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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 25.ヴァンピレス ⑧

「だから1つ、きみの方から彼らに、お願いしてもらいたい」
逢賀さんがあまりにも真剣な眼差しでわたしを見るものだから、余計わたしは困惑してしまう。
…確かに、彼の妹を止めたい気持ちはよく分かった。
しかし、あのヴァンピレスの身内からの提案という事で、ネロ達はひどく警戒してしまいそうな気もする。
だが彼女を止めなければより大変な事になる可能性があって…
わたしがそんな風に考えを巡らせていると、逢賀さんはあ、そんなに悩まなくていいよと笑みを浮かべる。
「きみが彼らにお願いするのが難しいなら、ぼくが直接あってお願いするよ」
だからきみがそんなに気負う必要はないよ、と彼は再度手元のホットココアを飲んだ。
「は、はぁ…」
わたしはポカンとして、そう呟かざるを得なかった。

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LINkerWorld LINearWaltz / Miraculous-Ephemeral 6

「それにしてもここ……ちょっと怖いなぁ」
 路地裏を歩きつつミラはそう言って辺りを見回す。昼間とはいえ、ひと気がなくしんと静まり返っている小道は、普段表通りしか歩かないようなミラにとって不気味に見えた。
「……」
 ミラはつい立ち止まって、手の中にあるキーホルダーに目を落とす。いくら路地裏が怖くても、先ほどぶつかった人物が落としたキーホルダーを届けなければならない……
 「だからあの子を探さなきゃ」とミラが思い直して顔を上げたとき、目の前の道の角になにかが隠れたような気がした。
「?」
 「なんだろう」と思いつつミラは角の建物に近づく。さっきの子かなと思いつつ角の向こうを覗き込もうとすると、陰からなにかが飛び出してきた。
「‼︎」
 ミラは飛び出してきた“なにか”を避けようとするが、腰を抜かして尻もちをついてしまう。その“なにか”……けばけばしい色合いで多脚の大型節足動物のような生物は、地面の上をガサガサと動く。ミラがつい辺りを見回すと、周囲の建物の壁や地面には体長1メートルほどの節足動物のような生き物が複数うごめいていた。
「こ、これって、ディソーダー⁈」
 自身の周りを囲む奇妙な生き物たちを見て、ミラはつい声を上げる。まだ戦場に出たことのないミラにとっては初めて実際に見るが、自身が生み出され戦闘訓練を受けた“ラボ”の資料や仮想訓練シミュレータの映像で何度もその姿を見せつけられてきたため多少の見覚えはあった。禍々しい見た目をした、奇怪な存在……異界における人類の敵・ディソーダーだ。

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親の愛情を一身に受けた事が何よりの自慢だ

兄妹が多くても、誰1人えこひいきしないで育ててくれたよね。

食卓テーブルはいつも賑わっていて楽しいよ

愛してくれて…ありがとう

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笑顔

私の気持ちが沈んでるときに

君の笑顔を見ると

優しい気持ちになれるんだ

自然と笑顔になれるんだ

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百舌鳥と愉快な仲間たち_14

ブケファルスの意識が覚醒したとき、ブケファルスはユニシンクトゥスの小脇に抱えられていた。そこにいたはずのアリエヌスは消滅しており、身体を動かそうとすると痛みが走った。
「!?…??どういう…どういう状況……あ!?俺って気絶した!?」
ブケファルスがそうやって騒いでいると、カメルスがブケファルスの顔を覗く。
「おお!起きたか!いやービビったぜ…お前もろに食らって吹っ飛んだからマジで死んだかと…」
「ふ、吹っ飛んだ…!?」
カウダとフスもブケファルスの顔を覗き込む。
「まあ、君がギリギリまで頑張ってくれたおかげでアリエヌスの討伐自体は成功したけどね」
「全身を打ってたからあんま動かない方が良いと思う…あ、今は後処理の人が来るの待ってるとこ」
ブケファルスが曖昧に頷きつつ上を向いてユニシンクトゥスを見ると、彼もまたブケファルスを見下ろした。
「…無事で良かった」
「無事…ではないけど…ありがとう」
状況が飲み込めて少し落ち着いたブケファルスは呟いた。
「…それより俺のレヴェリテルムどこ?」