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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 23.キリン ⑩

「ど、どうして分かったんですか⁈」
「いや、なんとなく」
そんな気がして、と師郎は笑う。
少年はうえぇぇ…とうろたえるが。師郎は気にせず、入るぞと言って駄菓子屋の中に入った。
わたし達もそれに続く。
様々な商品が台の上や棚の中に並んだ駄菓子屋の中は、休日という事もあって寿々谷のコドモたちで賑わっており、その中には見覚えのある2人組もいた。
「あれ、もしかして…」
わたしが2人に気付いて声をかけた時、その内の1人…蝶の刺繍の入った紫のスカジャンに、長髪で丸メガネをかけた少女が振り向いた。
「あら、あなた達」
死霊使いとその仲間とセットの常人じゃない、とメガネの少女こと穂積が言う。
その言葉に反応して、彼女と一緒にいる雪葉もこちらを振り向く。
「どうし…って、そこにいる少年は誰なのよ」
穂積はふと師郎に連れられている少年に気付いて目をやる。
少年は驚いたように師郎の陰に隠れた。

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回復魔法のご利用は適切に!_2

シオンは端の空席に案内された。気まずさを感じつつ椅子に腰を下ろすと、隣から声をかけられた。
「初めまして!」
彼女の顔はシオンの目線より少し低いところにある。整えられたボリューミーな赤いドリルツインテール、改造されてもはやゴスロリになっている制服が目立つ少女だった。びっくりして、シオンは挨拶を返すのが遅れる。
「…は、初めま」
「私の名前はエリザベスですわ!けれどエリザベスでは長いですから、リサとお呼びください!わからないことや忘れ物をしてしまった場合は私におっしゃっていただければ必ず力になりますわ!これからよろしくお願いします!」
「え、ええっと…」
シオンはエリザベスの勢いに押されて微笑むことしかできなかった。
「よ、よろしく…ね?リサちゃん」
「うふふっ」
エリザベスはご機嫌に笑うと何事もなかったかのように前を向いた。
_不思議な子と隣になっちゃったなぁ。
シオンはますますこれからの学校生活が不安になった。

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溢れる

声を聴いただけで心は弾む

目が合えば気持ちが踊る

触れ合ったらドキドキが溢れる