海の上を進む僕たちは、もうすぐで上海上空に着く。当時上海は日本の占領下だ。重慶は当時の中国の首都だ。だから、そこを狙った爆撃なんだが…。「もうすぐで重慶だ。準備はいいか?」
「大丈夫です!」
僕はそう返す。重慶の街が見えてきた。
「投下!」
筒井さんの声がした。僕は投下のボタンを押す。大量の爆弾が落ちてゆく。たちまち重慶の街は破壊されていく。
「終了!帰還する」
「了解」
僕らは投下をやめ、反対方向へと進んでいく。
僕は帰りながら、罪悪感に駆られていた。当然、人を殺してしまったからだ。そうしないとこの世界で生きていけないと、自分に言い聞かせたがやはり消えない。そんなことを考えているうちに、枕崎が見えてきた。
着陸後、僕はすぐに自分部屋に戻った。そのまま、布団に潜り込み、静かに泣いた。
僕がこの世界に来て約半年、訓練を繰り返して飛行機操作も上手になった。そして、僕にも任務の時がやってきた。昭和16年5月、僕は中井中将に呼ばれた。僕が行くと中井中将は、
「お前に出撃命令。重慶への爆撃だ。以上!」
「はい!」
僕は元気よく返事をした。しかし、内心は複雑だった。初の実戦に行けるという気持ちと人殺しをしなければならないという気持ちとが渦巻きあっていた。自分の中で決意した。重慶へ行くと。じゃないと、ここで生活はできない。僕はすぐに爆撃機に乗った。そして、鹿屋を飛び立った。
(今まで触れていませんでしたが主人公のいるところは鹿児島県鹿屋です)
空中で隊列を組んだ。指揮官は筒井少将だそうだ。眼下には、海が広がっている。そして、行先には灯台が見えてきた。そう、枕崎だ。最後の日本の光景である。日本に一度別れを告げて、僕は中国へと進める。
山本五十六。連合艦隊司令長官。海軍の中でもトップクラスの人物。あの真珠湾攻撃を画策した張本人。そして、僕が一番尊敬している人。
その山本五十六がすぐそこにいるのだ!心臓がバクバクと音を立てている。さっき零戦に乗ってた時より緊張している。
「集合!」
大きな号令がかかった。全員が走って集合する。僕も遅れまいと走って行った。
「今日は山本長官がいらっしゃった。では長官、訓示をお願いします」
山本長官が真ん中に来る。
「諸君、良く訓練に励んでいる。その鍛えた精神と体力でお国のために精進していきなさい。」
山本長官は、真ん中から去って行く。山本五十六を間近で見られて、僕は感無量だ。それと同時にこれは夢ではない、自分がこの世界に来てしまったことを実感した。つまり、僕はこの世界で生きて行くための戦いをしなければならない。そう決心させた。
零戦はどんどん高度を上げて行く!あっという間に高度1000メートルを超えた。無線がなった。
「高部早く加われ!」
「はい」
しかし、どこにいるかさっぱりだ。
「上だぞ」
山下の声だ。上を見ると確かに飛行機が見える。操縦桿引いて高度を上げる。そして、隊列に加わった。
「高度を下げろ!」
指揮官の声だ。僕は操縦桿を押す。
「ふん、上出来だ」
指揮官の褒めの言葉が聞こえる。
次々と自分のところに飛行機がくる。
「次は爆撃だ」
僕は爆撃の操作をすると、ドドドの音と共に機関銃がぶっ放された。
「よし、着陸だ」
着陸の命令が僕に下る。
着陸体制に入った。どんどん地面が近づいてくる。当然だが着陸がダントツで難しい。ゲームでしかしてないが、その通りにやってみる。ドンと僕に衝撃が伝わった。そのまま零戦は止まる。
着陸成功。僕は息をついた。手は汗でびちょびちょだ。零戦を降りようとしたら衝撃の光景が目に入ってきた。そう、そこには山本五十六がいたのだ。
日の出に近いがまだ西は暗い午前6時頃、トラス橋を渡る音で目が覚める
川面の向こうには朝靄の中アパートや教会らしい建築物群が見える
「ここは?橋を渡っているが、ボルガやオビはまだ先だよなぁ…それに、川の向こうに中心市街地が見えるとなると、これはクラスノヤルスクのエニセイ川か?」
確証は持たなかったが、到着駅の駅名標にはКрасноярск( クラスノヤルスク)と書いてあった
つまり、さっきの川はエニセイ川だったのだ
クラスノヤルスクを出ると同時に彼女が目覚める
そして、開口一番「どうして私と距離置こうとするの?私ってそんなに魅力ないの?」といきなり尋ねてくる
「正直言って、君は俺にはもったいないくらい魅力的だからなぁ…君の彼氏が本当に俺でいいのか分からなくなってしまってね。俺がそばにいない方が君が幸せになれるんじゃないかとか考えちゃうんだよ。自分と彼女の関係のことになると後ろ向きになっちまうダメ男が彼氏でごめん。もし、こんな俺でも受け入れてくれるなら嬉しいな」そう言って頭を下げる
「バカなこと言わないで!私が生涯バッテリーを組みたいと思っている相手は貴方しかいないの!だから、こっちは貴方が重くてど天然で抜けている所がある私なんかと一生一緒に居たいと思ってくれるまで20年でも30年でも待つつもりなの!」と俺が彼女に初めて惚れた時のセリフで返された
「そうか。実は、俺も同じ気持ちだったんだ。こんな時にムードもへったくれもないけど、言わせてくれ。俺と結婚してくれないか?ゴーアラウンドならいくらでもするがダイバートはしない」と当時の言い回しで伝えて指輪を渡す
「もう、離さないよ」「俺もな」
カレカノから婚約者同士になったカップルを乗せ、列車は西へ行く