「鉄路の魔女 〜Megalopolitan Witches.」のおまけ…というかキャラ解説編その3です。
・“中央線快速の魔女”バーミリオン
一人称:アタシ
武器:槍
オレンジ色の髪で短いズボンを履いた、背の高い魔女。
自分が“由緒正しきJRの魔女”であることを誇っており、他の魔女より優れていることを信じてやまない。
スカーレットとは因縁があるが、なんだかんだ言って理解している模様。
カナリアと仲良し。
・“中央・総武線各駅停車の魔女”カナリア
一人称:カナリア(本編未登場)
武器:マシンガン
黄色い髪で(設定上は)黄色いミニワンピースを着た小柄な魔女。
口数は少ないが仲間思い。
バーミリオンと仲良し。
・“銀座線の魔女”オレンジ
一人称:わたくし/わたし
武器:刀の仕込まれた和傘
みかん色の髪で山吹色の和服を着た魔女。
穏やかで幻影含め誰に対しても優しい。
最古の“地下の魔女”であり、それ故に決して少なくない数の魔女の最期を見届けてきた。
そのため幻影を倒すことに忌避感があり、自身の目の前で幻影を傷つける者がいると相手が魔女だろうと妨害しにかかる。
スカーレットとはかつて仲が良かったが、幻影に対する立場の違いから袂を分かっている。
・幻影
頭部に無数の目がついた爬虫類のような姿の幻影。
舌を自在に伸ばすことができる。
裏設定ではかつて東京中を走っていた“都電”の魔女の成れの果て、だったりする。
一方その頃、キヲンたちは燃えるような目を持つ怪物に追われて廊下を走っていた。
「どどどどどどうしよう⁈」
葉のような髪を持つコドモ、タイサンボクはパニックに陥りながら逃げている。
「どうしようって、どうしようもないじゃない‼︎」
紅色の髪に狐耳が生えたコドモ、中紅はそう声を荒げる。
「クロミスが扉を開けようとするからよ!」
「うっ、そんなこと言わないでよベニ」
「事実は事実じゃない!」
中紅の指摘にクロミスはうろたえる。
それを見たキヲンはまぁまぁ2人共ケンカしないの〜となだめようとしたが、中紅はケンカしてないわよ!と鬱陶しそうに言い返す。
キヲンは何も言えなくなった。
「…とにかく、建物の外へ出るわよ!」
前を向いた中紅はそう叫んで走る速さを上げる。
他の3人もそれに続く。
暫く走ってキヲンたちは建物の外に出たが、建物の出入り口をすり抜けて怪物も飛び出してきた。
「うぇえええっ⁈」
あいつ、建物の外に出られるの⁈とクロミスは声を上げる。
「よく来てくれたね」
種枚は集合時刻5分前にやって来た青葉を笑顔で迎えた。
「はい……しかしまあ、随分と軽装ですね。これから山登りなんですよね?」
登山準備を整えていた青葉とは裏腹に、種枚は普段通りの素足とパーカー姿に、荷物の一つも持っていなかった。
「私は良いんだよ別に。君は君の心配だけしていな」
「はい……そういえば、今日は何をするんですか?」
「ああ、天狗を狩る」
「…………天狗?」
「そう」
「狩る、ですか?」
「まあ、生け捕りにしても良いんだがね。ほれ、行くよ」
そう言って、種枚は青葉に手招きし呼び寄せる。近寄ってきた青葉に自身が被っていたキャップ帽を被せ、登山道を外れて山奥へ踏み入った。
大鯰の幻影は、ギンとの衝突によって運動エネルギーを失い、交差点の中央に向かって自由落下していく。
「キンちゃん仕留めて!」
「了か……⁉」
幻影の落下地点に照準を定めるキン。しかし、大鯰は舗装に衝突する事無く、地面を『すり抜けた』。
「なッ…………⁉」
一瞬遅れてギンも受け身を取りながら着地し、大鯰の消えた道路を見つめる。そこに合流したキンも足下に目を向ける。2人のいる地点を無数の自動車が通過するが、彼女らが気にする気配は一向に無い。
「逃げたか……ん? おギンちゃん?」
キンが見ると、ギンの前身は小刻みに震えていた。
「おギンちゃんや?」
「っ、はああああああああぁぁっ⁉ あのクソナマズ、ふざけやがって!」
「うおぉすごいキレ方……何をそんなに怒ってるのさ」
ギンは答えず、『真上』に跳び上がる。同時にキンが矢弾を射出し、空中に障壁を展開する。
ギンはその障壁に足から着地し、それを蹴って勢い良く地面に突っ込み、そのまますり抜けて地下に潜っていった。