埃臭い扉をノックする
今宵こそはどうか逃げないで
愛するfiancé
さあ、
ななつめの、扉。
僕らの声なんて
万人に届かなくてもいいんだ
ただ君に届いてほしい
誰も信じられなくなって
一人で歩いてる 君へ
泣きそうになりながら
暗闇を歩いてる 君へ
自分らしくなんて言わない
どんな方法でもいいんだ
ここから抜けられるなら
真っ直ぐ進めないなら
曲がればいい
あんな奴らなんて
気にする必要は無い
人の目が気になるなら
今は逃げていい
いつかいつか
必ず向き合えるときが来るはずだから
辛かったら
すぐ逃げていい
どこかどこか
君のための場所が必ずあるはずだから
君はそこに居続けなくていい
君のための虹の橋の入り口は
ここじゃないんだよ
「亜理那、亜理那」
ふと何かを思い出したように、鷲尾さんは亜理那の話を遮った。
「…もしかしてさ、」
「?」
鷲尾さんは少し間を置いてから話し出した。
「これ私も一緒に行くヤツ?」
それを聞いて、亜理那はあー…と呟いた。
「…いたほうが心強いけど、行きたくないなら行かなくてもいいよ」
「じゃ行くわ」
想定外の返答に、わたしと亜理那はちょっと驚いた。
「…行くの?」
わたしは本気なのかと思わず尋ねた。
「まぁ、ね。亜理那とあなただけでは何か嫌な予感しかしないもの。ついでに”常人に異能力をバラしたヤツ”が誰なのか知りたいし」
…確かに、何をするか予想の付きにくい亜理那は、ちょっと頼りない。
でも冷静な鷲尾さんがいれば、そんな彼女が変な事をしても意外と大丈夫そうな気がした。
鷲尾さんの意志を確認したところで、亜理那は明るく言った。
「じゃあわたしと、ハルカと、サヤカで行くって事でOKだね!」
「あぁ、うん、まぁ…」
「それでいいけど、亜理那、変な事しないでよ?」
「分かってるって!」
わたしや鷲尾さんの心配を気にせず、亜理那はいつものように応えた。