表示件数
0

変わっても

あおくて遠い空に
入道雲がどっかんとあるのを見て
ソフトクリームみたいって言ったら
ちがうよ、あれはーーーーーーーだよって
音楽を爆音で流しながら
自転車で前を走るきみが言う
くやしいけど妙にしっくりきて納得しちゃって
あのときの暑さも喉のかわきも
すれちがったおじいさんの顔も
全部おぼえているのに
なぜかきみのたとえた
その言葉だけが思いだせなくて
それから
夏がきて空のもくもくを見るたびに
あの日の答えをさがしている

そんなこときみに言ったら
きっと馬鹿じゃねえのって笑われるから
意地でも言わない

0

My feelings for you.

I want to tell you about this feeling.
でも伝えたら壊れてしまうかも

I want to tell you about this feeling.
1%に懸けるか 安全な道を通るか

勇気を出してさあ


「君のことが好きです」

0

暗い話し

君は言った。
「できれば自分は家族や友達がいなくなる前に死にたい。」と。
私はキミの話を聞いた。

キミは言った。
「こうやって知り合ってなかったら自分の学校の生徒が死んだで終わる。」と。
私は君と少しでも友達になれたと思っていたのに。
キミはそんなふうに言うんだね。

ねぇ。
私はね。
人間なんて大嫌い。
だけどね。
友達とか関係なくて
そんなこと言われると腹が立つな。

キミは
自分が悲しむか
周りを悲しませるかだったら
どっちをとりたいの?
死んだあとの事は関係ないとか言わないで。

私だったら
自分が悲しむ方を選ぶけどな。

0

ロンサム・ビーチ

国道沿いの砂浜で
あなたと2人 黙ったまま
もうすぐ落ちる夕陽に
沈む恋を見ていたの

いま引き止めたなら
ひどく傷つくから…

打ち寄せる年月が
あなたの足跡さらっていった
振り向いてくれなくても
私は笑顔で
手を振り続ける

陽が翳った砂浜で
私は1人 ぼんやり立った
貝殻一つ 思い出拾い
ポケットにしまったの

涙がこぼれでるのは
潮風がしみるから…

打ち寄せる季節は
私の心をきれいにしてゆく
水平線の彼方に
あなたは浮かんだ
蜃気楼になる

あなたを好きになって
こんな素直な自分に会えたわ
新しい誰かのこと
私より大事に
愛しなさいよ....

0

サムネ

骨組みだけの海の家
大型犬のけんけんぱ
2秒後に消えた二人の名前
いつの間にか撮られた寝顔
短い夏の小さな記録
寒いねって言葉が似合う季節に
また思い出したいね

0

赤い蝶が舞う

いつだったか彼女 初瀬 紗夜(はつせ さや)
を好きになった瞬間から
アレが全ての始まりだったのだと
最後まで・・・・・・
なんだかんだで初瀬 紗夜は僕にとって初恋の人のままらしい.......


私立泉西高校
絶望的な偏差値の僕(葉山 健也)
に合格の可能性があった唯一の学校
電車通学の僕がここの立地は最悪だと思うほどだから泉西高の制服でその辺を走りまくっているチャリ通勢の気持ちはお察しします
と言っておこう
どこぞのマラソンコースのようなこの坂は入学から数ヶ月で慣れられるほどレベルの低いものではない
だから僕はかなり早く登校を開始してまずは駅で一休み
次の坂の中腹で一休み
そして校門を通過し速やかに上履きに履き替え教室で力尽きる
というのが朝のルーティンだった
だったという事はつまり今は少し違う
入学から2週間後友達が出来た
初瀬 紗夜
女の子から来るとはという予想外の驚きで言葉が上手く出てこない僕をよそに
半ば強制的に僕と友達になった初瀬
気づいたらそれにうなづいている自分が居た事は僕の人生でも上位に位置する不思議だ
そして万年陰キャ道まっしぐらだった僕にとって人生で初めての陽キャらしい友達が出来た
その陽キャらしい初瀬 紗夜によって僕の人生は大きな転換点を向かえるのだが
それはまだ少し先の話である

0

霧の魔法譚 #8 2/2

納得はしたもののまだ疑問は残る。
「しかしリーダーとしてではなくても、一人の魔法使いとして戦場に立たなくていいんですか? こんなに大規模な戦い、戦場にいくら仲間がいたとて戦力は不足するもの。確かに戦闘向きの魔法ではないとはいえ、裏方としてでもやることはたくさんあったと思いますが……」
「それを引き留めたのが君らだけどな」
茶化すように笑うイツキ。
「でもどちらにしても俺は戦いに参加できなかったよ。実はね、今は何もない空中をまっすぐ走ってるから問題はないんだけど、俺すっげえ運転下手でさ。それこそ味方がいるところで運転したら何人か轢きそうなくらい」
確かに、と大賢者が続ける。
「イツキの運転は危険だ。というかそもそも空飛ぶ車の運転が難しすぎる。空中という摩擦の少ない環境でブレーキやアクセルは地上とはまるで異なり、左右にしか動かない通常のハンドルと同時に、別のハンドルで上下操作も行わないといけない。失敗すれば大きな事故につながりかねない以上練習も十分にできておらず、結果イツキ自身未だマスターできていない。そんな中で細かい立ち回りと高い集中力が要求される戦場に出れば、仲間を傷つけることに繋がりかねない。ま、爆弾を抱えるようなもんだな」
「そういうこと」
大賢者の説明を肯定し、イツキはこればっかりは仕方ないねと笑って見せた。

***
#8更新です。
私事ですがレポート終わったので夏休みをしっかり享受します。わーい。
霧の魔法譚もそろそろ終盤です。たぶん。終わればいいなと思ってます。
読んでくださってる方とスタンプ押してくれる方とレスしてくれる方に感謝しつつ。

0

霧の魔法譚 #8 1/2

「そういえばイツキさんって忙しくないんですか?」
空飛ぶ車が陸を離れて数分後、シオンはイツキに思っていた疑問をぶつける。話を聞いたところイツキは今回の作戦の中心人物のはずだ。大賢者のお手伝いなんかしていていいのだろうか。
「……ああそれはな、たしかに今回のファントム殲滅作戦ではリーダーなんかやってるけどそれは建前だけで、実際にはほかにたくさん動いてくれてる人がいるから大丈夫ってわけ。お恥ずかしながらな」
「最年長だからってリーダーになったはいいけど、大勢を指揮する頭も威力のでっかい魔法も持ち合わせてないっていうんでお留守番喰らうはずだったの、このイツキ君は」
イツキの答えに大賢者が補足してくれる。リーダーというのは名前だけでイツキが指揮系統を握っているわけではないらしい。
「だからまあ、現場を離れてこうして車運転していても誰からも咎められないし、俺が何しようと向こうに影響はなし。実質的リーダーがうまくやってくれるさ」
「……なるほど」

1

名作が渋滞してる。

「ねえ、本当に不幸なことって、なんだと思う?」
僕は100万回生きた猫に尋ねる。
「そりゃあ、君。愛する人が亡くなる事に決まってるじゃないか」
100万回生きた猫は、本から顔を上げずに答える。
「そうかな?僕はそうは思わない」
星の王子様が割り込んできた。
「大切な人が亡くなったって、空は青くて美しいし、雲は止まらず流れ続ける」
「じゃあ、君は何が不幸な事だと思うんだい?」100万回生きた猫は視線を彼に流した。
「僕は、独りになると感じる事だと思うんだ。ああ、自分は今独りだって思う事。誰でも、生きていれば世界中のどこかに愛してくれる人、想ってくれる人はいるさ。その事に気付かないのが、本当の不幸だと思う」
「なるほどね、それも一理ある。でもね、誰でも愛してくれる人がいるってのは、違うんじゃないかい?」
「そうかなあ、、、」
星の王子様はそれっきり、黙り込んでしまった。
「本当に不幸な事?そんなの決まってるわ」
ずっと黙って話を聞いていたアリスが、おもむろに口を開いた。
「罪を犯すことよ。だって、自分は悪人なんだ、非道な奴なんだ、っていう思いを背負って生きていかなければならないじゃない?自分を否定することが、一番の不幸なのよ」
「なるほどねえ…」
僕は呟く。
「ねえ、言い出しっぺの貴方はどう思うのよ。ピーターパン」
僕はしばらく考えてから言った。
「僕はよくわからないけれど、、、きっと、それは人それぞれなんだよ。でも、みんなに共通していることがある。それは、自分が不幸だと認めてしまうことが一番の不幸だってことさ」

きっとこの討論は終わらない。そのうち、ピーターラビットが小公女につれられてやってくるだろう。そうなったら最後、収拾がつかない。