ぼくがひきだしを開けるとき、かた手で心を鷲づかんで、小指から順番に握りしめていくような鼓動がかけ巡る。小さいときからずっとそう。いつも、年がかわるからとお母さんに言われて、ラクガキだらけの棚のひきだしを綺麗にする。断捨離、と言えばそれまで。でも捨てるものを入れる袋がいっぱいになっていくたびに、底をつかんでひっくり返したくなる。考えるだけでお母さんの叱る声が聞こえるから、絶対にしないけど。
綺麗にしてからすこしたつと、ひきだしに何をしまっておいたのか、ぼくは忘れてしまう。ひきだしは宇宙。どこかの学者さんみたいに星のなまえを全ておぼえられる気がしない。それと同じように、ひきだしの中にあるもの一つ一つの場所を、頭のなかでぽわぽわ浮かべることができない。
だからこそぼくは、ひきだしの中にある…例えばあの子からの手紙や、どこでまちがったのかわからない40点の答案用紙を、少しでも大切にしたいきもちといっしょに今日も眠る。
A「さてさて、今回は魚類オンリーで行ってみようってことらしいんですが。私は海底の方から」
B「歯がチャームポイントです」
C「チャーム……?あ、えっと、私は熱帯系の人です」
D「人とは。刺さります」
E「魚らしからぬ外見とは自覚している」
F「食ったら死ぬよん」
G「後半ろくなのいないな。ていうか地味に純正淡水魚は私だけですかそうですか」
修学旅行のたった10分
その10分で恋落ちた。
その10分が今までで最高な10分
会いたいよ。修学旅行以降あってない。
修学旅行のたった10分が
されど10分。。
私の描ける言葉は
まるでひとりごと
胸の奥の苦いのを
ただただきれいに
色をつけただけの
小さなひとりごと
男なら
どんなふうになればいいかな。
女なら
どんなふうになるのがいいかな。
君はきっと
男ならわめくな。
って言うよね。
女なら
どうしたらいいかな。
君は男だから
きっとこの問には
こたえてくれないでしょうけど。
君は命の事を考えて
お前とは絶好だって言える人だから。
君はきっと
みんなを守れる強い人だから。
君の笑顔は
心の底から優しさが
滲み出ているから。
君の笑顔を見るだけで
私はとろけてしまいそう。
君に触れたい。
もう叶わないとはわかっていても
一度だけ。
一度だけ
君に触れたい。
蝶がひらひら 澱粉をまいて
キラキラひかりに反射する。
毒のある君の澱粉は
綺麗な色をしていた。
薄紫色に。 ピンク色に。
水色に。 薄い青緑に。
角度によって
変わる綺麗な色。
君の横顔が毒のある美しい蝶に見えた。
まるで掴むことのできない
ただとても美しい蝶に。
君が微笑むと
安心するような怖いような
不思議な気持ち。
君の心もあの蝶のように
つかめないのだ。
君は今、
何を思って
何をしようとしているの。
君は今、
この世界の為に
戦っているのだろうけど。
君には
ただただ生きていてほしいのだよ。
私の恋は99.9%叶わない
だって君の顔も
君の声も
知らないから
でもやっぱり諦めきれない
だって君のことが好きだから
両思いなのかなぁ
とか思っていたけど
私が勘違いさせたせいで
失恋したと君は思っている
本当は多分私のほうが君のことが好きなのに
あきらめたって君は言うけど
私は諦めたくない
この思い
「君に届け!」
むしった毛玉の数に比例して
何度も消されてった言葉たち
これは恐らくだけど
丸めて君にぶつけたら
振り向きくらいしてくれるんじゃないか
林檎が墜ちてうまれた重力で夜を縛りつける
流れ星をつかむ夢がいつか羽根になる
金平糖が鳴った合図できみのことを忘れるよ
寂しくなったら笑うだけだよ
簡単なんだ、結構
駆けてゆくヘッドライトに目を奪われるとき
ひとりじゃないことがあった?
水中でゆらめいた鈍色の魚の鱗みたいに
わたしのことをいつか忘れるよ
涙をまとったうつくしさなんて ぜんぶ偽物だよ