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黑翆造物邂逅 Act 7

「雨宿り、していったら…?」
カシミールがそう自信なさげにこぼすと、相手はジト目でカシミールの方を振り向く。
「あ、嫌だったらいいんだよ、嫌だったら」
今うちのマスターは出かけてるし、帰ってきたら帰ってきたで言えばいいだけの話だし…とカシミールは慌てて付け足す。
その様子に相手はまた前を向き、そしてこう呟いた。
「…分かった」
お前のところで雨宿りする、と相手は呆れたように言った。
その言葉にカシミールは、え…と驚く。
「別に、お前に情けをかけてるとかそういうのじゃないからな」
これは俺自身が決めたことなんだから、と相手はなんだか恥ずかしそうにカシミールの方を見た。
カシミールは…うん、と嬉しそうに頷いた。

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空想少年要塞都市パッセリフォルムズ -Japanese Robin- 22

「べ、別に、嫌ならいいけど……」
「もっちろん‼︎」
アカの言葉を遮るように、トログは明るく声を上げた。アカは驚いたような顔をする。
「ボク、アカの隣にいるよ!」
「あと、サンダーバードのみんなも‼︎」とトログは前方を歩く仲間たちの方を見やった。
アカがトログの視線の先を見ると、クリス、モザ、ロディの3人が笑顔でこちらを見ている。
「いい……のか?」
「そうだよ!」
目をぱちくりさせるアカに対し、トログは大きく頷く。
「だってボクたちは仲間だからねっ‼︎」
「そうでしょ、みんな!」とトログが仲間たちに聞くと、クリス、モザ、ロディはこう答える。
「そりゃあもちろん」
「おうよ!」
「うん!」
その返事にアカはポカンとするが、トログは「だって!」とアカの方を見やる。
「だから、行こう!」
トログはそう言ってアカの手を引いて走り出す。アカは一瞬驚いたような顔をしたが、すぐに笑みを浮かべて駆け出した。

〈おわり〉

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空想少年要塞都市パッセリフォルムズ -Japanese Robin- 21

「トログが助けてくれたから、不思議と力が湧いただけ」
「だから、ありがとう」とアカはこぼす。その言葉にトログは「いやいや、ボクそこまでのことしてないよ!」と手を振った。
「もう仲間を失いたくないから、ボクは助けにいっただけだし」
「だから当然のことを……」とトログは言いかけるが、アカは「ううん」と横に首を振る。
「トログや、みんなのお陰だから」
アカはそう言って立ち止まる。
「……自分も、前いた要塞都市でずっと一緒にいたアヴェスが、戦闘中に行方不明になったことがあって」
「あの子とは……コマとは、いつか要塞都市の外へ一緒に行こうって約束してたから、すごくショックだった」とアカは続ける。
「それで一緒にいてくれる相手がもういないなら、この生に意味はないって思うようになったんだ」
「でも」とアカはトログの方を見る。
「トログが、一緒に行こうって言ってくれた」
「だから、自分は、今ならどこへでも行ける気がするんだ」とアカは言う。トログは「アカ……」と呟いた。
「……トログ、自分とこれからも、一緒にいてくれる?」
アカは、不意に尋ねる。トログはちょっと驚いたような顔をして、少しの間沈黙する。

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夏休み

サマータイムは
我に無し

課題多し我にサチアレ。

*課題片っ端から片付け