「ぐっ」
木々が茂る山の中、ナツィと橙色の髪の少女が互いの武器で鍔迫り合いをしている。
じわりじわりと後ずさる辺り、見るからにナツィの方が押されているようだった。
「テメェ、どうやってその剣術を…」
ナツィがそう呟きかけて、少女は剣で無理矢理押してナツィを突き飛ばす。
「がっ」
ナツィはそのまま地面に転がる。
ナツィの手を離れた大鎌は、地面に落ちると消えていった。
「教えてもらったんだよ」
少女はポツリと呟く。
「魔術師に殺された、“兄さん”に」
「兄…?」
ナツィは起き上がりながら聞き返す。
「お前ら、“きょうだい”がいるのか…」
「そうだよ」
少女は淡々と答える。
「兄さんはウチらのために、身体を張って戦ってくれた」
だけど…と少女は俯く。
「兄さんはウチらきょうだいを逃すために、犠牲になってしまった…!」
お前ら魔術師たちのせいで…と少女は声を震わせる。
大きな青空に飛び込んでみた
落ち込んでいるときでも青空に飛び込めば
心も体も晴れていく
それが私の大好きな青空
追記:お久しぶりです!時々聴いてるラジオにポエムのコーナーがあり、お題が「飛び込んで」だったので、一つ考えてみました。
皆さんだったらどんなポエムを書くのか、、、良かったらレスで教えてください!
「クリスちゃん? クリスちゃ……あ」
クリスタルを探しに来たそのメタルヴマは、クリスタルの隣に座る異種のメタルヴマを認識した瞬間、反射的に針状の水晶柱を生成し射出した。
しかし、それがよく知る者であることに気付き、すぐに水晶柱の動作を止め、粉砕し霧散させた。
「何だ、ネコメか……」
「もうびっくりしたなァ……ルチルのひと。手が早いのよ」
背後からの無音の攻撃に対し、的確に後頭部を庇った腕を解きながら、ネコメは振り向きつつ頬を膨らませて抗議した。
「それが正解だから良いんだよ」
「そりゃぁそうなんだけど……クリスチャンのお友達なんだからこう、もっと手心ってものを……」
「……まあ、正直その子の相手をしてくれてるってだけで助かってはいるんだけどね。戦えないくせにうっかり結構なダメージを食らったりするもんだから……」
「はァー呆れたっ! 水晶のひとはこれだからいけない。戦いにしか価値を見出せないなんてサモシイと思いませんか!」
「クォーツ領は良い場所だからな。日々様々な部族に襲撃を受けるこの現況、戦えない上に読めないタイミングで戦場に現れる味方ってのがどれだけ恐ろしいと思っている。クォーツの戦力は決して大きくは無いんだぞ?」
「……参った微妙に反論しづれェや」
言い合いながら、ルチルも二人の隣に腰を下ろした。
僕以上に約束を破った人はいない。 僕以上にいじける人もいないだろう。
僕以上に弱い人はいないだろう。
自分を着飾り、見栄を張り、嘘をついてしまうことがある。
そう、僕は嘘の仮面を被って生きているのだ。
これは、弱さゆえであると思う。
ただ、見栄を張っても何の満足感も得られない。むなしくなっていく一方だ。
本当に大事なことが今少しわかった気がする。
それは、自分の限界を知り、今の自分の立っている地点を知ること。
そのためにまず、弱い自分を認め、強さに変えること。
それと一緒に、自分の不器用さを人にさらけ出すこと。
そして、人の痛みを我が事と感じて受け止めること。
そうしたら、心地よく生きていけるかもしれないと思った。
仮面はいらない。
被るなら、リオデジャネイロのカーニバルである、不思議な「人を幸せにする」
仮面を被って歩きたい。
「えー…」
マジか…とルビーは口に手を当てる。
「…“きおくそーしつ”って奴?」
不意にサファイアがこぼしたので、ルビーがサファイアに目を向ける。
「あー、まぁ、そういうのだろうね…」
ルビーはそう言うと、目の前の青緑色の髪のコドモの方を向いた。
「…君、本当に何も覚えてないの?」
ルビーがそう尋ねると、あ、はいと青緑色の髪のコドモは答える。
「ここで目覚める前のことは一切覚えてないですね」
その言葉を聞いて、ルビーは顎に手を当てて考え込む。
「うーん」
それじゃあどこへ帰すべきか分からないしなーとルビーは呟く。
「かと言っていつまでも家に置いとく訳にはいかないし」
うーん、とルビーは腕を組む。
「…じゃあ、探しに行く?」
サファイアがイスの上からルビーを覗き込みながら聞く。
「ボクたちと同じように身体に鉱石が生えてるってことは、メタルヴマなんでしょ?」
なら、どこかの一族の一員かもしれないよねとサファイアは青緑色の髪のコドモに目を向ける。
「それなら正体も分かるんじゃないかな」
サファイアがそう言うと、ルビーは…なるほどと青緑色の髪のコドモを見た。
信濃町〜四谷間には,高架やかつての城の外濠を埋め立てた場所に敷かれた線路の上を走る中央・総武線にしては珍しく本格的に掘られたトンネルがあり、その先の情景は東西どちらの方面の風景であっても、俺にとってみればとあるアイドルグループが歌った今はなき新幹線の名前を冠した楽曲の歌詞と重なる部分がある。
しかも,嫁と2人でこの区間を通るなら尚更歌詞の描写と情景が重なる部分は多くなる。
そのことを知っている俺は、電車が信濃町のホームを出る寸前にイヤホンを取り出してスマホを操作し,再生の準備をした。
すると,案の定嫁が私も聞きたいと言わんばかりに指で背中を突いてきたので背の低い嫁と顔の高さを合わせ進行方向左側を見る状態でイヤホンの片方を差し出し、嫁が装着したタイミングで曲を流す。
そしたら、前奏が流れ終わるタイミングで件のトンネルを抜けたので,見事にドンピシャで出だしの「最後のトンネルを抜ければ近付く美しいあの街」という部分が流れてきたのだが、この後の1番の歌詞が嫁に向けたメッセージを代弁しているので続きを聴いた嫁がこの辺りの高層建築物の屋上にあるネオンランプの如く顔を真っ赤にしている。
それもそのはずで、その先の歌詞は「希望が住むと信じて来た私が生まれ育った全てを知って欲しい。一番大切な人を連れて帰ること出逢ったあの夜約束した。未来はいつも思ったよりも優しくて風景が不意に馴染んでくる。夢が叶うとその想いが溢れ出して瞳から伝えたくなる。貴女と一緒に歩きたい」というものだ。
乗っている号車が悪くホームの中でも新宿通りの橋の真下で停車した関係で肝心の美しいあの街は見えなかったが、意外とすぐに発車した為その美しい街並みが見えて来た。
見方によっては嫁にそっぽを向くような格好になっているのに敢えて俺が進行方向の左を向いた意図が漸く嫁に伝わった。
東京の郷土史に詳しい一部の界隈では小学生でも知っているくらい基本的な常識と言えることなのだが,この中央線の路線の四ツ谷〜飯田橋間は外濠の一部を埋め立てた場所に敷設された線路を走っているのおり、このお堀を境に北、つまり今のこの電車から見た進行方向左側は我が街新宿区、右は宮城のある千代田区という具合に分かれている。
そしてすぐ窓の外やや後ろに靖国通りと外堀通りの分岐点と防衛省のアンテナ塔が見えたので目的地・市ヶ谷の駅に到着だ。