「...まあいいや!オリヴィア、来てくれて早々悪いんだけど、お願いがあるんだ」
「なんだい?」
「家の留守を頼みたいんだ」
「OK!依頼でファントム街に行くんだろう?」
便利屋は情報収集力が高いのさ、とウインクするオリヴィア。
「ありがとう、助かるよ!」
とりあえず留守番の問題はどうにかなってホッとする。
「旦那のお友達、変わった人ね!」
ヒノが驚いたように言う。
僕は「まあ、そうだね...ハハ」と苦笑いするしかなかった。
「好きです。」
「告白されても困るんだ(怒)」
「え?なんでですか?好きになっちゃいけないの?」
「違う。」
「じゃあなぜ?」
「僕が先に言いたかったんだよ?好きだって。」
「ふふふ、家出ね…」
唯似はそう言って微笑む。
「本当にネロらしい」
そして唯似はネロの顔を覗き込んだ。
「むー」
ネロは嫌そうにそっぽを向いた。
「なぁネロ、どうしてまた家出したんだ?」
ふと耀平が尋ねる。
「やっぱりまた…」
「…ケンカ」
耀平が言いかけた所で、ネロはムッとした顔で遮る。
「親とケンカしたの」
何か文句ある?とネロはアイスバーをかじった。
耀平は呆れたようにため息をついた。
「…またかよ」
お前これで何度目だ?と耀平はネロに聞く。
ネロはさぁね、と答えた。
前は好きじゃなかった 絶対眼中になかった
でもなんだろうこの気持ち 好きなのか
でも絶対バレたくない だってはずかしいもの
ゲーム楽しい あっ肩触れた ごめん
ドキドキするなあ 気づいてほしいなあ
私あいつの勉強手伝おう 気づいて?
高いところに本あるなあ取っとこう 気づけ!
でも絶対好きとかじゃないんだからね?
すれ違った少年の瞳には 銀色の星が宿っていた
声をかけようとして振り返った瞬間
少年の姿はすでになかった
目に映ったのは 満点の星空と星空を走る汽車
ああ きっとあの子はーーー
「この白熊を できるだけ遠くへ運んで!」
「どうして、そんなことしたら君の青組は負けてしまうのに」
「毒を盛られた」
そんな感じがする。例えば、誰かにいらない一言を言われたとき。そして引きずっちまうもんだから効き目が良い。成長したいのに止められるような。まるでゲームのペナルティ、まあ、何も悪いことしてないけど。
ユニコーンは暫くネロの事を見つめていたが、やがてふふふと笑い出した。
「…なるほどねぇ」
そういう事だったの、とユニコーンは目を細める。
「ネロ、あなた家出したのね」
言われたネロはビクっとする。
「い、家出…」
「家出か~」
「なるほど」
わたしは思わぬ理由に驚いたが、他の皆はそうでもないみたいだった。
「ネロ、また家出したのか?」
師郎がそう尋ねる。
「うん、まぁ…」
ネロは気まずそうにうなずく。
「まーネロの家ではよくある事だからな」
いつものことさ、とミツルは言う。
「また親とのケンカか?」
「絶対そうだろうな」
師郎とミツルはネロの家出原因について盛り上がる。
言葉を紡ぐ
珍しい
えくすくらめいしょん
末永く生きたいから
神様に摘まれぬように。
ちょっと機嫌を損ねてみる