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時の秘法

時には深い理が存在する。

主に一般に知られている【時の遡り】がある。
時を巻き戻して過去を変えるといったことが可能だ。

だが【時を越える】ことは禁忌とされている。
誰もが先の未来を見たいと思うはず。

だが、これは御法度なのだ。

言葉の力の使い手たちもこの行為は固く禁じられている。

しかし、稀に先を見通す力を持った人も存在するらしく、そういう力はタブーとはされていないらしい。

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紅狗造物茶会 Act 1

しとしとと雨が降る午後。
住宅街の片隅にある小さな公園の木の下で、どこか異質なコドモたちが雨宿りをしている。
先ほどまでは空は曇っているくらいだったのに、急に雨が降り出してコドモたちが公園で遊べる状況ではなくなったのだ。
しかも誰も傘を持ってきていなかったので、公園の片隅にある大きな木の下で雨宿りをすることになったのである。
「ねー、この雨いつ止むかな〜?」
雨宿りをするコドモたちのひとり…短い金髪に白いカチューシャをつけたコドモ、キヲンが、後方で木の根本に座り込むゴスファッションの黒髪のコドモに尋ねる。
黒髪のコドモ…ナツィは、知るかよとそっぽを向いた。
「魔術をもってしても自然の摂理に干渉することは基本できないんだし」
「えっそうなの?」
そう言って首を傾げるキヲンに対し、ナツィはそうだよと冷たい目を向ける。
「お前、人工精霊の癖に知らないのか」
「えー知らな〜い」
キヲンはそう言って笑うと、仕方ないわよとナツィの傍に佇む青い長髪のコドモ…ピスケスが付け足す。

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A fool's hope

なれない なれない
私は、あの大好きな人のようには絶対なれない

なのに、なぜ、なれる気がする
私は本当に愚かだ 自分が絶対なれないものになれると思っている


そんな愚かな私が
いつかなにかになれるといいな

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語り部

あなたは

すべての希望を生み出すのだろう

私はその希望に満ちた世界を目に焼き付けよう

あなたは

すべての光を生み出すのだろう

私はその光に照らされた世界を永遠と語り継いでいこう

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Tell us terrible Terrors:死にゆくお前に中指を! その⑥

「おい後輩……コンクリからは絶対出るなよ。さっきは油断したが、もう破らせねえから」
加奈は血の滴る左腕を押さえながら、絞り出すように静かに言う。
“ハグレイ”は既にコンクリートに覆われた橋の下から出て、土壌が露出した地点に立って二人を睨んでいる。
「おい、その傷処置した方が良いだろ」
「お前『腐敗傷』なんてものの手当の仕方知ってんの?」
「知らねえけど、出血止まらない抉れ方してんだろ」
「圧迫止血はしてるわバーカ。どうせ離脱のしようも無いんだし、さっさとあいつ倒して帰んぞ。取り敢えず『殺し方』は思い付いた」
話している間にも、全方位から生えだした草木が二人を襲うが、加奈は【ポルターガイスト】で川の水や周囲の土、コンクリートの破片などで迎撃し続ける。
(どうやら、あの“大顎”は直接足元に出さなきゃならないっぽいな……でなきゃこのラッシュに混ざってるはずだ。けど……流石にこの怪我抱えた状態で、コンクリ割られないようにするのと攻撃全部迎撃し続けんのはキツいな……)
加奈はその場に膝をつき、思考と精神のリソースを可能な限り能力行使に回す。
「おい、『殺し方』って何だよ」
「ま、面子が足りないから今は使えないんだけど」
「はぁ!? じゃあどの道無理じゃねえか!」
「るっさいわねェ……『全方向から削がれ続けても問題ない前衛』なんてものがいなけりゃどうしようも無ェってのよ。あたしの【ポルターガイスト】は『全手動』なんだから」
「……!」
(あんたの能力は聞いてる、“二重身”……あんたの【ドッペルゲンガー】なら、このクソみたいな作戦が成立する!)
陸斗が加奈の背中に手を置いた。
「勝手に触んな変態」
「能力のために必要なんだよボケ。分かってんだろ」
「……ったくしょーがねェなァ~~~! やんぞコラ」
「おう」
【ドッペルゲンガー】異聞能力が発動した。陸斗の背後に現れたのは、加奈と同じ姿の実体が1つ。無言・無表情のソレは加奈の目の前にしゃがみ込み目を合わせた。
「よォ、“あたし”……一緒にあの先輩、弔ってやろうぜ?」
牙を剥くように笑う加奈に、“ドッペルゲンガー”は無表情のまま小さく頷いた。

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Tell us terrible Terrors:あけて その⑭

「ただい……君たち何してるの?」
16時半頃。冷房の効いた吉継の部屋で毛布を被っている二人を見下ろして、王蕗が尋ねる。
「あっ菅原先輩」
あっさりと毛布を捨てて立ち上がった吉継に対して、潮は包まった姿のまま王蕗の足元にすり寄る。
「先輩ぃ~、やっと帰ってきたぁ~」
「菅原先輩、“八尺様”に遭遇しました。あと、昨夜窓辺にやって来たのも“八尺様”です」
「……なるほど。詳しく聞こうか」
3人はテーブルに各々が道祖神の位置を記録したマップを広げ、情報共有をすることにした。
「にしても王蕗先輩のマップ、マークの数多くありません? というかこの村道祖神多すぎません?」
「“コロポックル”達に探させたんだ。君たちの見つけた分も合わせると……こうなるね」
王蕗が描き足したマップには、赤いポイントが100以上、村内はもちろんのこと周囲の山中にまで刻まれていた。
「……多すぎない?」
「多いね。そして、永江くんの証言や遭遇した際の状況、それから僕の推測も合わせると……」
王蕗は定規を手に取ると、赤ペンを走らせてマップ上のポイントを一つ一つ結び始めた。
「……多分、『結界』はこういう形をしている」
「……かなり滅茶苦茶な形してますね? この辺とか異常に細いし……」
吉継の疑問に、王蕗が頷く。
「おそらく、村内に“八尺様”を留めつつも人間が行動圏を避けて生活できるように、建物や道、農地を上手く躱すようにしたんだろうね」
「じゃぁ……『あけて』ってのは……」
「……結界に“穴”を、開けてほしかったんだろうね。『獲物』である君を追うために」
「ぴゃぁ恐ろしい~」
「……秋津さんいつまで毛布被ってるの?」
「……いやほら、めっちゃ強いらしいオバケ相手だし、一人くらいはビビり役がいた方が良いかなって」
潮もあっさりと毛布を解き、畳んで膝の上に乗せる。
「あ、秋津先輩それ演技だったんですね……」
「そりゃそうだよ。いくら準擬神格級っても、私は【ダイダラボッチ】だよ?」
「自信家ぁ……」
「ははは、頼もしいことだ。ところで結構分かってきたところで二人に訊きたいことがあるんだけど」
王蕗に視線が集中する。
「この“八尺様”を、倒すか封じるか。どっちにする?」

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言葉

ここにちゃんといます、と誰かに伝えたい気持ちになった。

あの頃の人々は元気なのでしょうか。
言葉を紡がないとお互いの存在を確認できない世界
大人になるって寂しいことだな、と思っていた自分も
あと少しで二十歳になるみたいです

あの頃の人々ともう一度話せたら。
そう願うことは今まで多々ありましたが
もう交わらないことも縁なのかもしれません。

また誰かに伝えたくなったとき
わたしの言葉をここに残すようにしようと思います