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おてがみ

かん違いしないでよね
ちがうもん、べつに…
よるが永く感じるのとか
ふとした時に浮かぶのとか
のみ込めない吐き出せない
しんじゃいそうな妄想とか
やきもち焦がしそうなのとか
ちょっと期待してみちゃったり
ほんとにほんとに方向音痴で
こい焦がれるベクトルを踏み外してる

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「他者は自分を映す鏡だ」と教師は言った
自分は他者を映す、他者は自分を映す
これがアイデンティティの確立なんだとか

じゃあいつになったら
他人を他人として認識できるの?
じゃあどこまでいったら
自分を自分として認識できるの?

そんなことに怯える左手に握った鏡は自分を醜く映すばかり

どこまで行っても自分ならせめてスマホみたいに綺麗に映してよ
どこまで行っても他者がいないならアンチもいいねもいらないよ

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ば〜か

僕の気持ちと裏腹に 休みたいという主張を奪うな それで犠牲になるのは、僕の心なんだよ?
ズタズタでボロボロの 僕の心見てみるかい? 鮮血と涙が溢れる傷口、引っ掻いた爪痕 僕に主張する権利はないと言ったアンタ 一言置き土産だ…
ば〜か

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てとてとて

だいすきなキラキラ搔き集めて
わたしだけの安心安全絶対領域
解ってとは言わないよ代わって
ずぶずぶ嵌まるマゼンタの深海
見えないきみの左手に指絡めて
幸せになっていい?割れた指輪

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学生時代力を入れて取り組んでいたことは何ですか
聞かれて答えるために、何を見つけてやればいい
あいつは勉強、あいつはバイト、あいつは就職活動
はやすぎじゃないと足を止めてもう、動けなくなった
それでいいのか
正しくないことだけは知っているんだけど
私はそれでいいのか

遊んでるやつ全員莫迦に見える
勉強してるやつ全員天才に見える
偏見ばかりの私の目に
じゃあ私自身はどんなふうに映る
形容しがたい何かと雑に括っておけばいいのか
それじゃ何も見えてないじゃないか

私は何も見えてないじゃないか

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独白

真っ白くて何もない部屋で
この命尽きるのも悪くないけど
誰か連れて行ってくれないか
結局窓の外をまた眺めてる

僕に自家用ジェットとか
空飛ぶロケットがあったなら
空の果てまで、宇宙の果てまで
銀河の端っこまで行くのに

そうなりゃ、君も連れて行くよ
僕の隣の特等席へご案内
君も見てみたいでしょう?
そんな白過ぎる服は窮屈だろう?

永遠とか奇跡とか
そんな言葉の要らぬ世界
僕らの泣きじゃくるBGM
誰にも届かないラブレター
僕の血はきっと殺処分

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無題

ずっと耳を塞いでいたけど
たまにはイヤホン外してさ
外の世界に触れてみるのも
案外、悪くないのかもね

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アネモネ

夢を見たら覚めないでと願う日がある
そんな夢が現実に起きても喜ぶ事はない
ゆらゆらとそよ風のように浮かぶ身体
綺麗な世界に張り巡らされた様々な嘘
覚めたばかりに苛立ちを手に入れた朝
また日常が始まるという退屈と共に
劣等という本当を添えたいつもの朝を
腐りきった自分自身で迎え入れる
儚い夢を思う存分堪能したその刹那
今日もアネモネの花が風に揺れる

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偽直

君の瞳がわからない
ふたりきりできみの嘘を教えてよ
きみの心は誰をうつすの?

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眠れない夜

部屋に隠る蒸し暑さ
少しの渇きと
扇風機の回る音
薄暗いベッドの上で光るブルーライト
相変わらず月も星も見えない
カーテンから漏れる街の灯りは
捨てたはずの涙を甦らせる
明日は憂鬱でもあるが
今はまだゆっくりと夢を見ていてもいい

眠れない夜に今日を待つと
ふとあなたを思い出す
眠れない夜にあなたを待つと
ふと弱さが顔を出す

今日もあなたに会えるだろうか?
笑ってくれるだろうか?
何度も考えては切なくなったりもするけど
心配は要らない
ほら、今日の合図が
何もないこの街を染めていく

また、はじまっていく。