「おれも初耳なんだけど…」
露夏はそう言って対峙する”きょうだい“に目を向ける。
カプリコルヌスは眉一つ動かさず、その呼び方はやめろピスケスとそっぽを向いていた。
それに対しピスケスは、あらよく言うわねと首を傾げる。
「お母様だってお前のことをカプリコーンと呼んでいたわ」
「お前の”お兄様“呼びは腹が立つんだよ」
「私も”お姉様“呼びはあまり好きじゃないわ」
ピスケスとカプリコルヌスはそんな会話をしていたが、カプリコルヌスは…お前、とピスケスに騎槍を向ける。
「わたしとの”決闘“の件から逃げていただろ」
その言葉にピスケスはまぁ、覚えていたのねと笑う。
カプリコルヌスはとぼけるなと続ける。
「お前、それを分かってて今日は行方をくらませてたんだな」
「あら察しがいい」
「お前のことだし」
ピスケスは手で口元を隠しつつ言ったので、カプリコルヌスは呆れたように呟いた。
暫くフスとブケファルスがアリエヌスたちを押し留めていると、今まで背中から小さなアリエヌスを射出するのみであった大きなアリエヌスがうめき声をあげて立ち上がった。
「うおっ…!?」
「ファル、こっち!」
フスはしっかりと盾を地面に差し、ブケファルスの首根っこを掴んで盾の後ろに引き込んだ。
「なんで急に動き出すんだよ!?」
「多分…でかいやつに攻撃入れたんじゃない…?」
小さなアリエヌスたちは総員、動きを停止した。
「ひぃえ…」
「もうちょっと…このまま様子をみるか…」
私は未来線に乗っている。
だけど未来というのはわからない。
私がどうなっているのか世間はどうなっているのかそれは未知の世界だ。
それよりもいや私は未来線に乗っているというより
未来線を追いかけているという表現をした方がよくまいか。
未来線は長くて暗いトンネルもあるだろう。
高い行き止まりというのもあるだろう。
私は高い行き止まりに近づいている。
それは私にとって今後の未来線の影響になる大きな決断というもの。
私は現在線で未来線を追いかけている。
私は高い行き止まりを壊し、更なる世界へ、
明るい未来へと踏み出せるよう、
私は現在線で生きて生きて生きて努めていく。