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大粒の雨が降り注ぐ
傘をささなきゃ

体が濡れていく
教科書が読めない

海のような水溜まり
溺れてしまいそう

小さな箱の中
泡が静かに揺らいでく

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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 16.トウテツ ⑪

「まぁ、皆さんお揃いで」
声がする方を見ると、道の突き当たりにある建物の上に奇妙な少女が立っていた。
「何かの帰りかしら?」
白い肌にフリルで飾られた白いワンピースを身にまとい右手に鞭を持った少女が、わたし達に向かってこう尋ねる。
その目は血のような暗赤色だった。
「ね、ねぇ、あの子は誰なの?」
知り合いか何か?と皆に尋ねたが、4人共返事をしない。
むしろ凍り付いたように動けなくなっているようだった。
「ねぇ、皆どうし…」
「皆さんお暇なら、わらわと遊んでくださらない?」
わたしが言いかけた所で、少女はそう言った。
へ…とわたしが呆然としていると、ネロが何かを呟いた。
「え?」
わたしが聞き返すと、ネロがバッとこちらを振り向いた。
「逃げろ‼」
え、何で…とわたしが言いかけた所で、少女が手に持つ白い鞭を振るった。

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白と黒と青き星〜第9話 正体〜

「教えてもらおう、ただの一般高校出身じゃないだろ?」
戦闘訓練を受けた4人に囲まれても自信に裏打ちされたようなその不遜な態度は揺るがない。
「別に大層なものを隠してるわけじゃない」
「やけに素直だな」
「別にやましいモノじゃないし、まぁ入学できないと困るから試験官とかに隠したってだけ」
嘘やハッタリにも見えるが、だとすれば手際が良すぎるようにも感じる。
「具体的には言わないのか」
「言ってもいいけど、見た方が早いから」
「どういうことだ?」
「明日の訓練で見ればわかるよ」
全員が理解出来ないまま俺と美空の間を押し通るように転校生は歩き去っていく。
「お、おい」
こちらの静止はまるで意に介していない。
「あ、そうだ!」
こちらの声とは無関係だと伝えるかのようなマイペースな間で転校生は振り返る。
「俺の分の布団はもうあるのか?あったら宿舎行きたいんだけど、朝わざわざ行くには仮宿は遠いいんでな」
「え?あぁ、まぁもう一個くらいならあるけど」
「よし、じゃあ今日から泊まる」
「は?」
全く慣れることのない突然の連続。内容云々よりもその突然さに反応するのがみんな精一杯だ。
「布団あるんだろ?なら宿舎に入らせてくれ、どんな正体を期待してるか知らないがお互い損はないはずだ」
唐突なのをいいことに丸め込まれているような感覚に駆られるが、実際その内容は理知的で、まるで転校生の手のひらで踊らされているような感覚にさえなる。
「わかった…ただ布団があるだけでまだ俺らの荷物とかの処理をしてないのは覚悟してくれ」
「それは別に構わない、なんせ俺の目的は」
『2日目のカレー』
インパクトが大きすぎて思わず復唱してしまった。

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遠距離

多分お互いの夢は共通しているのに
その夢を叶える方法がお互い分からなくて。
その夢は叶えられるかも分からない。
だから、目標にしちゃいけないんです。
でも、それでも、願わずにはいられない。
いつか、あなたが帰らなくてもいい日が来ますように。

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自己満足者よ

プラスの結果を生まない攻撃に意味はない。

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なつ。

「暑いねぇ」
さりげなく横目で隣を見る。
『そうですね』
相変わらずの冷たい返事にくすぐったい思いがする。
「アイスでも食べる?」
『…』
「あ、ごめん冷たいの苦手だったか」
隣の人が止まる気配がする。
思わず振り返る。
「ん?どしたん?」
『覚えて…くれてたんですか
 あの話をしたのは4月だったのに』
耳が赤く染まっている。
「当たり前でしょう」
胸を張って答える。
隣の人が私を追い越して行く。
『…はやく行きますよ、
 ジェラート屋でもいいですか』
「もちろん!」
ふたりの間に爽やかな風が吹き抜ける。

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第1回SOLポエム掲示板夏の企画乱立祭 Introduction その②

その①が無事掲示板に反映されることを祈って、その②です。
レギュレーションの続き、企画発案者編。
2,どんな簡単なものでも壮大なものでも愉快なものでも構わないので、何か企画を考えてタグに『夏の企画乱立祭』または『夏キラ』と入れて「こんな企画用意しました!」という内容の投稿をしてください。自分や他の人が以前に出した企画のアイディアを流用したり応用したりしても良いけど、他人の過去企画を使う場合礼儀と覚悟は重要です。
3,企画投稿の際は、その企画に参加したことを示すためのタグを設定してください。普段のよくある企画と同じです。
4,企画投稿の締め切りは8月31日まで。大学生なんかは9月まで夏休みが続く人も居ると思いますが、9月からは企画参加組で楽しんでください。
5,企画をつくったら、できるだけ立て逃げせずに自分でも企画に参加してください。できるだけで良いので。

意外とスペースが残っているので一般参加者編も。
6,「お、この企画良いなー」という企画があったら参加してみてください。
7,複数の企画に同時に引っかかるような作品を作って、複数企画に同時参加しても良いです。参加した企画の分のタグは全部付けましょう。4つ以上の企画に同時参加するような猛者は頑張って工夫してみてください。
8,一つ注意。企画参加投稿に『夏の企画乱立祭』『夏キラ』のタグをつけることは推奨しません。単純にタグの上限が3つしか無いからです。タグで遊びたい人も居ると思うので。

最後に一つだけ。
9,以上のレギュレーションは全て努力義務です。しなかった、できなかったことで何かが起きるということは全くありません。夏キラと無関係の企画が立っていても面白いので無問題です。掲示板を盛り上げることをこそ最大目標として各人楽しんでください。

以上の9点を目安に、この夏を面白愉快に楽しみましょうぜ。
本格的な夏休み突入まではまだ間があるんじゃないかと思うので、質問やら改善案やらがあったらレスください。反映します。

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第1回SOLポエム掲示板夏の企画乱立祭 Introduction その①

文化部所属で夏休みに特に部活に行くってことも無く、今年の夏休みも何となくグダグダと暇した生き方するのかなー……なんて思っているそこのお坊ちゃんお嬢ちゃん方。
リアルはガッツリ予定が入っていてばちぼこ充実してるけど、妥協せずネットでも充実を極めたい、そんなお兄さんお姉さん方。
こんな企画はどうでしょう。

ってなわけで今回立てさせていただきますは、SOLポエム掲示板きっての大規模企画(多分)『SOLポエム掲示板・夏の企画乱立祭』。略して『夏キラ』。
まずこの企画の趣旨ですが、恥ずかしながら特に深い思いなどは無く、夏休みを言い訳にネットの中でお祭りしようぜってだけのシンプルなもんでして。
では早速ですがレギュレーション。

1,期間は夏休みいっぱい。これについては人(学校)によって多少の差があるでしょうが、自分の学校の夏休みを参照してください。社会人だったり予備校生だったりその他だったりして夏休みなんか関係無え!って人は自分が思う夏休みっぽい期間を夏休みとしてください。

ここからは企画発案者編……と思ったけど全部まとめると微妙に長くなりそうなんでその②に続く。

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この想い届いてください

夢でね、あなたと私は運命の赤い糸で繋がっていると御告げがあったのです。
その時から私はあなたに意識をしだした。

ポンっと頭を撫でてくれたあなたのその想い
知りたくて私はあなたに歌を送ったの

ピノとアメリ

まるで私達の事を歌った曲に涙した

あなたがもらってくれたアンクレット
実はね 私の足にもお揃いのを着けているの

少しでもあなたを感じていたくて

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犠牲ではありません。本望なのです

私の命と引き換えに

すべてぜんぶの星

宇宙

この地球

すべてぜんぶの人々を守れるだけの力をください

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海を渡る蝶の

「ねえ君、海を渡る蝶の話を知っているかい?」
「……チョウ?」
「ちょう」
「バタフライ?」
「ばたふらい」
「…………バタフライ・エフェクトのことか?」
「うん?」
「日本にはこんな諺がある。“風が吹けば桶屋が儲かる”。風が吹けば砂埃が舞い上がって目が潰れる奴が増え、目が見えなくなった奴は三味線を弾くようになり、材料の猫革のために猫が減り、それによってネズミが増え桶が齧られるから桶屋が儲かる、って要領で、関係無いと思われるようなところで影響が出るって話だな」
「うん」
「これの英語版みたいなのが、バタフライ・エフェクトだ。蝶の羽の羽ばたき一つが地球の裏側じゃあ巨大なハリケーンになるかもしれない、ってエピソードが元ネタのやつ」
「うん」
「ただの羽ばたき一つだけとはいえ、これはたしかに蝶が海を越えたと言えるんじゃあないか?」
「…………」
「……違うとは思ってたけどやっぱ違うのか」
「うん。アサギマダラって蝶のことなんだけど……」
「そっかー……」