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鉄路の魔女 〜Megalopolitan Witches. Act 10

幻影の上に着地したウグイスは崩れていく足場でよろけて地上に転がり落ちる。ソラは思わずウグイスに駆け寄った。
「…決着は着いたようね」
幻影から離れた所で戦っていたスカーレットはポツリと呟く。オレンジは後ろを見て黙って和傘を下ろした。
「やったねウグイス!」
ソラがウグイスの手を取って飛び跳ねるが、ウグイスは真顔でそうねとだけ答える。ソラはそっけないな〜と笑うが、バーミリオンはいつものことでしょーとソラの肩に手を置きカナリアは静かに頷く。その様子を見ていたシルバーにも、スカイやグリーンが近寄ってきた。
「…姉さんの言うことも分かるわ」
幻影はかつてあたしたちと同じ魔女で、仲間だったとスカーレットは不意に呟く。オレンジはスカーレットの方を向く。
「あたしたちより長く生きている姉さんにとっては、大事な存在だったのよね」
でも、とスカーレットは続ける。
「あたしにとっては今いる仲間たちの方がずっと大事だから」
あたしは彼女たちのためにも戦っているのよ、とスカーレットは目を細める。
「姉さんだって、妹たちも大事な存在でしょう?」
スカーレットはにこりと笑って首を傾げる。オレンジは黙って俯いた。
「…わたしは」
わたしは、かつての仲間たちも大事だからと彼女は震えながら呟く。スカーレットは暫くその様子を見ていたが、向こうでグリーンがねーさまー!と手を振っているのに気付くと笑顔で手を振った。
「今行くわ」
スカーレットはそう答えると、オレンジに対しこう声をかけた。
「今のあの子たちみたいに、姉さんとあたしがまた一緒にいられる日が来ることを楽しみにしているわ」
オレンジはハッとしたように顔を上げる。だがスカーレットはもう既に妹たちの方へ向かっていた。オレンジが振り向いて彼女たちの方を見ると、魔女たちはわいわいと話に花を咲かせていた。
「…スカーレットったら」
オレンジは独り微笑みながらそう呟いた。

〈おわり〉

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鉄路の魔女 「眠り」 3

もう既に五分以上経過している...筈だった。
懐中時計の秒針は停止している。
否、それどころか、全てのものが停止していた。
幻影の仕業なのか。
だとしたら重大だ。
とにかく、辺りを散策してみる事にした。

(でも...)

この辺りに廃線になった場所はない。
本数の減少はあれど、「完全なる廃線」はない。
山吹自身、古くはあるがまだ現役で動いている。
姉妹、友人もそうだ。
つまり、廃線からはるばるここまでやってきたか、

何かによってここで発生した可能性がある。

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暴精造物茶会 Act 15

夜7時台、大学からほとんど人気がなくなる頃。
構内にあるレンガ作りの年季の入った建物の一室で、どこか不思議な雰囲気を纏ったコドモが4人、ソファーに座り四角いテーブルを囲んでお茶をしている。
「…それで私の所まで来たっていうの?」
白いワンピースを着た長い青髪のコドモは、目の前のゴスファッションを着た黒髪のコドモに目を向ける。
黒髪のコドモことナツィはまぁ、と頷く。
「キヲンがなんか怪しかったから…」
ナツィがそう呟くと、青髪のコドモの隣に座る赤髪にキャップ帽を被ったコドモがコーラの入ったペットボトルから口を離して、へぇとこぼす。
「お前もきーちゃんのこと心配するんだな」
「え、違っ」
赤髪のコドモこと露夏の言葉のナツィは少し飛び上がる。
「お、俺は別にアイツのことなんか心配してないんだけど⁈」
なんでそうなる⁈とナツィは恥ずかしそうな顔をする。
露夏はハハハと笑い、ナツィの隣に座るジャンパースカート姿のコドモことかすみは苦笑いした。
「…それにしても、きーちゃんがあの子たちと一緒にねぇ」
青髪のコドモことピスケスは紅茶の入ったティーカップをテーブルの上に置く。

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貴方は素晴らしい使命を持って生まれてきた。

貴方がいるからみんなが生きていける。
私も生きていける。

すべてが敵に見えても私は貴方の味方です。

貴方は使命をもう果たしている。

その使命とは人を笑顔にすること。

誇りを持ってくださいね(*^^*)

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蜂蜜オーレウインナー

石畳の商店街
朝の白さが鼻につく
すっかり明るさを覚えた
午前6時

何もしないでいることすら
したくなかったから僕は
夜通し戯れてたモニター閉じて
こっそり街に忍び込む

徹夜明けの頭
ゆらゆらゆらす
渡る横断歩道の上
クソ真面目な信号機を睨んだ

少し減った脳漿を継ぎ足す
蜂蜜オーレウインナー
日々はあまりにも鹹いから
すぐに無くなった

磨り減った関節にさしこむ
蜂蜜オーレウインナー
日々はただでさえ重いから
胃がもたれた

襟足をさする右手が
いつもの癖だと気づいて
物足りない言葉を左手に
そのままポケットに突っ込んで

鼻歌を甘たるく口ずさんで
じんわりと歩いた