表示件数
0

ひきだし≒きおく

ぼくがひきだしを開けるとき、かた手で心を鷲づかんで、小指から順番に握りしめていくような鼓動がかけ巡る。小さいときからずっとそう。いつも、年がかわるからとお母さんに言われて、ラクガキだらけの棚のひきだしを綺麗にする。断捨離、と言えばそれまで。でも捨てるものを入れる袋がいっぱいになっていくたびに、底をつかんでひっくり返したくなる。考えるだけでお母さんの叱る声が聞こえるから、絶対にしないけど。
綺麗にしてからすこしたつと、ひきだしに何をしまっておいたのか、ぼくは忘れてしまう。ひきだしは宇宙。どこかの学者さんみたいに星のなまえを全ておぼえられる気がしない。それと同じように、ひきだしの中にあるもの一つ一つの場所を、頭のなかでぽわぽわ浮かべることができない。
だからこそぼくは、ひきだしの中にある…例えばあの子からの手紙や、どこでまちがったのかわからない40点の答案用紙を、少しでも大切にしたいきもちといっしょに今日も眠る。

0

ABCDEFG

A「さてさて、今回は魚類オンリーで行ってみようってことらしいんですが。私は海底の方から」
B「歯がチャームポイントです」
C「チャーム……?あ、えっと、私は熱帯系の人です」
D「人とは。刺さります」
E「魚らしからぬ外見とは自覚している」
F「食ったら死ぬよん」
G「後半ろくなのいないな。ていうか地味に純正淡水魚は私だけですかそうですか」

0

会いたい。。

修学旅行のたった10分

その10分で恋落ちた。

その10分が今までで最高な10分

会いたいよ。修学旅行以降あってない。

修学旅行のたった10分が

されど10分。。

0

ひとりごと

私の描ける言葉は
まるでひとりごと
胸の奥の苦いのを
ただただきれいに
色をつけただけの
小さなひとりごと

0

叶わない恋。

男なら
どんなふうになればいいかな。
女なら
どんなふうになるのがいいかな。

君はきっと
男ならわめくな。
って言うよね。
女なら
どうしたらいいかな。
君は男だから
きっとこの問には
こたえてくれないでしょうけど。

君は命の事を考えて
お前とは絶好だって言える人だから。
君はきっと
みんなを守れる強い人だから。

君の笑顔は
心の底から優しさが
滲み出ているから。
君の笑顔を見るだけで
私はとろけてしまいそう。

君に触れたい。
もう叶わないとはわかっていても
一度だけ。
一度だけ
君に触れたい。

1

掴みどころのない君の。

蝶がひらひら 澱粉をまいて
キラキラひかりに反射する。
毒のある君の澱粉は
綺麗な色をしていた。
薄紫色に。   ピンク色に。
水色に。    薄い青緑に。
角度によって
変わる綺麗な色。

君の横顔が毒のある美しい蝶に見えた。
まるで掴むことのできない
ただとても美しい蝶に。
君が微笑むと
安心するような怖いような
不思議な気持ち。

君の心もあの蝶のように
つかめないのだ。

君は今、
何を思って
何をしようとしているの。

君は今、
この世界の為に
戦っているのだろうけど。

君には
ただただ生きていてほしいのだよ。

0

私は誰に必要とされているの
それは私だ
私は私が必要だ

0

届け!

私の恋は99.9%叶わない

だって君の顔も

君の声も

知らないから

でもやっぱり諦めきれない

だって君のことが好きだから

両思いなのかなぁ

とか思っていたけど

私が勘違いさせたせいで

失恋したと君は思っている

本当は多分私のほうが君のことが好きなのに

あきらめたって君は言うけど

私は諦めたくない

この思い

「君に届け!」

0

スピーチバルーン

むしった毛玉の数に比例して
何度も消されてった言葉たち
これは恐らくだけど
丸めて君にぶつけたら
振り向きくらいしてくれるんじゃないか

0

パラノイア

林檎が墜ちてうまれた重力で夜を縛りつける
流れ星をつかむ夢がいつか羽根になる
金平糖が鳴った合図できみのことを忘れるよ
寂しくなったら笑うだけだよ
簡単なんだ、結構

駆けてゆくヘッドライトに目を奪われるとき
ひとりじゃないことがあった?
水中でゆらめいた鈍色の魚の鱗みたいに
わたしのことをいつか忘れるよ
涙をまとったうつくしさなんて ぜんぶ偽物だよ

0

敵わない

ねむたい昼下がりの授業中
ぽかぽかしてる窓ぎわで
つっぷして寝てたと思ったら
いきなりむくっと起きあがって
くるっとわたしに振りむいて
にやっと笑って口パクで
好きだよって
さらっと言っちゃう
きみに夢中

0

諦める洗脳

無理だっていわれて続けたら無理になっちゃうよ

できるって一言いってくれたらよかったのに

そんなに冷たくしないでよ

僕だって一生懸命やってたのに

なんでも勝手に決めないでよ

僕にだってこころはあるから

0

あなたのほうがすき。
でも私に愛する人がいる。
どうしたら2人を愛せるのだろうか。
はたまた無理のだろうか。。
だらか教えてくれよ愛し方を、

0

夜蝶 (Night Butterfly)

今宵もお客は満杯ね
A、B、C、D
4人の蠅に囲まれて
Ah… E男はどこにいるの?
そんな気持は心の奥底に
軽いリップと上手いセリフで
甘い蜜だけ吸って生きてる

彼女はこの街で一番の
優雅に舞い飛ぶ夜の蝶
黒いドレスは翅のよう
夜空に埋れたらお終い

今宵もお客はご機嫌ね
H、E、Y、 !
彼女を呼ぶ 指名の嵐
Hu…シャンパンの洪水
グラスと躰 傾いてゆくわ
軽いめまいもきついコロンも
今では心地よい刺激なの

都会の空は星もなにも
まだ見えない明日さえ
娘たちは孤独を隠して
金曜日を騒ぎ立てるの

どこにいるの?あなた
故郷の空が恋しくなる
でも決めたからいつか
女王と呼ばれるまでは

… Night Butterfly

0

優しい毒

誰にも好かれる奴
居るわけない漫画のキャラクター的属性を持つリアルワールド人は実在するか
答えは yesである
僕はたった1人知っている
何をするにも皆んなそいつを推薦する
絶対的信頼
時間さえあれば大勢に囲まれる
絶対的人気
何者をも寄せ付けない
絶対的頭脳
これで性格でも悪けりゃ多少の救いはあるが残念だが性格も超がつくほどの優しい奴
いけ好かないと思うだろうが俺はそいつが嫌いではない
不思議なのだありとあらゆる面で完璧という嫌われそうな要素の中でも最も強そうな要素の持ち主なのに
嫌いになれない
僕は何年もそいつと友達いや親友レベルかもと言えるほどの関係で居続けたなんとも心地いい
そういう毎日だった
だけど今になれば思う なぜ人であったはずのアイツに僕らの知らない顔が無いなどと思っていたのか
表の顔が整っていればいるほど裏は歪んでるものだ
摂理だ 人間の構造だ
そう我々は作り物なのだ 完璧な創作物はいつの時代も生まれないもの
気づくのが早ければ僕はアイツとちゃんとした親友だったかもしれない
歪んだ友情の果てに待つのは破滅だ
それもまた摂理だ 世界の構造だ
そしてその摂理通り 構造通り
僕達は破滅した アイツがこの世から消えるという形で
そして僕は今歪んでいる 酷く歪に
入口はあっても出口はない
僕は今一生の牢獄に後悔と同居してる
僕達2人は望んだ方向へ走ろうとして望まぬ方向を歩んでしまった
きっとそれぞれが目指した道は同じようで違う道だった
だけどたどり着いてしまった道は全く同じ結末を迎える道だったのだ
僕達はお互いにとっての優しい毒だったのだろう

0

消滅日記

2日目

屋上の風は気持ちいいな
今日のお掃除は終わりだ
哀れな最後だったな でも愚かだ
全て返してあげたよ 痛かったかい?怖かったかい?
なんてもう喋れないか....

そして変わらずまた日常が再開する
変わった事があるとすれば集団から1人減った事
でも誰も気にしやしない 消えて不幸になる奴はこの中に1人たりともいない
残念な立場のアイツらを僕は救ってあげたのさ
感謝されてもいいくらいだ 心が広くていい子だ
僕は
さて、次はどいつかな
自覚なき殺意を帯び無意識に振りかざす愚か者は
お前たちが刻んだ痛みは全て僕の手の中にある
優しい僕が全て返してあげるよ
明日は君だ 楽しみだね いつものその汚い笑顔を見せてね


さぁ おいで ゲームスタートだ

0

せかいとちきゅうはきっと違う意味

だっておんなじ景色だって
見ることも出来ないんだもん
だっておなじ食べ物だって
おいしいねって言い合えないんだもん
だってすきだよって言ったって
君はありがとうって言うだけなんだもん
だって
だから
同じ地球にいるのに同じ世界にはいられない

0

くるりるら、
「せかいを見渡してみようぜ」黄色のブランコ
ぱちりらり、
「だいじょうぶか」鳴るサイレン
どぅくどぅくとぅ
「おねがい」握られたてのひら

鳴り止まぬ直線の音
宙に浮かぶのは残る声

0

雨ふり即興詩。

しとしと、つめたい雨がふります

ひんやり、ぬけた風が心地よかったり
じめじめ、粘ったはだが熱かったり
おやおや、自分のことだってわかりません

しとしと、いとしい雨がふります
ぱらぱら、やねにあたる音がします

0

中止

どれだけの努力が

どれだけの涙と共に

「中止」という言葉に流されただろう

先輩方の気持ちを考えただけで辛い

もう少し前に食い止められたら

もう少し前から対策していたら

私にはどうすることもできないのに

中止を憎んでいる

0

寝る時は天井を眺めて

寝る時は天井を眺め。話をしてから
寝ているのを思い出した。
5歳 一人で寝るのが怖いから誰かと一緒に 
寝ていた 10歳 誰かと一緒に寝るのが普通の日常だった 12歳 一人で寝る事に慣れていった 14歳 一人で寝る事が日常だった 
16歳 感情と寝ていた 17歳 幻想と恋を
抱いて寝る 
18歳 愛と安心を抱いて寝ている

0

歌うたいになれない歌うたい。

もし僕が歌うたいになれなくても
僕は君への愛を歌うから。
変な音を鳴らしながら
君への愛を歌うから。

たとえば君の好きな音を鳴らして
君の好きな言葉を歌詞にするから。
君に届くように大声で歌うから。

ときにはラジオにのせて。
ときには指先で。
ときには動画なんかで。

君に届くまで
歌うたいになれなくても
僕は君への愛を歌うから。

0

サーカス小屋 #歌姫のサン=テグジュペリ

私が少しメロディを奏でるだけで
涙を流して喜んでくれる人達がいる。
私が居酒屋であの歌を口ずさめば
コインを投げてくれる人達がいる。
サーカスの中で一番歌がうまかったから。
ただそれだけのことなのに
なぜこんなにちやほやされる?
私は聞かせたいわけではないのに
なぜ歌うだけで拍手が起こる?
本当は、誰にも聞かれたくなかった。
私がメロディに心をのせて歌っているところは
誰にも覗かれたくない。
心を覗かれるのはなによりも苦しい事だから。
私が1人になれるのは
心の中だけのはずだったのに。

それでも私はこのテントの中で唄う。
埃と蜘蛛の巣で霧のかかったテントで。

私の心は
貴方に届いていますか?
そのために歌っているのだから。
私が唄を聞かせたいのは
どこかにいる貴方だけ。
それでも私は拍手をもらう。

この大きな拍手だけでも
貴方に届いていればいいと願いながら。

0

よく晴れた昼下がり

昨日から降り続いた雨が止んで
馬鹿みたいに綺麗な青空が
僕らを見下ろしていた。

君は空を見上げて、
僕は君に見とれて。

0

二人の居場所

誰もいない二人だけの世界 
朽ちた建物 割れたガラス 落ち着く安心感
床に落ちている無数の本 その明かりの下
月明かりに照らされ 二人は愛を語りあう 
目で心で身体で 二人は幽霊 永遠に愛を語りあう

0

心はどこまでも

心を覗いてみる。人の心を覗いてみる。
色々な色。赤に青に黄色に白 次は自分
自分の心の色は無の色 形も無く色も無い 
どこまでも広く どこまでも底が見えない
自分でも掴めず自分にも分からない。
そんな色

0

月曜日さん

2時半の部屋はまるで他人行儀で
ろくに慰めてもくれない
毛布にのまれて消えたヘアピン
こんな自分が可笑しいな
手拍子で迎えいれるよ
天井が鳴って 壁が笑って
ほらドアの前だれかが立ってる